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地方財政ダッシュボード

高知県室戸市の財政状況(2021年度)

🏠室戸市

地方公営企業の一覧

末端給水事業


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

本市は、人口減少や高い高齢化率に加え、地域産業の低迷等により財政基盤が弱く、市税収入が少ないことなどから財政力指数は0.22と類似団体を大きく下回っている。今後は、「第2期室戸市財政運営計画(令和2~6年度)」に基づき、引き続き市税等の徴収強化に取り組むとともに、人件費や物件費などの経常経費削減や行政の効率化に努め、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は前年度よりも9.9ポイント減となり、類似団体平均を下回っている。これは、比率の分母となる歳入計上一般財源の普通交付税が447,480千円増となったことなどが主な要因である。今後においても、新規発行債の抑制や、職員の定数管理など義務的経費の縮減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

本市では急激な人口減少の影響により人口1人当たりの決算額が増加傾向であることに加え、人件費は隣接する東洋町の消防業務を受託していることや、生活保護率が高いため福祉事務所に職員を多く配置していること等により決算額が増加していると考えられる。物件費については、保有する公共施設の数が多く、その維持経費が多額となっているためである。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合を進めることでコストの抑制を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度と同じ96.1となっており、類似団体平均を下回っている。今後も引続き定員管理や、給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

急激に人口が減少する一方で、事業が多様化・複雑化しているため、人口1,000人当たり職員数が昨年比0.55人増加している。本市は平地が狭く東西に長い海岸線を有するなど地理的条件により行政効率が悪いことや、近年では人口減少、市内医療機関の減少などの課題に対応するため、移住促進事業や地域医療対策事業など新たな事業が増えており、職員数の削減が困難な状況であることが挙げられる。今後、費用対効果の検証や業務改善などにより、職員数の適正管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

市債を発行する際は、過疎対策事業債や緊急防災・減災事業債等、交付税算入率の高い有利な市債の発行に努めており、類似団体よりも0.5ポイント上回っているものの、前年比0.8ポイント改善している。今後も引続き新規発行債の抑制や、交付税算入率の高い市債発行による実質公債費比率の低下に努め、安定的な財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

南海トラフ地震に備えた防災対策事業や、消防屯所の高台への整備事業等により近年の市債残高は増加傾向にあるが、それらが交付税算入率の高い市債であることや、財政調整基金やふるさと室戸応援寄附金積立基金等の積立による充当可能財源の増加などにより、改善された。今後においても、新規発行債の抑制や交付税算入率の高い市債の発行など、将来負担を軽減できるよう財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

人件費が1.8ポイント減となったが、依然として類似団体の平均や県内の平均を上回っているため引続き業務改善や事業の見直しなどにより、職員数の適正管理に努め、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

近年では類似団体平均や全国平均を下回っており、昨年より2.0ポイント減し、経常収支比率は10.2ポイントとなった。今後においても経費節減を徹底し、経常的な物件費の削減に取り組む。

扶助費の分析欄

扶助費のうち、生活保護の重複多受診の指導等により医療扶助が減したことなどにより、扶助費全体では前年より1.0ポイント改善しているものの、類似団体を0.6ポイント上回っている。今後も就労指導や医療扶助など生活保護の適正運営に努め、扶助費の削減を図る。また、生活保護に至る前段階の生活困窮者に対して、自立支援事業、就労準備支援事業及び家計相談事業に取り組むなど、生活保護の適正実施に努める。

その他の分析欄

ふるさと室戸応援寄附金積立の大幅増はあるものの、維持補修費や国民健康保険事業特別会計への繰出金の縮減等により2.3ポイント改善した。今後も、介護予防や疾病予防を推進し、特別会計の健全運営に努める。

補助費等の分析欄

特別定額給付金事業の皆減などにより、補助費等の全体では昨年より2.6ポイント減となっている。今後においても事業の廃止や統合、補助金の見直しなどを検討し、行政コストの省力化に努める。

公債費の分析欄

公債費は昨年より0.2ポイント改善しているものの、類似団体ならびに県内平均を1.9ポイント上回っている。今後は、普通建設事業の計画的な実施に努めることで、市債の新規発行を抑制し、公債費の削減に努める。

公債費以外の分析欄

昨年よりも9.7ポイント改善し、類似団体内平均より5.2ポイント低くなっている。全国平均や類似団体平均は下回っているが、今後においても経常経費抑制を継続していく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

住民一人あたりのコストが類似団体より高いもののうち、商工費は270,051円/人でジオパーク事業費や観光事業、ふるさと室戸応援寄附金事業関連によるものであり近年増加傾向にある。民生費は316,616円/人で、生活保護率が54.1%(令和4年3月末時点)と依然として高い水準であるため、類似団体より生活保護費等の扶助費が高止まりしており、類似団体より高い水準で推移している。消防費は75,069円/人で、隣接する東洋町から消防業務を委託されているため、類似団体等と比較して高額となっている。今後も引続き市税収入等自主財源の確保に努めるとともに、国・県補助事業の活用など有利な制度の活用等を行いながら、事業の見直しや財政の健全化に取り組んでいく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は住民一人当たり1,279,103円となっており、昨年度より84,714円増加している。主要項目のうち、人件費は160,982円/人、物件費は138,654円/人、扶助費は166,894円/人、普通建設事業費は207,035円/人と類似団体を上回っている。普通建設事業費は105,536円/人で、市立室戸診療所を整備したことや、東西に延びる海岸線を有することによる行政効率の悪さから各地域において点在する公共施設の更新等に対する費用が発生していることなどにより類似団体平均を上回っている。補助費等が近年上昇傾向にある主な理由は、ふるさと室戸応援寄附金事業の拡大である。扶助費は、生活保護率が54.1‰(令和4年3月末時点)と依然として高い水準であるため、生活保護の適正化に今後も継続的に取り組んでいく。積立金は、前年に比べ105,964円増であるが、ふるさと室戸応援寄附金積立金が増加していることが大きな要因である。今後も引続き市税収入等自主財源の確保に努めるとともに、国・県補助事業の活用など有利な制度の活用等を行いながら、事業の見直しや財政の健全化に取り組んでいく。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

実質単年度収支は昨年度に引き続き黒字となった。本市は、人口減少や高い高齢化率に加え、地域産業の低迷等により財政基盤が弱いことなど多くの課題があるが、今後も歳入の確保、歳出の削減に取り組むなど、財政の健全化に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

全会計において赤字が解消されている状態である。連結実質黒字並びに各会計においても黒字を維持するため、歳入の確保、歳出の削減に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

今後、室戸中学校高台移転事業や、市役所本庁舎地震対策事業など大規模事業が予定されているため、中長期的には元利償還金が増加することが見込まれている。このため計画的な事業の実施、交付税算入率の高い起債を優先的に発行する等、公債費の負担軽減に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

近年では津波避難タワー建設や、市立室戸診療所の建設など大型公共事業が増加したため、市債発行額が増加傾向にあり、将来負担額が増加したものの、それ以上に財政調整基金等の充当可能基金残高や、基準財政需要額算入見込額が増加したことで、充当可能財源等が増加したため、将来負担比率の分子は1,460百万円減少した。今後も引き続き、住民サービスの充実は維持しつつ、市債の適正管理を行うなど、将来負担比率の改善に向けた取り組みを行う。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金438百万円、減債基金は250百万円、その他特定目的基金は805百万円それぞれ増加し、令和3年度末の基金全体の残高は6,305百万円となった。その他特定目的基金が増加した主な理由は、ふるさと室戸応援寄附金が425百万円増加し、令和3年度から新たに庁舎建設事業基金積立金300百万円を積み立てたことなどによる。(今後の方針)今後においても室戸中学校高台移転事業や、市役所本庁舎耐震対策事業など大型公共事業予定されており、厳しい財政状況が見込まれているが、中長期的な視点に立った財政運営を行うため、基金残高と市債残高のバランスをとりつつ、健全で安定的な財政運営のため必要な基金残高の確保に努める。

財政調整基金

(増減理由)今後の公債費等を見越し、決算剰余金を財政調整基金へ積み立てたことによる令和3年度末の財政調整基金残高は前年度比438百万円増加の2,146百万円となった。(今後の方針)国・県・民間団体の補助制度を積極的に活用するとともに、継続事業の見直しや、新規事業の評価を行うなど財源確保に向けた取組を実施し、安定的な財政運営のため必要な基金残高の確保を目指す。

減債基金

(増減理由)今後の公債費等を見越し、決算剰余金を減債基金へ積み立てたことによる令和3年度末の減債基金残高は前年度比250百万円増の681百万円となった。(今後の方針)今後、大規模な普通建設事業を控え、公債費が増加する見込みとなっているため、継続して減債基金の積立を行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと室戸応援寄附金基金:地域資源の保全、地場産業の振興及び子どもたちの健全な育成など地域医療対策基金:地域医療の充実及び確保を図る庁舎建設事業基金:室戸市の庁舎整備に必要な財源を確保(増減理由)ふるさと室戸応援寄附金基金:ふるさと室戸応援寄附金事業の拡大による積立金の増加地域医療対策基金:市立室戸診療所の安定運営に係る費用を見越して積立したことによる増加庁舎建設事業基金:令和3年度より基金積立開始(今後の方針)ふるさと室戸応援寄附金基金:積極的に活用して、地域振興、産業振興等、住民サービス向上に努める地域医療対策基金:市立室戸診療所の安定運営後も、赤字となる見通しであるため、令和3年度まで積み立てる計画庁舎建設事業基金:市庁舎整備に対し継続して積立を行う

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については類似団体平均よりも1.3%上回っている。また、前年度と比較して0.1%下降している。これは前年度資産増加額よりも今年度は診療所新設などで資産増加額の方がが多かったことが一つの要因である。今後も引き続き公共施設等総合管理計画を利活用しながら、更新時期を迎える際の財政状況にも注意したい。

債務償還比率の分析欄

本年度の債務償還比率は類似団体平均と比較して91.8%低く、前年度よりも249.9%減少している。5年間の比較では年々減少傾向にあり、本年度も地方債残高の増加以上に、基金の増加等による充当可能財源が増加していることが減少要因の一つとなっている。将来世代の負担を増やさないような財政運営に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は算出不可となっており、顕在化している将来負担は少ないものと考えられるが、潜在化している将来負担である有形固定資産減価償却率は63.7%となっている。他団体と比較すると高い数値になっており、資産全体の半分以上は老朽化しているため、公共施設等総合管理計画等の各種計画に基づいた適切な更新・維持管理に取り組む。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は昨年度同様数値無し、実質公債費比率は類似団体内平均値を上回っている状況である。潜在化している将来負担である有形固定資産、特にインフラ資産の更新時期が重なっていることが予想されるため、地方債の発行により将来負担比率が高くなる可能性がある。更新費用を考慮し、積み立てている基金の使途をどう活用するかなどを検討する必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

「道路」は有形固定資産減価償却率が65.2%、類似団体の平均と比べ本年度は上回ったが、老朽化についてはほぼ横ばいである。また、資産を更新する為の財源の確保と基金の活用方法も検討する必要がある。「認定こども園・幼稚園・保育所」「橋りょう・トンネル」は老朽化が深刻であり、類似団体の平均と比べ有形固定資産減価償却率は大幅に上回っている。令和3年度に過年度分の橋りょう計上等を行ったため、数値が下降した。「学校施設」「公営住宅」は、老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率は年々上昇傾向にある。公営住宅は一人当たり面積も広いため、学校施設と共に適正数を把握して、運営できるように努めていく必要がある。「児童館」は有形固定減価償却率が年々上昇傾向にあるが、類似団体の平均よりも低い数値であり、類似団体の平均と同じように推移している。「港湾・漁港」は有形固定減価償却率が上昇傾向にあるが、現状はほぼ横ばいの状態であり、類似団体の平均と同様に推移している。「公民館」は老朽化が深刻であり、類似団体の平均と比べ有形固定資産減価償却率は大幅に上回っている。老朽化対策に向けた更新の検討が必要な状況である。適正数の公民館を運営できるように努めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

「図書館」は老朽化が深刻であり、類似団体の平均と比べ有形固定資産減価償却率は大幅に上回っている。災害等に備え、改修工事又は建替えの検討を進めていく必要がある。「体育館・プール」は老朽化が進んでおり、改修工事の検討を行う必要がある。「保健センター・保健所」は有形固定減価償却率が毎年度50%を下回っており、類似団体の平均と同じように推移している。また、一人当たりの面積が類似団体の中で一番広いため、利用者の利便性につながっている見方も出来る。「福祉施設」は、老朽化が深刻であり、有形固定資産減価償却率は年々上昇傾向にある。類似団体の平均と比べ有形固定資産減価償却率は大幅に上回っている。また、一人当たりの面積が類似団体の中でも広いため、保有量を維持しつつ老朽化対策が必要となる。「消防施設」は有形固定減価償却率が年々下降傾向にあり、類似団体の平均を下回っている。「庁舎」は有形固定資産減価償却率が類似団体の平均を大きく上回っており、老朽化が進んでいる。老朽化に向けた更新対策が必要である。老朽化が進んでいる施設に関しては、大規模修繕や長寿命化改修あるいは建替えを行い、今後老朽化を迎える施設に関しては予防保全等の対策を取って更新費用の平準化を図っていく。また、基金の積立額が増加しており、今後は更新に向けた基金の使途が課題となる。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等では、令和2年度から資産総額が2,093百万円増加し、負債総額が752百万円増加している。資産の増加に関しては、基金が主な増加要因となっている。基金の主な内訳としては、財政調整基金438百万円の増加、ふるさと室戸応援寄附金基金425百万円を含むその他基金の増加により、最終的に基金総額が1,494百万円増加している。有形固定資産に関しては429百万円増加した。また、負債に関しては地方債残高が676百万円増加している。全体では、前年度比で資産は2,269百万円増加して、負債は785百万円増加となっている。一般会計等を除く公営企業会計・特別会計では資産は176百万円増加して、負債は33百万円増加している。連結では、前年度比で資産が2,063百万円増加して、負債が765百万円増加となっている。全体を除く一部事務組合などの連結団体では資産は206百万円減少して、負債は20百万円減少している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等では、経常費用は10,842百万円(前年度10,758百万円)となっている。業務費用が6,956百万円で全体の64.2%、移転費用が3,886百万円で全体の35.8%となっている。また、貸借対照表で計上している有形固定資産や無形固定資産の1年間の価値の目減り分である減価償却費は1,443百万円計上されている。一方で、サービスの対価として徴収する使用料や手数料、受取利息などが該当する経常収益は318百万円(前年度332百万円)となっており、経常費用に対して2.9%となっている。臨時的に発生した損益を含めて、純行政コストは10,798百万円となっている。主な項目は、物件費等が310百万円増加して、補助金等が173百万円減少して、その他臨時損失が1,295百万円減少したことなどである。全体では、純行政コストが一般会計等より4,173百万円増加している。国民健康保険事業特別会計の純行政コストが2,562百万円発生して、介護保険事業特別会計の純行政コストが2,023百万円発生していることなどが主な増加要因である。連結では、純行政コストが全体会計より3,047百万円増加している。高知県後期高齢者医療広域連合の純行政コストが3,571百万円発生していることなどが主な増加要因である。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等では、純行政コスト10,798百万円に対し、財源が12,214百万円であったため、本年度差額は1,416百万円となった。財源については、税収等が8,875百万円、国県等補助金が3,339百万円となっている。全体では、一般会計等よりも128百万円増加しており、介護保険事業特別会計の本年度差額が118百万円、水道事業会計の本年度差額が15百万円となったことが一般会計等からの主な増加要因である。最終的に本年度差額は1,544百万円となった。連結については、全体よりも83百万円減少しており、安芸広域市町村圏事務組合(一般会計)の本年度差額が△50百万円、高知県後期高齢者医療広域連合の本年度差額が△23百万円になったことが全体からの主な減少要因である。最終的に本年度差額は1,461百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等では、業務活動収支は2,501百万円であったが、投資活動収支は室戸市診療所新設や道路橋梁関係、コミュニティーセンター関連の計上により、△2,963百万円となった。財務活動収支は674百万円となり、地方債総額の増加を表している。業務活動収支について、前年度から地方交付税の再交付によるものとふるさと納税による寄附金が増加したことにより、税収等収入が833百万円増加したことが主な増加要因である。また、前年度から令和2年度に計上した特別定額給付金を含む国県等補助金収入が1,532百万円減少したことと、それに伴う臨時支出のその他の支出が1,255百万円減少したことが主な減少要因である。全体、連結についても、財務活動収支が一般会計等よりも少ない金額になっていることから、特別会計や公営企業会計及び連結対象団体における地方債等の償還が行えていることが伺える。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たりの資産額は令和2年度より26.5万円増加しており、基金1,494百万円増加したことが主な要因である。類似団体平均と比較すると大きく上回っているが、これは、類似団体よりも人口が少ないことが主な原因と考えられる。②歳入額対資産比率については類似団体平均よりも下回っている。これは、資産額が他団体よりも少ないことが考えられる。③有形固定資産減価償却率については類似団体平均よりも0.1%上回っている。また、前年度と比較して0.3%下降している。令和3年度に室戸診療所を新設(有形固定資産計上額801百万円)して、有形固定資産額の増加につながったことが下降の主な要因である。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率は令和2年度と比較して横ばいとなっている。他の類似団体平均と比較すると、前年度は平均よりも8.0%低く、令和3年度も平均よりも8.7%低い状況となっている。類似団体との比較は例年7~8%低い値を推移している。⑦住民一人当たりの負債額から見ても類似団体よりも資産に占める負債の割合が多いことが考えられ、類似団体よりも低い要因の一つとされる。⑤将来世代負担比率も上昇しており、地方債残高には過疎対策事業債6,726百万円が含まれる為、高い数値となっている。今後も資産と負債のバランスを一定に保つよう注意していく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たりの行政コストは、純行政コストの減少により令和2年度から6.4万円減少している。類似団体との比較では例年上回っている。令和2年度にその他の臨時損失としてコロナ関連の支出(特別定額給付金等)が1,490百万円発生していたことが主な減少要因である。一方で経年比較でみると平成29年度から増加傾向にある。内訳は減価償却費や維持補修費を含む物件費が主な増加要因である。純行政コストは、純資産変動計算書の財源と合わせて考える必要がある。他の類似団体よりも高いコストではある為、適正な費用であるか検討してくことが今後は必要である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たり負債額については、地方債の増加により、令和2年度から9.6万円増加している。類似団体平均と比べると大きく上回っており、上回っている理由については住民一人当たり資産額の時と同じことが考えられる。⑧基礎的財政収支は平成30年度、令和元年度の過去2年はマイナスだったが、平成29年度、令和2年度、令和3年度はプラスに転じている。また、当該値は令和2年度より143百万円増加しており、2年続いて業務活動収支の中で基金を除く投資活動収支を賄えていることになる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率は経常収益が減少して、経常費用は増加した為、令和2年度から0.2%下降した。主な項目としては、業務費用のうち、物件費等の維持補修費が168百万円増加したが、移転費用の補助金等が173百万円減少したことなどにより、経常費用として84百万円増加した。類似団体比較においても平均よりも下回っている状況である。財政面で考えると、適正な使用料であるかなどの見直しの検討も今後の課題として挙げられる。そのためにも、使用料及び手数料の対象となる費用を施設別コスト計算書などで算定するなどの活用に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,