経営の健全性・効率性について
黒潮町の漁業集落排水事業は、使用者の減少に伴う使用料収入の減少、汚水処理サービスの継続に向けた維持管理費の増大等、事業経営は厳しい状況におかれており、今後その状況がますます厳しくなる事が確実となっている。何より事業収支の一つの指標である経費回収率が平均値を上回っているが、今後この値は小さくなることが予想される。使用料収入だけでは汚水処理費を賄えない状況に対し、事業の赤字分を一般会計から補填することが続く状況である。なお、総務大臣通知により3万人未満の団体また、3万人以上でも公共下水道以外の下水道については令和6年4月1日までに地方公営企業法の適用が要請されたことで、一般会計から公営企業会計への移行が必要になり、事業収入で施設の維持管理費等を賄わなければならなくなり使用者の負担増が必至である。そうした状況を踏まえ、今後とも当該事業を継続させるためには次の2つの取組みが必要と考えられる。①使用料の値上げ→使用者が減少する状況下で使用料収入を一定額(少なくとも現状維持)確保するためには、使用料金の値上げを検討せざるを得ない。しかし、一般家庭の浄化槽維持管理費を大幅に上回る料金設定は困難と考える。②維持管理費の抑制→日頃の保守、点検を強化することにより、大口のメンテナンスを抑える、また先延ばしを図る。広域化・共同化による維持管理費の抑制も検討。当該事業の場合、令和10年度には建設費の償還を終えることから、汚水処理サービスを維持することを前提に維持管理費を極力抑え、日々のメンテナンスをこれまで以上に重視して行く。
老朽化の状況について
設備全体の耐用年数については余裕がある。但し、全体として修繕費用(設備のメンテナンス、機材の交換等に係る費用)は増加傾向にある。そのため、需用費のうち修繕費については機器の補修、交換等により多額の支出が想定される。
全体総括
当該事業の継続をより確かなものにするためには、事業収入において、少なくとも「修繕費を除いた汚水処理費を使用料収入で賄える状況」にすべきと考える。そのためには、使用料の値上げは有力な案の一つであり、具体的な内容について検討を始めなければならない。但し、現実的な値上げ幅では、現在の汚水処理費を賄うことはできず、大幅な事業収支の改善も期待できないことは留意すべき点である。