経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率については、総収益の増加により前年度比で改善したが、これは、一般会計繰入金の増加によるものである。近年は悪化傾向にあるため、使用料確保に努めるなど、繰入金への依存度を下げる必要がある。④企業債残高対事業規模比率については、地方債償還に係る一般会計繰入金の減少により前年から大幅に上昇したが、地方債現在高の減少により改善傾向にあり、類似団体との比較でも低い水準にある。⑤経費回収率については、汚水処理費用の減少により前年度比で改善したが、類似団体との比較では依然として低く、使用料確保に努める必要がある。⑥汚水処理原価については、汚水処理費用の減少により前年度比で改善したが、類似団体との比較では依然として高く、費用削減に努める必要がある。⑦施設利用率については、近年50%台前半で推移しており、類似団体と比較しても高い水準にある。処理水量が計画よりも少ないため、施設の処理能力に余剰が生じている。⑧水洗化率については、計画区域内の整備が概ね終了していることから、近年は横ばい傾向で推移している。類似団体との比較でも数値が低いこともあり、引き続き未接続者に対して接続要請を行う必要がある。
老朽化の状況について
川田処理区が昭和62年4月、白沢処理区が平成12年4月、利根処理区が平成13年6月に供用開始しており、川田処理区については、供用開始後30年以上経過しているため、管渠の更新投資や老朽化対策が近い将来必要となる。また、白沢処理区、利根処理区については、早い段階から将来を見据えた対策を検討する必要がある。
全体総括
経営指標数値については、悪化傾向にあり、類似団体との比較でも低調な項目が多い。これは、汚水処理に係る維持管理費用が依然として高いことに起因しているため、早急に削減を検討する必要がある。また、今後、施設の更新などに要する費用の増加が見込まれるため、公共下水道事業と同様に経営戦略並びに使用料体系の見直しやストックマネジメントの検討が必要である。