経営の健全性・効率性について
①について島しょ部という地理的な条件から高齢化による人口減少が著しく,下水道使用料収益は毎年2.1~3.1%の減少が続き経営を圧迫している。このため,平成25年度から他会計繰入金を増加することで当該比率の安定化を図っている。④について本事業は既に整備を完了しており,新規企業債の発行は行っていないことから,本比率は逓減している。しかし,将来の更新需要の増大による企業債の新規発行も考慮し,本比率に留意しておく必要がある。⑤及び⑥について人口減少により収益が得られないため,いずれも全国平均及び類似団体平均とは大幅に乖離し,低迷している。また費用面について平成28年度では電気機械設備などの修繕に要する経費が増加したことに伴い,これら指標が前年度より低迷している。⑦について処理施設は人口減少よる過剰スペックとなるため施設利用率は大幅に低迷している。
老朽化の状況について
供用を開始して10余年を経過した程度のため,現在は管渠を改善(更新・改良・修繕)した実績はないが,今後の持続的な下水道サービスの供給のため長寿命化や施設更新など総合的な計画を策定し,老朽化に対処していけるよう検討を図る。
全体総括
本事業については,専ら漁港及び周辺海域の水質保全のためのものであり,一概に経営指標で判断出来ない面もあるが,今後の大幅な人口減少に合わせて処理施設の運営方法の改善など抜本的な対策が必要となっている。