経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率前年度と比較すると約2.1ポイント減少し,100%を下回り単年度収支が赤字となった。依然として一般会計からの繰入金に依存しており,経営改善に向けた取組を進める必要がある。⑤経費回収率経費回収率は前年度と比較すると3.0ポイント減少し,類似団体と比較しても14.3ポイント低い数値となった。今後,適正な使用料収入を確保する必要がある。⑥汚水処理原価汚水処理原価は前年度と比較すると若干低下したものの,類似団体と比較して高い状態で推移している。今後,老朽化に伴う修繕費等の増加や人口減少に伴う有収水量の減少等の要因により,当該値が増加する可能性もあるため,引き続き合理化に努める必要がある。⑦施設利用率施設利用率は前年度と比較すると若干低下したものの,類似団体と比較して高い値を示している。人口減少や高齢化の進展に伴い,施設への加入率は伸び悩んでいる状況であるため,今後,流入汚水量の推移に合わせた適切な施設規模の維持に努める必要がある。⑧水洗化率前年度と比較すると約3.0ポイント増加し,類似団体と比較して約7.1ポイント上回った。今後も水質保全の観点から,使用料収入を図り,水洗化率向上に取り組んでいく。
老朽化の状況について
漁業集落排水処理施設は,汐見漁港(潟地区)が平成8年8月から,幣串漁港は平成15年4月から,三船漁港は,平成23年10月から全面供用を開始し,衛生環境の改善と漁場及び沿岸海域の水質改善に取り組んでいる。管渠改善については,財源確保や経営への影響を考慮しながら投資計画の策定等検討を進めている段階であり,0%となっている。平成30年度に策定した機能診断・最適整備構想を基に,年次的に施設の老朽化対策等を実施する。
全体総括
経費回収率が類似団体より低い値であり,使用料収入が乏しい。汚水処理経費全てを使用料で賄うことが原則であるにも関わらず,一般会計からの繰入金への依存が高い状況であるため,加入促進に努め,必要に応じ投資の効率化や維持管理費の削減,水洗化率の向上に取り組む必要がある。