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地方財政ダッシュボード

山口県萩市の財政状況(2020年度)

🏠萩市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和2年9月末43.4%)に加え、市内に中心となる産業がないことなどにより、財政基盤が弱く、類似団体平均を下回っている。昨年度と比較して、基準財政需要額は地域社会再生事業費が算定項目に加わったことにより基準財政需要額が増加したが、地方消費税交付金の増加等により基準財政収入額も増加した。その結果、基準財政収入額の増加率(4.3%)が基準財政需要額の増加率(1.9%)を上回り、令和2年度の財政力指数は、微増となった。今後も収納率の向上による税収の確保に努めるとともに、さらなる行政の効率化を図ることにより、財政の健全化に努める。

経常収支比率の分析欄

令和2年度は地方債発行の抑制による公債費の減少の他、コロナ禍における事業の中止や規模の縮小、施設運営における必要経費の減少などから、経常経費充当一般財源が大きく減少(4億7千万円減)したため、指標は大きく改善した。令和3年度以降、通常の施設運営の再開に伴い指標が再び悪化する可能性もあるため、引き続き公債費の発行抑制や公共施設等総合管理計画に基づく施設維持管理経費の抑制に努め、財政の健全化を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均を大きく上回っているのは、分母となる人口の減少による影響のほか、主に人件費が要因となっている。これは、市町村合併(1市2町4村)の影響により職員数が過大となっていることによるものであり、定員の適正化、人件費の抑制に努める。物件費については、令和2年度は類似団体の平均値を下回っているが、公共施設等総合管理計画に基づき、引き続き公共施設の適正配置による施設の維持管理経費の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

合併時(平成17年3月)に、厳正な職務職階制度や行政給料表(二)を導入し、平成18年度には、抜本的な給与構造改革を行った。さらに特殊勤務手当や住居手当の廃止・減額などの見直しを行い、給与制度の適正化に努めている。今後の国の給与や地域の民間給与を考慮しながら更なる給与制度の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

多団体(1市2町4村)での市町村合併により広範な地域をカバーするため、総合事務所、支所、公民館等の出先機関を多く有することや離島を多く有しているという地理的な特殊要因に加え、保育園や消防を直営で行っていること、隣接自治体の消防事務や生活保護事務を行っていることなどから、類似団体・全国平均と比較して職員数が多くなっている。市町村合併後は、定員適正化計画を策定し、新規採用職員の抑制や早期退職制度等により計画的に人員削減を行っており、平成17年4月に比べ約200人削減しているが、民間活力の導入等により組織体制を見直し、引き続き定員の適正化に努める。

実質公債費比率の分析欄

令和2年度は、元利償還金全体では前年度から減少(1億4千万円減)となっている。普通交付税の減少に備え地方債発行額の抑制や償還期間の短縮を行ってきたことから、発行額が償還額を下回る状況が続いている。加えて、交付税算入率が高い地方債の選択に努めていることから、指標は改善している。今後も将来負担比率と同様、地方債発行の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

地方債残高の減少(733百万円減)、公営企業債等繰入見込額の減少(382百万円減)などの要因により将来負担額は減少したものの、都市計画税の減少(645百万円減)や基準財政需要額算入見込額の減少(1,122百万円)などにより充当可能財源が大きく減少したことにより指標は悪化している。過疎対策事業債、合併特例事業債など交付税措置の割合が高い地方債が多いことから、全国平均より良い状況ではあるが、市町村合併により、庁舎、学校、公民館など700を超える膨大な公共施設を保有しており、建て替えや大規模改修等、多額の経費を要する事業が見込まれる。今後も地方債発行の抑制に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

令和2年度は、減収補填債(特例分)や猶予特例債の発行もあり経常一般財源総額が昨年度に比べて約1億1千万円増加したものの、人件費に係る経常経費充当一般財源が約3千万円増加したため、比率としては横ばいとなった。比率が類似団体平均を上回って推移しているのは市町村合併(1市2町4村)により職員数が過大となっていることが要因であるため、引き続き定員の適正化及び経常的な人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

予算編成の段階から一般行政経費に上限額を設定するなど経常経費の増加を抑制し経費削減に努めていることから、類似団体平均および全国平均を下回って推移している。多数の施設を有していることなどから維持管理経費の増加により比率としても増加傾向であったが、令和2年度については、コロナ禍における事業の中止や規模の縮小、施設運営における必要経費の減少などから経常的な物件費支出が昨年度にくらべて大きく減少(3億5千万円減)し、比率としても1.7ポイントの減少となった。令和2年度の比率減少は一時的なものであるため、引き続き経常経費の削減や公共施設の適正配置による施設の維持管理経費の削減および使用料収入の増加など自主財源の確保に努める。

扶助費の分析欄

令和2年度の比率についても類似団体を下回って推移しており、重度心身障がい者医療費助成費や児童手当支給事業費等が減少したことから経常経費充当一般財源も減少し、比率としても令和元年度と比べて0.6ポイントの減少となった。令和3年度以降も人口減少等により普通交付税が減少し、経常一般財源総額が減少していけば比率は更に上昇することが見込まれるため、健康長寿への取組などにより、経費の抑制を図る必要がある。

その他の分析欄

その他経費に係る比率は前年度より増加しており、類似団体平均を上回った。増加要因としては、介護保険事業等に係る繰出金の増加が主な理由となっている。

補助費等の分析欄

令和2年度については、減収補填債(特例分)や猶予特例債の発行もあり経常一般財源総額が昨年度に比べて約1億1千万円増加したことに加え、補助費等に係る経常経費充当一般財源が約5千万円減少したため、比率は0.3ポイントの減少となった。いずれの年度も比率は類似団体平均を下回ってはいるが、単独補助金の評価・見直しを行い、今後も削減に努める。

公債費の分析欄

普通交付税の減少に備え地方債発行額の抑制や償還期間の短縮を行ってきたことから令和2年度は、一般会計で前年度と比べて、元利償還金が約1億4千万円減少し、比率としても0.8%減少となった。引き続き、計画的かつ効率的な事業実施により地方債発行額を抑制し、後年度の公債費の減少に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経費に係る比率は、経常一般財源総額が昨年度に比べて約1億1千万円増加した影響もあり、減少している。さらに、物件費及び扶助費において経常経費充当一般財源が大きく減少したこともあり、2.4ポイントの減少となった。コロナ禍における物件費の減少の影響が大きく、一時的な比率の減少と考えられることから、今後も人件費の抑制等経常経費の削減に努めるとともに、各特別会計、企業会計についても適正な事業規模を見極め、一般会計負担を抑制するよう努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

【総務費】一人当たりコストが倍増しているが、特別定額給付金の支出(46億円)を行ったことによるものである。これを除くと一人当たりコストは102,685円となり、前年度よりやや減少している。また、その中では人件費が47,389円を占めており、引き続き職員の適正配置による削減努力を行う。【農林水産業費】コロナ禍における支援事業を実施したほか、相島漁港施設の整備工事(1億9千万円)の実施により、大きく増加している。【商工費】一人当たりコストが倍増しているが、コロナ禍において、観光産業や飲食事業者等への経済対策を実施したことにより補助費(7億円増)及び貸付金が増加しているためである。また、温泉施設や道の駅施設の改修工事を実施したこともあり、類似団体平均を上回った。【土木費】類似団体平均および全国平均を下回る状況で推移しているが、広大な市域を有していることから、道路・橋りょうの維持管理に係る経費は年々増加している。また、令和2年度は公共下水道事業に係る負担金が増加し、類似団体平均との差が拡大した。【教育費】GIGAスクール整備事業の実施により支出が増加し、一人当たりコストも増加しているが、類似団体平均を下回っている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

令和2年度の歳出決算総額は、住民一人当たり753,393円となっており、主な構成項目は次の通りである。【人件費】令和元年度より増加したものの、類似団体平均との差は縮まっている。しかし、その差は依然として大きく、市町村合併により職員数が過大なことが主要因であるため、引き続き定員の適正化、人件費の抑制に努める。【物件費】令和2年度は類似団体平均も下回ってはいるが、市町村合併により膨大な数の公共施設を有していることなどから、施設の維持管理経費は年々増加傾向にあり、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の適正配置に努め、維持管理経費の削減を図る。【補助費等】令和2年度は前年までと比較して大きく増加しているが、これはコロナ禍における経済対策等による部分が大きい。類似団体平均を下回ってはいるものの、引き続き、単独補助金の評価・見直しを行い、削減に努める。【普通建設事業費】令和元年度より減少しているが、これは令和2年度に大規模な新規建設工事が比較的少なかったためである。更新整備に係る普通建設費については前年度よりも増加しており、今後も老朽に伴う建設工事が予定されているため、公共施設のあり方に関する検討を引き続き進めていく必要がある。【公債費】普通交付税の減少に備えて平成26年度までに元利償還金のピークを超えるよう償還期間の短縮を行ってきたことや、合併前の各団体においても、交付税算入上有利とされつつも償還年限の短い過疎対策事業債を活用してきたことから類似団体平均を上回って推移している。令和2年度は普通交付税の減少に備えて元利償還金を約1億4千万円減少し、類似団体平均との差は年々縮小しているが、なお高い水準であるため、引き続き地方債発行を抑制し公債費負担の抑制を図る。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度はコロナ禍における支援金・給付金等の支出が多かったことから昨年度に比べて歳出規模が大きく増加した。市税収入や、施設の入館料等の収入は減少したものの、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付があったことや、猶予特例債、減収補填債の発行を行ったことなどもあり、財政調整基金の取り崩しは行わず、実質収支・実質単年度収支はともに黒字となった。財政調整基金を取り崩さなかったため、標準財政規模比は1.4ポイントの増加となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

〇現状:全ての会計で赤字が生じていない。〇今後の対応:各会計で適正な財政運営、企業経営を行っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

〇元利償還金平成27年度からの普通交付税の縮減開始に備え、償還年限を調整してきたことから、平成28年度は、前年度と比べて減少となっている。平成29年度は、平成25年度災害に係る災害復旧債の元金償還が開始し、前年度より僅かに増加したが、平成30年以降は年々減少している。今後も引き続き公債費負担の軽減を図っていく。〇実質公債費比率の分子元利償還金は、前年度に比べて減少傾向にあり、加えて過疎対策事業債や合併特例事業債、臨時財政対策債など、交付税算入率の高い地方債の占める割合が増加傾向にあるため分子としては年々減少傾向にある。〇今後の対応早期健全化基準未満であるが、計画的かつ効率的に事業等を実施することにより地方債発行額を抑え、更なる財政健全化に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

○一般会計等に係る地方債残高継続的に地方債発行の抑制に取り組んできたこと、普通交付税の減少に備え償還ペースを調整したことから減少傾向にある。○その他公営企業債等繰入見込額は前年度に比べて減少している。また、定員適正化により退職手当負担見込額も減少し、その他の負担も減少傾向にある。○今後の対応公営企業債等繰入見込額の増や次年度以降も多額の地方債発行による地方債残高の増加が見込まれており将来負担額の増加要因はあるものの、地方債残高の減少等により、将来負担額が減少したこともあり、将来負担比率の分子は結果として減少した。人口減少等による市税の減少が見込まれることなどから、今後も地方債発行額の抑制等に努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)・旧明倫小学校3・4号棟整備事業実施のため、あなたのふるさと萩応援基金を約1億3千万円取り崩したものの、合併特例基金の取り崩し額(7千2百万円)が例年より少なかったこと、財政調整基金の取崩しを行わなかったことから基金全体としては235百万円の増加となった。(今後の方針)・その他特定目的基金の約1/2を占めている合併特例基金は、利子分のみ積み立てを行っており、毎年度基金の目的に沿った事業に充当していく予定のため、徐々に減少していく見込み。財政調整基金も普通交付税の減少などに対応するため、更なる減少が見込まれるため、基金全体としては減少していく見込み。

財政調整基金

(増減理由)・新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付、減収補填債や猶予特例債を発行したこともあり臨時財政特例債の取り崩しは行わなかった。そのため、残高は約2千8百万円増加した。(今後の方針)・災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、30億円程度の積立額は必要と考えている。

減債基金

(増減理由)・利子積立金が増加したため。(今後の方針)・201毎年、利子分のみ積立を行っている。財源が不足する場合において、市債の償還に充てるため取り崩しを行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)・萩市合併特例基金:市民の連帯強化および地域振興に資する・市庁舎建設基金:市庁舎建設の資金に充てる・萩市民病院基金:市民病院の整備充実および運営に資する・あなたのふるさと萩応援基金:まちづくりに賛同する人々の寄附金を財源として、多様な人々の参加による個性あるまちづくりを推進する・萩市職員退職手当基金:退職手当の財源に充てる(増減理由)・市庁舎建設基金:毎年度1億円積み立てを行っていることによる増・萩市職員退職手当基金:退職手当の財源として約6千8百万円を取り崩したことによる減・あなたのふるさと萩応援基金:旧明倫小学校3・4号棟整備事業の実施にあたり約8千1百万円取り崩したため全体で約5千万円の減となった。(今後の方針)・萩市退職手当基金:当面の間、退職手当が4億5千万円を超える場合には取り崩しを行い、4億5千万円を下回る場合にはその差額を積み立てる予定。・市庁舎建設基金:将来の市庁舎建替えに備え、毎年1億円程度積み立てを行う予定。・その他基金:それぞれの基金の設置に沿った事業に必要に応じて充当する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、類似団体平均、全国平均、山口県平均に比べ高い比率となっており、上昇傾向が続いている。平成16年度に7団体が合併した本市では、700以上の施設を保有しており、今後、これらの施設の老朽化が顕著となることなどが予想されるため、公共施設等総合管理計画や公共施設等長寿命化計画に基づき、施設の集約化や長寿命化に取り組むなど施設総量の適正化を図る必要がある。

債務償還比率の分析欄

平成16年度に7団体が合併した本市では、市町村合併時点の地方債残高が多額であったことから、合併以後地方債の借入れの抑制を図っている。また、合併団体が多いことから、合併特例基金等の基金を造成しており、全国平均に比べて指標が低い状況となっている。しかしながら、普通交付税の合併特例期間が終了し、交付額が漸減していることから、今後、指標の悪化が懸念される。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債発行の抑制や職員数の適正化により将来負担比率が低い水準にある一方、有形固定資産の形成に比べ、減価償却費が高いことから、有形固定資産減価償却率は上昇している。このことから、今後の維持更新費用の増加が予想され、財政負担への影響が懸念されることから、公共施設等総合管理計画に基づき、適正化を図る必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率と実質公債費比率については、地方債発行の抑制や職員数の適正化等により類似団体と比較しても低い水準にある。しかしながら、普通交付税の合併特例期間が終了し、交付額が漸減していることから、今後、指標の悪化が懸念される。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、学校施設と児童館以外の施設において、全国平均、山口県平均を上回っており、老朽化が進んでいることが分かる。また、一人当たり面積についても児童館を除く施設において、類似団体平均、全国平均、山口県平均を大きく上回っており、今後施設総量の適正化を行い、長寿命化をすべき施設の計画的な予防保全を行っていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が、図書館、福祉施設、消防施設を除いて類似団体平均を上回っており、体育館・プールでは89%を、庁舎では76%を、保健センター・保健所では70%を超えるなど、今後大規模改修や建替えなどの多額の負担が予想される。また、一人当たり面積では、ほとんどの施設が全国平均、山口県平均、類似団体平均を上回っており、今後も人口減少の影響により上昇していくことが予想される。これらのことから、萩市公共施設等総合管理計画及び萩市公共施設等長寿命化計画に基づき、計画的な予防保全を行うことや施設の集約化等により施設総量の適正化に取り組んでいく必要があることが分かる。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から2,536百万円の減少(△1.9%)、負債総額が前年度末から1,017百万円の減少(△3.3%)となり、資産と負債の差引である純資産が1,519百万円の減少(△1.5%)となった。これは、地方債残高など負債の減少以上に施設等の老朽化に伴う減価償却額が大きく、有形固定資産が減少しているためである。有形固定資産は資産総額に対して86%を占めており、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める必要がある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用が32,372百万円となり、前年度から5,047百万円の増加(+18%)となった。これは、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業や特別定額給付金の給付により補助金等が増加した影響である。補助金等の増加により、移転費用が増加したが、業務費用の方が多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(10,442百万円)であり、純行政コストの33%を占めている。公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の統廃合を行うなど、公共施設等の適正管理に努め、経費を縮減する必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(30,283百万円)が純行政コスト(31,858百万円)を下回ったことから、本年度差額は△1,575百万円(前年度比+923百万円)となり、純資産残高は1,519百万円減少した。減価償却費等の経常費用が増加したことから純行政コストが増加していることに加え、市税の減少や普通交付税の合併算定替の終了等により税収等が減少したことが影響し、純資産が減少している。来年度以降も引き続き税収の減少が見込まれるため、事業実施にあたっては財源確保に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,995百万円の黒字であったが、投資活動収支については、前年度に引き続き赤字(△2,166百万円)となっている。業務活動収支は、業務費用支出が減少した一方で、コロナ禍における国県等補助金収入が増加し、黒字が429百万円拡大した。投資活動収支は、前年度に引き続き赤字であり、ほぼ横ばいとなっている。また、財務活動収支については、地方債の償還額と発行額がともに減少し、地方債残高の削減に取り組んでいることから、償還額が発行額を上回り、△733百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、平成16年度に7団体が合併し、700を超える施設を保有しているため、類似団体平均を上回っており、人口減少率が資産の減少率を上回ったことから、前年度末に比べ0.4万円増加している。また、有形固定資産減価償却率については、有形固定資産の形成に比べ、減価償却費が高く、上昇傾向にある。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の集約化・複合化を進めるとともに、計画的な予防保全による長寿命化を進めるなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を上回っており、昨年度から+0.3%とほぼ横ばいである。現状は、純行政コストが税収等の財源を上回っていることから純資産が毎年減少しているが、公共施設等の老朽化等により資産合計も減少している状況である。将来世代負担比率については、地方債の発行抑制と職員数の適正化等により改善傾向にある。今後も地方債残高の減少が見込まれるため、指標は改善していくと考えられる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っており、昨年度に比べて13万円増加している。これは、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業や特別定額給付金の給付により補助金等が増加したことが影響している。補助金等以外の費用では、減価償却費が増加したことで純行政コストが増加したことも影響している。また、分母となる人口が減少したことも要因である。今後は更なる人口減少と、施設維持補修費の増加が予想されるため、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の統廃合等を行うなど、公共施設等の適正管理に努め、経費を削減する必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均を下回っており、今年度負債額が1,017百万円減少したことにより、前年度末に比べ0.8万円減少した。負債額の減少要因として主なものは地方債や退職手当引当金があり、今後も地方債の発行抑制による地方債残高の減少が見込まれるため、負債額は減少していく傾向にあると考えられる。また、基礎的財政収支については、類似団体平均を大きく上回っており、昨年度に比べ961百万円増加した。これは、コロナ禍における事業中止や規模縮小により、物件費等の支出が減少したことで業務活動収支が改善したことにあわせ、投資活動収支についても、国県等補助金収入、貸付金元金回収収入の増加により収支が改善したためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担割合は比較的低くなっている。類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、5,784百万円の経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、197百万円の経常収益を増加させる必要がある。公共施設等の使用料の見直しを行うとともに、今後増加が見込まれる維持補修費の削減のため公共施設等の適正管理が求められる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,