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地方財政ダッシュボード

和歌山県田辺市の財政状況(2020年度)

🏠田辺市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

令和2年度は、消費税率改定に伴う地方消費税交付金の増加や、譲与額の前倒しに伴う森林環境譲与税の増加などに伴い基準財政収入額が増加したものの、地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用した地域社会再生事業費の新設や、単位費用の増加等による林野水産行政費の増加などから基準財政需要額も増加したため、0.38ポイントで前年度と同数値となった。過疎化・少子高齢化が進む中、類似団体や全国平均と比較すると下回っている状況であるため、今後も引き続き自主財源の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

分母となる経常一般財源等歳入は、市税において固定資産税や市民税の減少のほか、子ども・子育て支援臨時交付金の皆減や臨時財政対策債発行額の減少はあるものの、森林環境譲与税及び地方消費税交付金の増加に加え、法人事業税交付金が皆増したことなどから増加した。分子となる経常的経費充当一般財源は、児童扶養手当や医療扶助費などの扶助費の減少や、過去に借入した起債の償還完了などから公債費が減少したものの、会計年度任用職員制度の開始に伴い人件費が増加したことに加え、道路・水路等の維持補修費が増加し、前年度より0.2ポイント増加し98.0%となった。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

平成17年5月に市町村が合併し、和歌山県全域の約22%、県内1位の広大な面積を有することとなり、旧町村単位に4つの行政局を配置していることなどから、人件費・物件費等については、類似団体や全国平均と比較して上回っている状況にある。令和2年度は、会計年度任用職員制度の開始に伴う人件費の増加に加え、新型コロナウイルス感染症対策として実施した商品券事業費の皆増などから物件費も増加し、依然として類似団体や全国平均と比較して高水準となっている。今後も引き続き、定員管理の適正化や経費の削減等に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体や全国市平均と比較して上回った状況にあり、今後も引き続き、給与体系の調整等を含め、適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員適正化計画に基づき、計画的に職員数の削減に取り組んでいるものの、平成17年5月に5市町村が合併し、和歌山県全域の約22%、県内1位の広大な面積を有することや、旧町村単位に4つの行政局を配置しており、加えて隣接する上富田町から消防業務を受託していることなどから、類似団体や全国平均と比較して上回っている状況にある。一方、人口が同規模程度で、面積が500k㎡以上の自治体と比較した場合、職種にもよるが、職員数は下回っている状況にある。今後も引き続き、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

地方消費税交付金及び森林環境譲与税の増加などに伴う標準税収入額等の増加などのポイント減少の要因はあるものの、三四六総合運動公園整備事業や消防庁舎建設事業などの大型事業の実施に伴い発行した合併特例債の元利償還金が増加していることや、統合前の旧簡易水道施設の建設改良に係る地方債の元利償還金の増加に伴う水道事業会計への繰入金の増加、公立紀南病院組合の医療機器整備及び看護学校整備事業に係る病院事業債の元利償還金に対する負担金が増加していることなどから、前年度比で0.1ポイントの増加となった。今後も比率の更なる改善に向け、地方債の適正管理に努める。

将来負担比率の分析欄

庁舎整備事業や防災行政無線デジタル化事業などの大型事業の財源として地方債を発行したことに伴う地方債現在高の増加はあるものの、充当可能基金の増加などから将来負担額を充当可能財源等が上回り、令和2年度においても将来負担比率は算定されていない。今後も地方債の計画的な発行や、定員適正化計画に基づく適正な定員管理の実施により、健全な行財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、再任用職員の配置や新規採用の抑制、各種手当の廃止や見直し、指定管理者制度の導入や直営業務の民間委託などの取組を進めるなど、人件費の削減に努めているが、令和2年度は、会計年度任用職員制度の開始に伴う報酬や期末手当の増加などにより、前年度に比べ2.2ポイント増加し28.3%となった。今後も引き続き、定員適正化計画に基づき、人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、類似団体や全国平均と比較して下回っている状況であるが、近年は増加傾向となっている。令和2年度は、ほぼ前年度並みで推移しているものの、今後も引き続き各施設における指定管理者制度の活用や民間委託などに取り組み、経費の削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、児童扶養手当や医療扶助費等の減少のほか、会計年度任用職員制度の開始に伴う保育所に係る扶助費の減少などにより、前年度に比べ1.8ポイント減少し10.1%となった。今後も引き続き、生活保護における状況把握や資格審査等の適正化などの検討を進めていくことで、財政を圧迫する上昇傾向を少しでも抑制できるよう努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、維持補修費と繰出金が該当し、令和2年度は、消費税率引上げに伴う低所得者の介護保険料軽減強化に伴う介護保険特別会計繰出金の増加や、道路・水路等の維持補修費の増加などにより、前年度に比べ0.3ポイント増加し14.8%となった。今後は公共施設の老朽化等に伴う維持補修費の増加が見込まれることから、更なる経費削減に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、類似団体や全国平均と比較して下回っている状況であるが、近年は増加傾向となっている。令和2年度は、一部事務組合負担金の増加などにより、前年度に比べ0.2ポイント増加し8.5%となった。今後も引き続き、各種団体への補助金等の見直しや廃止を検討し、適正な交付に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、ごみ処理関連施設等の生活基盤整備事業の財源として発行した地方債の元利償還金が多額であることなどから、類似団体や全国平均と比較して高率で推移していたが、補償金免除繰上償還制度の活用や、民間資金の繰上償還の実施等により一定の改善がなされている。令和2年度は、平成11年度に借入した公共事業等債や平成19年度に借入した過疎対策事業債の償還終了などから公債費が減少し、前年度に比べ0.5ポイント減少し23.3%となった。今後も引き続き、地方債の計画的な発行に努める。

公債費以外の分析欄

公債費を除く経常収支比率については、類似団体や全国平均と比較して下回っている状況であったが、令和2年度は、人件費や維持補修費の増加などから前年度に比べ0.7ポイント増加し74.7%となり、類似団体平均を上回ることとなった。今後も多額の社会保障費や道路・橋梁等のインフラ施設や学校・市営住宅等の公共施設の老朽化対策経費の増加が見込まれることから、更なる経費削減に努めるとともに、徴収率の向上、自主財源の確保などに積極的に取り組む。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり172,607円となっており、前年度に比べ115,255円の増加となっている。これは、特別定額給付金事業や市民生活応援商品券事業など新型コロナウイルス感染症関連事業費の増加や、庁舎整備事業費の増加が主な要因である。衛生費は、住民一人当たり77,618円となっており、前年度に比べ14,984円の増加となっている。これは、紀南広域廃棄物最終処分場整備に伴う一部事務組合負担金の増加や、斎場建設事業費の増加が主な要因である。消防費は、住民一人当たり41,792円となっており、前年度に比べ10,961円の増加となっている。これは、津波避難タワー整備事業費の増加や、防災行政無線戸別受信機整備事業費の皆増などが主な要因である。教育費は、住民一人当たり60,241円となっており、前年度に比べ9,857円の増加となっている。これは、GIGAスクール構想の実現に向けた小・中学校ICT環境整備事業費の皆増や、小・中学校の空調設備整備事業費やトイレ改修事業費などの増加が主な要因である。災害復旧費は、住民一人当たり8,524円となっており、前年度に比べ7,400円の減少となっている。これは、林業施設災害復旧事業費や公共土木施設災害復旧事業費の減少などが主な要因である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費は、住民一人当たり110,231円となっており、前年度に比べ11,006円の増加となっている。これは、令和2年度からの会計年度任用職員制度の開始に伴い臨時職員賃金等が会計年度任用職員報酬及び期末手当等に変更となったことによるもので、類似団体と比較して高い水準にあるのは、和歌山県全域の約22%、県内1位の広大な面積を有しており、旧町村単位に4つの行政局を配置していることなどから、人口当たりの職員数が多いことが主な要因である。物件費は、住民一人当たり89,932円となっており、前年度に比べ8,628円の増加となっている。これは、新型コロナウイルス感染症対策として実施した商品券事業費の皆増や、GIGAスクール構想に係るタブレット端末購入費の皆増などが主な要因である。補助費等は、住民一人当たり164,221円となっており、前年度に比べ111,560円の増加となっている。これは、特別定額給付金の皆増や紀南広域廃棄物最終処分場整備に伴う一部事務組合負担金の増加などが主な要因である。普通建設事業費は、住民一人当たり109,194円となっており、前年度に比べ36,104円の増加となっている。これは、庁舎整備事業、津波避難タワー整備事業及び扇ヶ浜公園整備事業などの大型事業の事業費増加が主な要因である。貸付金は、住民一人当たり21,103円となっており、前年度に比べ1,311円の減少となっている。これは、季楽里龍神の運営資金に係る(一財)龍神村開発公社への貸付金が皆増となったものの、田辺市土地開発公社への貸付金が減少したことが主な要因である。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

財政調整基金残高については、平成28年度以降は基金運用益の積立てに伴う増加のみとなっているため、ほぼ前年度並みで推移している。実質収支額については、令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、各種イベント中止に伴う補助金の減少、出張等の自粛による旅費の減少、医療機関への受診控えなどによる扶助費の減少など、例年必要となる一般財源が減少したことなどから、1.73ポイント増加の6.95%となっている。今後においては、普通交付税の合併特例措置の終了などにより、さらに厳しい財政運営が見込まれることから、各種基金の運用、人件費や公債費等の抑制など、更なる財政健全化に取り組む必要がある。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、同和対策住宅資金等貸付事業特別会計及び駐車場事業特別会計は赤字での推移となっており、木材加工事業特別会計は令和元年度からは黒字に転じている。水道事業会計及び一般会計等は黒字で推移している。今後においても、さらに厳しい財政運営となることが予想されるため、安定財源の確保や歳出の削減等、財政基盤の強化に向けた積極的な取組が必要である。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金は、平成6年度に借入した学校教育施設等整備事業債の償還が終了したことなどから減少している。組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等は、公立紀南病院組合の医療機器整備事業等に係る元利償還金に対する負担割合の変更などに伴い減少している。算入公債費等は、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費において道路橋りょう費等の減少はあるものの、臨時財政対策債及び合併特例債の償還金の増加などに伴い増加している。このため、実質公債費比率は単年度比で0.9ポイント減少し8.6%、3ヶ年平均では0.1ポイント増加し8.8%となっている。今後においても、地方債の発行については、交付税措置のある有利な起債を活用し、計画的な発行に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高は、臨時財政対策債の定期償還による減少はあるものの、庁舎整備事業などの大型事業の財源として地方債を発行したことにより、全体で1,688百万円増加している。組合等負担見込額は、公立紀南病院組合の地方債現在高が減少したほか、令和2年度で富田川衛生施設組合の起債償還が終了したことなどにより減少している。退職手当負担見込額は、対象職員数の減少などから将来負担額は減少している。充当可能基金は、観光振興基金等の取崩しを行ったものの、森林環境譲与税活用基金等への積立てを行ったことにより、前年度と比べて208百万円増加している。充当可能特定歳入は、都市計画事業費に係る地方債現在高が減少したことから、都市計画税の充当可能見込額などが減少している。基準財政需要額算入見込額は、下水道費に係る算入見込額の減少はあるものの、緊急防災・減災事業債の同意等額の増加などにより算入見込額が増加している。令和3年度以降も庁舎整備事業や防災行政無線戸別受信機整備事業などの大型事業が継続するため、地方債現在高は増加する見込みであるが、庁舎整備事業が完了する令和6年度以降は新規発行額が減少に転じ、地方債現在高は減少傾向となる見通しである。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)令和2年度における基金残高については、前年度末と比べ137百万円の増加となっている。これは、観光戦略推進事業に要する資金に充てるため観光振興基金を35百万円取り崩したことなどによる減少はあるものの、後年度に森林の有する公益的機能の維持・発揮を図るための森林の整備及びその促進に関する施策の財源として活用するため、森林環境譲与税を森林環境譲与税活用基金に157百万円積み立てたことなどにより増加したものである。(今後の方針)今後についても、最も確実かつ有利な方法により基金の管理を行い、基金残高の確保に努める。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度末における基金残高については、基金運用益を積み立てたことに伴い微増したものである。(今後の方針)今後についても、最も確実かつ有利な方法により基金の管理を行い、決算状況を踏まえて、可能な範囲で積立てを行うか、また、取崩しを行うかを見極め、基金残高の確保に努める。

減債基金

(増減理由)令和2年度末における基金残高については、前年度末と比べ10百万円の増加となっている。これは、基金運用益を積み立てたことに伴い増加したものである。(今後の方針)今後についても、最も確実かつ有利な方法により基金の管理を行い、決算状況を踏まえて、可能な範囲で積立てを行うか、また、取崩しを行うかを見極め、基金残高の確保に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金については、本市が有する豊かな自然と歴史を生かした新地方都市の創造のため実施する地域振興事業に要する資金に充てることができる。庁舎整備基金については、庁舎の整備に要する資金に充てることができる。三四六総合運動公園整備事業基金については、三四六総合運動公園整備事業に要する資金及び事業に係る市債の償還に充てることができる。(増減理由)令和2年度末における基金残高については、前年度末と比べ126百万円の増加となっている。これは、観光戦略推進事業に要する資金に充てるため観光振興基金を35百万円取り崩したことなどによる減少はあるものの、後年度に森林の有する公益的機能の維持・発揮を図るための森林の整備及びその促進に関する施策の財源として活用するため、森林環境譲与税を森林環境譲与税活用基金に157百万円積み立てたことなどにより増加しものである。(今後の方針)今後、庁舎整備に係る財源として庁舎整備基金から約2,000百万円、県事業分に係る起債の償還財源として三四六総合運動公園整備事業基金から約440百万円を取り崩す予定としており、基金残高は減少していく見込みであるが、今後も最も確実かつ有利な方法により基金の管理を行い、基金残高の確保に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体、全国平均と同水準にあり、和歌山県平均との比較では低い水準となっている。今後も有形固定資産減価償却率については、上昇傾向が続くことが見込まれるため、老朽化した施設の集約化や除却、更新等について検討を行う必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体、全国平均、和歌山県平均より低い水準となっている。地方債現在高の増加により前年度と比べ上昇することとなったが、経常的経費である補助費等の業務支出は増加傾向ではあるものの、経常的収入も増加したことから低い水準となっている。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債の発行による将来負担額の増加はあるものの、充当可能財源等の増加により、将来負担比率は算定されてないが、有形固定資産減価償却率は上昇傾向となっている。今後も老朽化した施設の集約化や除却、更新等について検討を行う必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等の増加や元利償還金の定期償還額の増加などから増加傾向であったことにより、類似団体と比較して高率で推移してきたが、将来負担比率については、本年度は地方債現在高が増加したものの充当可能財源等が将来負担額を上回っているため算定されていない。今後においても、地方債の発行については、交付税措置のある有利な起債を活用するなど、公債費の適正化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

児童館については、平成30年に末広児童館・天神児童館の耐震改修を行ったことから、類似団体と比べ低い数値となっているが、ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っている。また、各施設の減価償却に伴いほとんどの類型において有形固定資産減価償却率は上昇している。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館、消防施設等については、類似団体と比べ有形固定資産減価償却率は低い数値となっている。これは、図書館については、平成23年に田辺市文化交流センター「たなべる」として新たに建設されたこと、消防施設については、平成27年に消防庁舎が建設されたことによるものである。また、体育館・プールについては、武道館の建設により有形固定資産減価償却率が減少しているものの、ほとんどの類型において各施設の減価償却に伴い有形固定資産減価償却率は上昇している。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産合計は、2,236億4千6百万円で、前年度の資産合計2,233億6百万円に比べ3億4千万円増加(+0.2%)しています。資産の内訳は、有形固定資産及び無形固定資産は1,957億6千万円で資産全体の87.5%を占めており、基金は233億8百万円で10.4%、そのほか、現金預金27億1千3百万円、投資及び出資金11億2千1百万円、長期貸付金1億2千万円、長期延滞債権及び未収金7億2千5百万円、徴収不能引当金1億1百万円がその内訳です。資産の増加の要因は、固定資産等が減価償却により66億8千5百万円減少したものの、斎場や武道館の建設など固定資産の新規取得により60億9千5百万円の増加したことや前年度実質収支の増加等により現金預金が6億5千1百万円増加したことが主な要因です。負債合計は、574億7千万円で、前年度の負債合計558億6千3百万円に比べ16億7百万円増加しています。このうち市の借金である地方債の残高は1年内償還予定分と合わせ511億7百万円、そのほか今後支払わなければならない退職手当引当金は52億8千9百万円、賞与等引当金は4億6千5百万円、保証金等の預り金が1億3千9百万円となっています。負債の増加の要因は、地方債が15億6千8百万円増加したことによるものです。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は482億6千万円で前年度に比べ97億4千5百万円増加(+25.3%)し、経常収益は19億3千3百万円で前年度に比べ6億7百万減少(23.9%)し、純経常行政コストは463億2千7百万円で前年度に比べ103億5千2百万円増加(+28.8%)となっています。経常費用の中で大きな割合を占めているのは移転費用であり、経常費用全体の51.1%を占めています。主なものは、特別定額給付金や一部事務組合負担金などの補助金等で128億2千5百万円(26.6%)、児童手当や医療費助成などの社会保障給付78億2千万円(16.2%)となっています。また、移転費用に次いで大きな割合を占めているのは物件費等であり、経常費用全体の32.1%を占めています。そのうち固定資産に係る減価償却費66億8千5百万円(13.9%)が主なものです。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

令和2年度末の純資産残高は、1,661億7千6百万円で、前年度末純資産残高1,674億4千3百万円に比べ12億6千7百万円減少しています。これは、市税や地方交付税等の一般財源や補助金等の受入により454億1千7百万円の財源を調達したものの、純経常行政コストが470億9百万円発生したためです。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

人件費や物件費、社会保障給付など毎年度継続的に収入・支出される業務活動収支は、37億3百万円の収入超過となっています。資産形成や基金の積立などの収支である投資活動収支は、46億2千3百万円の収入不足となっています。地方債の償還や発行などの収支である財務活動収支は、15億5千7百万円の収入超過となっていますが、これは地方債残高が増加していることを示しています。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

資産総額は2,236億4,641万円で、一人当たりの資産額は310万8千円となっており、類似団体の平均値201万8千円を上回っている。これは、本市の面積が和歌山県全域の約22%、県内1位の広大な面積を有しており、道路等のインフラ資産を多く所有していることや、近年、老朽化や耐震化に伴い、学校施設等の建替えを行ったことなどが要因と考えられる。歳入額対資産比率については、類似団体平均を0.77ポイント上回っているが、これは道路等のインフラ資産を多く所有していることが要因と考えられる。有形固定資産減価償却率については、近年、老朽化や耐震化に伴い、学校施設等の建替えを行ったことから一部資産の減価償却累計額の減少はあるものの、所有する有形固定資産が多額であり、年間の減価償却費が減少分を上回ることから増加傾向にある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は74.3%で類似団体平均値を3.2ポイント上回っている。これは、負債については類似団体平均を大きく上回っているものの、資産総額が大きく、資産に占める負債の割合が低くなっていることが要因と考えられる。将来世代負担比率は17.9%で、類似団体平均値を1.0ポイント下回っている。これは、地方債残高は類似団体平均を上回っているものの、有形固定資産を多く所有しているためと考えられる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

純行政コストは470億925万円で、住民一人当たりの行政コストは65万3千円となっており、類似団体の平均値55万1千円を上回っている。これは、市が広大な面積を有しており、旧町村単位に4つの行政局を配置していることなどから、人口当たりの職員数が多く人件費が掛かっていることや、所有有形固定資産に係る減価償却費が多額となっていることが要因と考えられる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債総額は574億7,029万円で、住民一人当たりの負債額は79万9千円となっており、類似団体の平均値58万3千円を上回っている。これは類似団体と比較し地方債現在高が多額となっていることが要因となっている。基礎的財政収支は投資活動収支の赤字分が増加したことで△5億2千8百万円となり、類似団体平均を下回ることとなった。これは、地方交付税や市税、国県補助金等の業務収入が経常的な支出である業務支出を39億5千8百万円上回ったものの、地方債を財源とした庁舎整備事業や斎場建設事業などの大型事業により、投資活動収支が△44億8千6百万円となったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は前年度と比較して2.6ポイント減少し、4.0%となっており、類似団体平均値と同水準となっている。これは、特別定額給付金72億3千3百万円の皆増、広域最終処分場整備等に係る一部事務組合への負担金4億7千9百万円の増加などにより、経常費用が97億4千5百万円増加したことが主な要因となっている。経常収益の主なものは、給食費の自己負担金、市営住宅使用料、塵芥集荷手数料、体育施設使用料、診療収入が主なものとなっている。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,