北海道:電気事業

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経営比較分析表(2017年度)

経営の状況について

平成29年度の経営状況については、当局最大規模で固定価格買取制度(FIT)の適用を受けたシューパロ発電所などで、春先の融雪による出水が順調に進んだことや、6月の降雨量が多かったことなどにより、安定した年間発電電力量及び電力料収入を確保できた。こうしたことから、①経常収支比率、②営業収支比率、⑤EBITDA(減価償却前営業利益)についても、全国平均値を大幅に上回っており、良好な状況にある。③流動比率については、当局では建設や大規模改修について、これまで概ね企業債の借入で資金を賄ってきたことから、企業債償還金が多く、全国平均値と比較して低い傾向は続くものの、近年のFIT収入の増(現預金の増加)があること等から、平成29年度の比率は前年度より向上した。④供給原価については、川端発電所の水車、発電機のオーバーホールにより修繕費が平成28年度に比べて増えたこと等により、経常費用が大幅に増加したため上昇し、全国平均値に近い数値となった。

経営のリスクについて

①設備利用率については、毎年度、全国平均値を上回って推移しており、これは安定した水資源や施設の稼働率の確保によるものであり、効率的な設備利用ができているものと考えられる。②修繕費比率については、全国平均値を下回って推移しているが、これは発電施設の大規模改修を計画的に進めていることや、大規模改修を控えた施設について、最小限の修繕にとどめていることによるもの。平成29年度は、川端発電所でオーバーホール(水車・発電機分解点検補修工事)を行ったこと等から、一時的に全国平均値に近い数値となった。③企業債残高対料金収入比率については、平成27年度以降FIT収入の増加により低下したが、引き続き全国平均値を大きく上回って推移している。これは建設費用や大規模改修費用を、これまで概ね企業債の借入で賄ってきたことによるもの。今後、平成32年度から予定している一般競争入札等による売電への移行に対応するため、企業債借入の抑制を図ることとしている。④有形固定資産減価償却率については、近年、全国平均値を下回って推移しているが、これはシューパロ発電所や滝の上発電所など新しい施設が多いことによるもの。今後とも、老朽化した施設の改修等を計画的に行っていく。⑤FIT収入割合については、60%前後の高い数値となっているが、これはFITの適用を受けて建設したシューパロ発電所の運転開始や、大規模改修で新たにFITの適用を受けた滝の上発電所の稼働による。FIT期間(20年間)終了後は、電力料収入が大きく減少するリスクがあるため、その後の収入減少を考慮した経営を行っていく必要がある。

全体総括

・平成29年度は、夏場の大雨がなかったこと等から、前年度に比べ発電量が減少したものの、各指標とも全国と比較して経営上支障となる問題は見られず、引き続き経営状況は安定している。・今後は、平成32年度から予定している一般競争入札等による売電への移行や、電力システム改革の動向などに対応するとともに、平成32年度までに経営戦略を策定し、老朽化施設の改修等を計画的に進めていく必要がある。

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