経営の健全性・効率性について
漁業集落排水事業は大島地区が平成10年、斑地区が平成21年に供給を開始している。水洗化率は、大島地区で100%、斑地区で81.0%となっており、漁集全体では90.5%となっており、昨年と比べて水洗化率が増えている。令和3年度の特徴を類似団体平均値と比較してみると、「経費回収率」は下回っていて、「汚水処理原価」は上回っているため、汚水処理にかかる費用が類似団体よりかかっていると考えられる。人口減少によって、「施設利用率」は未だに低い水準のままである。事業債の償還金が多額であり、経営状況としては、一般会計からの多額の繰入金により赤字分を補填している。平成28年度に策定した経営戦略をもとに、さらなる水洗化率の向上を図り、経営の健全化・効率化に努める。
老朽化の状況について
大島地区については供用開始から24年以上が経過し、斑地区については13年以上が経過しており、施設や設備の老朽化が顕著に出ているため、修繕・更新費用が徐々に多額になっていくことが問題となってくる。各施設の今後のあり方について、令和元年度に大島漁業集落排水施設機能保全計画を策定し、令和2年度に斑地区漁業集落排水施設機能保全計画を策定した。その結果を基に大島地区については、令和4年度にダウンサイジング検討業務を実施した結果、現施設を維持管理していくより、大型の合併浄化槽に切り替えた方が、安価で効率的との試算が出たため、大島漁業集落排水施設の再編に向けて、準備を進めていく。斑地区については、令和3年度に小値賀町下水道事業全体計画見直しを実施した結果、漁業集落排水を公共下水道に接続した方が有利との試算が出たため、漁業集落排水と公共下水道の統合に向けて準備を進めていく。
全体総括
人口減少、高齢化が進む中で施設や設備の老朽化が進み、今後も維持管理費や機器の修繕・更新などにより、経費が多額になっていくことが予想される。人口規模や地理的要因により、下水道使用料のみでの経営は困難であり、また人口減少により使用料収入が低下することが予想される。現在、小値賀町下水道事業の計画の見直し及び変更を実施しており、今後、広域化・共同化に向けて準備を進めている所であり、下水道事業を再編することによって効率の良い下水道運営に努めていく。