笠岡市：漁業集落排水施設

経営の健全性・効率性について

本市は平成３０年度から地方公営企業法を適用し，公営企業へと移行した。令和元年度において法適用後２年目を迎える。①について島嶼部という地理的要因により，使用料収益の増加は期待できず，繰入金による収入で賄っている。②について現時点では他団体水準を下回っている。しかし，将来的な人口減少による影響も今後検討する必要性があると考えられる。④について営業収益が減少傾向にあることにより当該値が増加しているが，今後新規に企業債の借入を行う可能性は低いため，概ね横ばいで推移すると見込まれる。⑤及び⑥について人口減少により，有収水量及び下水道使用料収益は今後も見込むことが困難であると考えられる。⑦について処理施設は人口減少の影響を受けるため施設利用率は低い状況である。⑧について他団体平均を若干上回っている。高齢化等の影響で下水道接続世帯数は減少しているが，区域内の接続割合が高いため，当該数値も高くなっている。

老朽化の状況について

供用を開始して１５年程度であり，管渠施設については大きな老朽化は確認されていないが，今後機械・電気設備の老朽化対策を含めた総合的な機能保全について検討を始める予定である。

全体総括

本事業については，専ら漁港及び周辺海域の水質保全に寄与するためのものであり，公共性が非常に高い事業である。そのため，一概に経営状況の善し悪しでの事業性判断が出来ない面もあるが，施設の機能保全対策を行いつつ，効率的な維持管理に努めるとともに，将来的な事業規模の見直しについても見据えながら検討を進めていく。