北海道:電気事業

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経営比較分析表(2016年度)

経営の状況について

平成28年度の経営状況については、当局最大規模で固定価格買取制度(FIT)の適用を受けたシューパロ発電所の運転開始(H27.4)により、平成27年度から向上傾向にあることに加えて、夏場の記録的な大雨の影響等により、年間発電電力量及び電力料収入が過去最高となった。こうしたことから、①経常収支比率、②営業収支比率、⑤EBITDA(減価償却前営業利益)については、前年度より向上するとともに、全国平均値も大幅に上回っており、良好な状況にある。③流動比率については、北海道では建設や大規模改修について、これまで概ね企業債の借入で賄ってきたことから、企業債償還金が多く、全国平均値と比較して低い傾向は継続しているものの、近年のFIT収入の増(現預金の増加)があること等から、平成28年度の比率は前年度の200%台から400%台へと大きく向上した。④供給原価については、平成27年度以降、シューパロ発電所の運転開始等により、発電電力量が大きく伸びたことに加え、平成28年度は経常費用が若干減少したため、平成27年度より低下するとともに、全国平均値も下回った。

経営のリスクについて

①設備利用率については、毎年度、全国平均値を上回って推移しており、これは安定した水資源の確保や施設の稼働率の確保によるものであり、比較的効率的な設備利用が出来ているものと考えられる。②修繕費比率については、全国平均値を大きく下回って推移しているが、これは発電施設の大規模改修を計画的に進めていることや、大規模改修を控えた施設について、最小限の修繕に留めていることによるもの。なお、平成27年度は、鷹泊発電所でオーバーホール(水車・発電機分解点検補修工事)を行ったこと等から一時的に上昇した。③企業債残高対料金収入比率については、平成27年度以降、FIT収入の増加等により低下してきているが、引き続き全国平均値を大きく上回って推移している。これは建設費用や大規模改修費用を、これまで概ね企業債の借入で賄ってきたことによるもの。今後、平成32年度から予定している一般競争入札等による売電への移行に対応するため、企業債借入の抑制を図ることとしている。④有形固定資産減価償却率については、全国平均値を下回って推移しているが、これはシューパロ発電所や滝の上発電所など、新しい施設が多いことによるもの。今後、老朽化した施設の改修等を計画的に行っていく。⑤FIT収入割合については、平成27年度以降、50%を超える高い数値となっているが、これはFITの適用を受けて建設したシューパロ発電所の運転開始や、大規模改修で新たにFITの適用を受けた滝の上発電所の稼働による。FIT期間(20年間)終了後は、電力料収入が大きく減少するリスクがあるため、その後の収入減少を考慮した経営を行っていく必要がある。

全体総括

・平成27年4月のシューパロ発電所(FIT適用)の運転開始に加え、平成28年度は夏場の記録的な大雨の影響などにより、年間発電電力量及び電力料収入が過去最高となったこと等から、各経営指標は概ね向上している。・このため、全国と比較しても経営上支障となる問題は見られず、現在のところ経営状態は安定している。・今後は、平成32年度から予定している一般競争入札等による売電への移行や、電力システム改革の動向などに対応するとともに、平成32年度までに経営戦略を策定し、老朽化施設の改修を計画的に進めていく必要がある。

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