周南市：市民病院

地域において担っている役割

周南西部地域の中核的な二次医療機関として、急性期医療等の質の高い医療を提供するとともに、市民が安心して受診できる病院としての役割を担っている。また、病院群輪番制として二次救急医療の一翼を担うほか、中山間地域・離島の医療体制の確保や災害発生時の医療救護活動も行うなど、公立病院として「市民に奉仕する医療」という基本理念に沿った運営を行っている。

経営の健全性・効率性について

医業収支比率は類似病院平均値を上回っている一方、経常収支比率が平成25年度より悪化し、平均値を下回っている。平成28年度は幾分回復したが、平成29年度には著しく悪化しているが、これは空調改修をしたこと等が影響している。累積欠損金比率が平均を下回っているものの上昇傾向にあるため、予断を許さない状況であり、収益力の向上が必要である。入院・外来とも患者1人1日当たり収益は平均値よりは良好な状態にあるが、整形外科医の常勤医が不在となり、手術件数が減少したこと等の理由により、入院患者1人1日当たり収益が減少傾向にある。材料費対医業収益比率は継続して平均値を超えているため、原因の特定に向けて分析を行うこととしている。

老朽化の状況について

新南陽市民病院は平成11年度に整備され、築後19年になるが、指定管理者による維持管理が行われており、今のところ目立った破損箇所は見受けられない。耐震性があり、バリアフリーへの対応もできているため、直近に大きな改修等の予定はない。しかし、有形固定資産については老朽化も進行しており、空調設備等の計画的な施設の更新を検討していく必要がある。

全体総括

施設としては耐震性も備え、充分継続運用が可能な状況にあるが、築後約20年を経過し、計画的な施設の更新を検討していく時期が来ている。このため、経常収支比率の回復に努め、施設更新に向けた財源を確保していく必要がある。今後も平成27年度に策定した「新改革プラン」（平成28年～平成32年度）に沿って、取得可能な加算の検討、近隣医との連携による入院収益の増加等の収益力の向上と薬剤費・医療材料の内容及び購入スケジュールの見直しによる費用削減に取り組みながら、経常収支比率の回復に取り組んでいく。また併せて当病院にとって重要な要素である「常勤整形外科医」招聘についても、継続して各方面に働きかけていく。