経営の健全性・効率性について
五島市における下水道事業は、平成14年9月に漁業集落排水事業として供用を開始している。現在、三井楽町高崎地区において24世帯39人が利用している。同地区は少子高齢化が進み、収益的収支比率、経費回収率、施設利用率が低迷し、汚水処理原価は類似団体平均より高い。このような状況であることから、収益的収支比率や経費回収率の向上に対しては下水道料金の値上げを、施設利用率の向上や汚水処理原価の抑制については新規利用者の確保が急務であるが、料金については上水道料金との均衡を保つことが精一杯であること、新規利用者の確保については高崎地区以外との下水道の接続が距離的に不可能であることから改善が困難となっている。
老朽化の状況について
施設の供用から20年が経過し、設備の更新の時期を既に経過している。施設は漁港内に設置されているため、塩害の影響を受けやすく、更に経年劣化による老朽化が進み、修繕等の維持管理費の増加は避けられない状況である。
全体総括
漁業集落の生活改善と公衆衛生の向上を目的とした事業の実施であるため、今後も事業は継続すべきと考えるが、独立採算は厳しく、市の一般会計からの繰り出しに依存する割合が年々高まっている。経営の健全化が急がれるところであるが、少子高齢化に伴う人口減少や施設の老朽化、立地等の悪条件が重なり、難しい問題となっている。高崎集落の生活環境の改善と公衆衛生向上のため、水洗化の普及向上対策など取り組み可能なことから改善を行っていく。