地域において担っている役割
周南西部地域の中核的な二次医療機関として、急性期医療等の質の高い医療を提供するとともに、市民が安心して受診できる病院としての役割を担っている。また、病院群輪番制として二次救急医療の一翼を担うほか、中山間地域・離島の医療体制の確保や災害発生時の医療救護活動も行うなど、公立病院として「市民に奉仕する医療」という基本理念に沿った運営を行っている。
経営の健全性・効率性について
医業収支比率は類似病院平均値を上回っており、外来患者数の増加等により医業収支が改善したが、経常収支比率は横ばいが続いている。外来患者1人1日当たり収益は平均値よりは高い状態にあるが、地域包括ケア病床の稼働による単価の減少などにより、入院患者1人1日当たり収益は平均値を下回り減少傾向にある。累積欠損金比率が平均を下回っているものの上昇傾向にあるため、予断を許さない状況であり、医業収支のさらなる改善が必要である。今後も高い病床利用率を維持しつつ、材料費の削減等、引き続き分析を行い、改善していくこととしている。
老朽化の状況について
新南陽市民病院は平成11年度に整備され、築後21年になるが、指定管理者による維持管理が行われており、今のところ目立った破損箇所は見受けられない。耐震性があり、バリアフリーへの対応もできている。しかし、有形固定資産については老朽化も進行しており、空調設備等の計画的な施設の更新をすすめている状況である。
全体総括
施設としては耐震性も備え、充分継続運用が可能な状況にあるが、築後約21年を経過し、計画的な施設の更新を進めていく必要がある。このため、経常収支比率の回復に努め、施設更新に向けた財源を確保していく必要がある。今後は平成27年度に策定した「新改革プラン」(平成28年~令和2年度)の次期プランを策定し、近隣医との連携による入院収益の増加等の収益力の向上や材料費等の経費の削減に取り組みながら、経常収支比率の回復に取り組んでいく。また併せて当病院にとって重要な要素である「常勤整形外科医」招聘についても、継続して各方面に働きかけていく。