山口県萩市の財政状況（2021年度）

目的別歳出の分析欄

【総務費】一人当たりコストが激減しているが、前年度に特別定額給付金の支出（４６億円）を行ったことによるものである。人件費が４２，１７３円を占めており、引き続き職員の適正配置による削減努力を行う。【民生費】住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金事業や、子育て世帯への臨時特別給付金事業など、国のコロナ対策事業の実施により、前年度から増加している。【衛生費】新型コロナウイルスワクチン接種事業の実施により、昨年度から増加している。【商工費】コロナ禍において、観光産業や飲食事業者等への経済対策を実施していることや、温泉施設の改修事業等の実施により、前年度に引き続き、一人当たりコストが高い状態が継続し、類似団体平均を上回った。【消防費】無線放送施設やヘリポートの整備事業等の実施により、一人当たりコストが増加した。令和４年度以降も、通信指令施設の整備事業に多額の費用が見込まれているため、類似団体平均を上回る状態が継続することが想定される。【教育費】ＧＩＧＡスクール整備事業の支出がひと段落したことに伴い、一人当たりコストが減少し、類似団体平均も下回っている。

性質別歳出の分析欄

令和３年度の歳出決算総額は、住民一人当たり７１８，８２９円となっており、主な構成項目は次の通りである。【人件費】職員退職手当の減少により、額は減少し、類似団体平均との差は縮まっている。しかし、その差は依然として大きく、市町村合併により職員数が過大なことが主要因であるため、引き続き定員の適正化、人件費の抑制に努める。【物件費】令和３年度は類似団体平均も下回ってはいるが、市町村合併により膨大な数の公共施設を有していることなどから、施設の維持管理経費は年々増加傾向にあり、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の適正配置に努め、維持管理経費の削減を図る。【補助費等】令和３年度は前年度と比較して大きく減少しているが、これは特別定額給付金の終了等国のコロナ対策事業による部分が大きい。類似団体平均を下回ってはいるものの、引き続き、単独補助金の評価・見直しを行い、削減に努める。【普通建設事業費】令和３年度に大規模な新規建設工事が重なったため、大きく増加している。更新整備に係る普通建設費についても前年度より増加しており、今後も老朽化に伴う建設工事が予定されているため、公共施設のあり方に関する検討を引き続き進めていく必要がある。【公債費】令和３年度は、徴収猶予特例債の一括償還を行った影響（約１億円）により、前年度から額は増加しているが、類似団体平均を下回った。引き続き地方債発行を抑制し公債費負担の抑制を図る。

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、学校施設と児童館以外の施設において、全国平均、山口県平均を上回っており、老朽化が進んでいることが分かる。また、一人当たり面積についても児童館を除く施設において、全国平均、山口県平均を大きく上回っている。今後は、公共施設等総合管理計画に基づいて施設総量の適正化を行い、長寿命化をすべき施設の効率化、計画的な予防保全を行っていく必要がある。

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が、図書館、福祉施設、消防施設を除いて類似団体平均を上回っており、庁舎では７５％を、体育館・プールでは９０％を超えるなど、今後大規模改修や建て替えなどの多額の負担が予想されるため、計画的な予防保全を行っていく必要がある。また、一人当たり面積では、ほとんどの施設が類似団体平均、全国平均、山口県平均を上回っており、今後も人口減少の影響により上昇していくことが予想される。これらのことから、萩市公共施設等総合管理計画及び萩市公共施設等長寿命化計画に基づき、計画的な予防保全を行うことや、施設の集約化等により施設総量の適正化に取り組んでいく必要があることが分かる。

1.資産・負債の状況

2.行政コストの状況

3.純資産変動の状況

4.資金収支の状況

1.資産の状況

2.資産と負債の比率

3.行政コストの状況

4.負債の状況

5.受益者負担の状況