経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、一般会計からの繰入金により、収益的収支を均衡させており、100%となった。累積欠損金は、発生していない。流動比率は、類似団体平均値と比較すると低い数値である。短期的な債務に対する支払能力という意味では、翌年度の使用料収入や一般会計からの繰入金等が原資として予定されており、問題ない。企業債残高対事業規模比率は、使用料収入に対し約10倍の企業債残高となり、計画的な借り入れにより残高が減少しており、類似団体平均値と比較して低い。経費回収率は100%で、類似団体平均値と比較して高く、使用料で回収すべき経費は使用料で賄えている。汚水処理原価は、類似団体平均値と比較すると低い。これは、本事業では独自の処理場を建設せず、公共下水道の処理場に接続していることによるものである。施設利用率は、公共下水道の処理場に接続しているため算出されない。水洗化率は、類似団体平均値と比較すると低い。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値と比較すると高い。今後、更新時期となるまで徐々に高くなる見込みである。管渠老朽化率と管渠改善率は、供用開始から25年目の事業であり、法定耐用年数を経過した管渠は無いため、0%である。
全体総括
本事業は、事業規模が小さく経営効率も悪いため、収益的収支の黒字化は困難である。使用料で経費をほぼ賄うことができている状況だが、元々の処理区域内人口が少ない上に、人口減少が進んでおり、一般会計からの繰入金が欠かせない状況にある。下水道使用料の設定など、公共下水道事業の経費回収率等を勘案しながらの経営となる。今後、更新・修繕が見込まれる施設について、計画的な事業の実施を図り、公共下水道事業との一括経営により、一層の経費の節減に努めなければならない。