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地方財政ダッシュボード

高知県宿毛市の財政状況(2020年度)

🏠宿毛市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

前年度と比較し0.01ポイントの増加となっており、類似団体内平均値との比較においては前年度より0.01ポイント差が小さくなっているものの、依然類似団体内平均値を下回っている状況が続いている。経済不況が長引いている中、さらに新型コロナウイルス感染症による経済活動の縮小もあり、税収減が予想されることから、今後も税の徴収強化等による税収の確保や事業費の見直しによる歳出削減等の取組みを継続する必要がある。

経常収支比率の分析欄

前年度比1.5ポイントの改善となった。人件費については、会計年度任用職員制度への移行に伴う増額等により、全体で209,956千円、率にして12.3%の大幅な増額となったものの、平成11年度に大型建設事業の財源として借り入れた地方債の償還終了に伴い公債費が111,502千円の減額となったことや、やふるさと寄附金繰入金等充当財源の増額等により物件費が77,170千円の減額となるなど、人件費以外の項目が減額となったことが主な要因である。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体内平均値を8,539円下回っているものの、前年度より18,591円の増となった。人件費については会計年度任用職員制度への移行に伴う増額等により、全体で209,956千円、率にして12.3%の大幅な増額となっている。物件費については年々増加傾向にあるふるさと寄附金に係る事業費が増加している一方で、備品購入費16,691千円の減額(皆減)等も発生している。ふるさと寄附金については年々増加していることから次年度以降も経費が同程度あるいは増額となる可能性がある。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度比0.2ポイントの減となっている。類似団体内平均値を0.7ポイント下回っているが、今後増加傾向が続かない様に指標を注視していく必要がある。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

これまで実施してきた定員管理により職員数削減を実施してきたが、類似団体内平均値との比較では2.81人上回っている。これは、県内唯一の有人離島を有するため支所・診療所・定期船に職員を配置しなければならない地理的要因や、私立保育園が市内に2園しかなく公立保育園を確保しなければならないこと等に起因するものである。

実質公債費比率の分析欄

平成24年度以降18%を下回っており、本年度は前年度比0.8ポイント減となった。要因として平成11年度に大型建設事業の財源として借り入れた地方債の償還終了に伴い公債費が111,502千円の減額となったこと等があげられる。しかしながら、依然として類似団体内平均値を大幅に上回っており、今後も小学校建設事業や庁舎建設事業に係る起債の償還をはじめ、災害復旧事業やその他大型公共事業等も控えていることから、事業の優先順位を決めつつ、新発債の抑制に努める必要がある。

将来負担比率の分析欄

前年度比で26ポイント増加となっており、類似団体内平均値と比較し47ポイント上回っている状況となっている。主な要因としては小中学校建設事業や庁舎建設事業に係る地方債の借入に伴い地方債残高が大幅に増となった点や保育園建設事業、津波避難タワー建設事業に係る債務負担が設定された点などがあげられる。今後についても大型建設事業が計画されていることから比率が上昇することが見込まれるため、一層の事業実施の適正化を図るとともに発行債の抑制に努め、借り入れる場合も基準財政需要額に算入される起債を中心に借入れを行い、将来負担比率の減少に取り組む。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

前年度比2.8ポイント増加し、依然類似団体内平均値を2.3ポイント上回っている。前年度に続き保育所使用料収入(充当財源)が29,303千円減額となったことや、会計年度任用職員制度への移行に伴い138,363千円の(皆増)となったこと等により人件費全体としては209,956千円の増額となった。

物件費の分析欄

物件費は前年度比1.3ポイントの減となっている。ふるさと寄附金の増加に伴う関連事業費の増加があったもの、一方でふるさと寄附金基金繰入金(充当財源)35,203千円の増額、宿毛市総合運動公園事業備品購入費16,691千円の減額(皆減)等により物件費全体として前年度比77,652千円の減となっており、類似団体内平均値との比較では2.9ポイント下回った。今後も競争によるコスト削減に努め物件費の縮減を図る。

扶助費の分析欄

児童扶養手当扶助46,009千円の減額や大島保育園入所児童運営委託料13,289千円の減額等により前年度から0.4ポイントの減少となっているが、昨年度に引き続き類似団体内平均値を上回っていることから今後もいっそうの削減に向けた取組みが必要である。

その他の分析欄

前年度比0.4ポイントの減となっているが、類似団体内平均値との比較については5.6ポイント上回っている。主な要因としては繰出金が前年度比で17,429千円減額となったことがあげられる。今後はいっそうの繰出金等の抑制に努める必要がある。

補助費等の分析欄

補助費等については前年度から0.3ポイント減となっており、類似団体内平均値との比較においても2.7ポイント下回っている。令和2年度は一部事務組合への負担金において4,949千円減額となったこと等により全体としては補助費等全体として5,716千円の減額となっている。引き続き補助金の見直しを中心とした補助費の抑制に取り組む。

公債費の分析欄

公債費にかかる経常収支比率は1.9ポイントの減となっており、昨年同様に類似団体内平均値を下回っている。今後も市庁舎、保育所及び学校教育施設等の移転・改築など大型建設事業が控えているため、普通建設事業費を平準化することで新規発行債の大幅な増加を防ぐ必要がある。

公債費以外の分析欄

対前年度比0.4ポイントの減となっているが、類似団体内平均値との比較では3.6ポイント高い状況となっている。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費については住民一人当たりのコストが326,746円となっており、前年度より212,569円(286.2%増)の大幅な増額となっている。主な要因としては特別定額給付金2,001,600千円の増額(皆増)、新庁舎建設工事費968,788千円の増額(皆増)、高台造成工事費358,039千円の増額等があげられる。この他年々増加傾向にあるふるさと寄附金に係る経費や新型コロナウイルス感染症対策に係る経費などにより総務費全体で4,192,967千円(前年度比181.7%)の増額となったためである。教育費については住民一人当たりのコストが182,411円となっており、前年度より132,344円(364.3%増)の大幅な増額となっている。主な要因としては宿毛小中学校建設事業に係る校舎等購入費2,505,755千円の増額(皆増)、小中学校一人一台端末購入費67,288千円の増額(皆増)があげられる。消防費については住民一人当たりのコストが33,518円となっており、前年度より6,589円(124.5%増)の増額となっている。主な要因としては住宅耐震改修促進費補助金37,006千円の増額、津波避難タワーの設計委託料19,088千円の増額(皆増)があげられる。今後津波避難タワーの建設工事が実施されることから住民一人当たりのコストは増加することが考えられる。災害復旧費については住民一人当たりのコストが43,350円となっており、前年度より22,655円(34.3%減)となっている。主な要因としては平成30年度7月豪雨災害の災害復旧工事進捗に伴い工事費が減となったものであるが、依然として類似団体内平均値を大幅に上回っている状況である。今後は進捗に伴い工事費も減少となると考えられるが、災害が起きた場合に再び数値が大幅に増となる懸念がある。農林水産業費については住民一人当たりのコストが25,524円となっており、前年度より19,611円(43.4%減)となっている。主な要因としては水産加工施設等整備事業費補助金451,503千円の減額(皆減)があげられる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

義務的経費については、全体で90,698千円の減額となっており、会計年度任用職員制度への移行等により人件費が181,972千円の増額となったものの、児童扶養手当扶助や臨時保育士雇賃金(扶助費相当分)等の減額により扶助費が144,921千円の減額となったほか、平成11年度に大型建設事業の財源として借り入れた地方債の償還が令和元年度に終了したことなどから公債費も127,749千円の減額となったことなどが主な要因である。投資的経費については、全体で3,151,309千円の大幅な増額となっており、平成30年7月豪雨による災害復旧事業費が471,572千円の減額となったものの、新庁舎建設工事費968,788千円の皆増や高台造成工事費358,039千円の増額、宿毛小中学校校舎等購入費2,505,755千円の皆増などが主な要因である。その他の経費については、全体で2,742,858千円の増額となっており、特別定額給付金2,001,600千円の皆増や新型コロナウイルス感染症対策事業にかかる給付金・補助金等の378,541千円の皆増、ふるさと寄附金の増額に伴う積立金170,701千円の増額などが主な要因とである。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度決算においては、実質単年度収支、単年度収支は赤字となっているが財政調整基金の取崩しにより実質収支は黒字となっている。財政調整基金残高については歳出決算額が1,881千円、前年度決算余剰金の積立てが250,000千円となったものの取崩額が270,000千円となり積立て額を上回ったため、18,119千円減の1,905,443千円となっている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

水道事業会計においては前年度比0.68ポイント改善し引き続き独立採算性を保っている。土地区画整理事業特別会計については、保留地の売却は進んでいないが起債の残高は年々減少していることにより黒字となっている。一般会計については、黒字決算となっているものの今後市庁舎、保育園及び小中学校改築といった大型建設事業を控えており、予断を許さない状況である。学校給食事業特別会計については令和元年度において赤字が改善され、令和2年度についても赤字とはなっていないものの今後も引き続き負担金の収入未済解消に向けた取組みを強化していく必要がある。国民健康保険事業特別会計は0.66ポイントの減少となっている。疾病の流行等その年々で状況が異なるため、引き続き国保財政の改善に向けて、ジェネリック医薬品や保健事業を推進することにより、医療費の抑制に努めるとともに国保税の徴収率向上に向け取り組んでいく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金は前年度比127百万円の減となり、実質公債費比率の分子についても59百万円の減となった。実質公債費比率についても0.8ポイント減となったが、依然類似団体内平均値より高い状況にあり、今後も市庁舎や保育所及び学校教育施設等の移転や改築といった大型建設事業を控えている状況であるため、公債費の急激な増加を防ぐべく、事業の優先順位付けや事業費の平準化等を行っていく必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担額において地方債現在高が前年度比で3,803百万円、債務負担行為に基づく支出予定額が289百万の大幅な増額となったことにより、将来負担比率は前年度比で26ポイント増加となっている。類似団体内平均値との差は47ポイントとなり、これまでと比較し差が大きくなっている。これらの主な要因として地方債現在高については小中学校建設事業や庁舎建設事業に係る地方債の借入に伴うものである。債務負担行為に基づく支出予定額については保育園建設事業、津波避難タワー建設事業に係る債務負担が設定された点などがあげられる。今後も新規発行債の抑制に努め、借り入れる場合も基準財政需要額に算入される起債を中心に借入れを行い、将来負担比率の減少に取り組むことが重要である。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)基金全体で見ると、前年度比183百万円基金残高が増加している。主な要因としては年々増加傾向にあるふるさと寄附金の増加によりふるさと寄附金基金残高が200百万円増加したたためである。(今後の方針)今後は市庁舎、保育所及び学校教育施設等の移転・改築等大型建設事業が控えており、後年度においては関連する基金の取崩しが見込まれている。また、災害等への対応に伴う突発的な財政出動も懸念されるため、取崩しに備えた基金積立てを継続していく。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金残高については前年度決算余剰金の積立てが250百万円となったものの取崩額が270百万円となったため残高が減少となった。(今後の方針)「基金全体」で記載したとおり、今後複数の大型建設事業施行の影響により基金の取崩しは避けられない状況にあるが、平成30年7月豪雨規模の災害が到来した場合には更なる財政出動が想定されるため、必要額を見極めた上で基金積立てに向けた取組みを継続していく。

減債基金

(増減理由)令和元年度決算においては預金利子による収入分303千円を積立てており、前年度に引続き基金残高は増加した。(今後の方針)今後予定されている大型建設事業の財源として起債を活用することが見込まれることから、公債費を抑制する手段として減債基金の取崩しも想定されるため、計画的な基金積立てに向けた取組みを継続していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)施設等整備基金:施設等の整備に要する財源を円滑に調整する。ふるさと寄附金基金:宿毛市ふるさと寄附金条例に基づき寄附された寄附金を適正に管理し、運用する。地域振興基金:高齢化社会の到来に備え、在宅福祉の向上、健康づくり、ボランティア活動の活発化、快適な生活環境の形成等を図る。総合運動公園施設整備等基金:宿毛市総合運動公園の施設整備及び同施設整備に要する起債の元利償還金に充てる。地方改善事業共同事業施設整備基金:地方改善事業共同事業施設の永続的な活用、運営を図る。(増減理由)ふるさと寄附金基金については、前年度を上回る取崩をしたものの、寄付金収入の増額により積立額が取崩額を上回ることとなったため、基金残高が増額となった。総合運動公園施設整備等基金については前年度に施設の維持修繕に伴い取崩しを行い残高が減少したが、今年度については積立を行ったことにより残高が増加している。(今後の方針)施設等整備基金については、今後予定されている大型建設事業の財源として活用することが見込まれることから、今後も計画的な積立てを継続していく。ふるさと寄附金基金については、寄附金の増加に伴い基金残高が増加しているものの、今後は寄附金収入の減少することも予想されるため住民サービス向上に資する事業の財源としての活用を慎重に検討しつつ取崩しを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設総延床面積の10%削減を目指して、公共施設等の整備を進めている。有形固定資産原価償却率については全国平均を2.5ポイント、高知県平均を1.8ポイント、類似団体内平均値を3.4ポイント、下回っている。要因として近年の大型建設事業により減価償却率が減少したものと考えられる。引き続き人口規模及び防災・減災対策の観点を踏まえ老朽化した施設の機能集約等を検討していく。

債務償還比率の分析欄

全国平均を301.6ポイント、高知県平均を209.4ポイント、類似団体内平均値を265.8ポイント上回っている。大幅な増加となった要因としては地方債を活用した大型建設事業を実施したことが考えられる。今後も大型建設事業を予定しているため市全体の事業量を調整し数値の悪化を招くことの無いように努めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率についてはR01までは減少傾向にあったものの、R02に大型建設事業を実施したことにより前年度比26ポイントの増となり、類似団体内平均値を大きく上回っている状況となっている。有形固定資産減価償却率については近年の大型建設事業により減少し類似団体内平均値を3.4ポイント下回っている。今後も引続き発債の抑制及び基準財政需要額に算入される地方債を中心とした借入を行う等、将来負担比率の減少に取り組む。また、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設等の整備を進めることにより、有形固定資産減価償却率の減少に取り組む。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率についてはH28より減少傾向が続いていたが、R02に大型建設事業を実施したことにより26ポイントの増となった。今後も大型建設事業が予定されていることから類似団体内平均値と比べ高い状況が続くことが予想される。実質公債費比率については減少傾向にあるものの類似団体内平均値より高い状況が続いている。今後も大型建設事業が複数控えている状況であるため、市全体の事業量を調整し数値の悪化を招くことの無いように努めていく必要があるとともに、引続き発債の抑制及び基準財政需要額に算入される地方債を中心とした借入を行う等、将来負担比率及び実質公債費比率の減少に取り組む。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

上記の通り、公営住宅、児童館、橋梁・トンネル、港湾漁港等、半数以上の類型において有形固定資産減価償却率が類似団体内平均値を上回っている。公営住宅については類似団体内平均値を20ポイント以上上回る状況が続いているが、平成25年に策定した宿毛市公営住宅等再編計画に沿った維持更新を進めることとなっており、現在既存の住宅に係る建替え工事を実施していることから今後減価償却率は減少することが見込まれる。橋梁については「宿毛市橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、予防保全型の維持管理を導入することで、長寿命化を図っていくこととなっている。公民館及び児童館においては、築30年、40年を超える建物が多々あることから必要に応じた修繕を行うとともに老朽化に対応するための方針を検討する必要がある。一方で、学校施設については令和01と比較し14.7ポイント減少しており、類似団体内平均値との比較においても10.1ポイント下回っている。こちらについては老朽化した小中学校校舎を解体し、新たに小中合築校舎を建設したことが大きな要因である。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

上記の通り、保健センター・保健所、福祉施設、庁舎及び消防施設における有形固定資産減価償却率が類似団体内平均を大きく上回っている。保健センター・保健所については、有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を48.9ポイント上回っている。有人離島における診療所が築30年を超えることから高い数値となっているものであるが、島民に必要不可欠な施設であるため、適宜修繕等を行い現状維持に努めていくこととしている。福祉施設については、有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を44.4ポイント上回っている。主に保育施設における施設老朽化の影響である。一部の保育施設については、機能を集約した上での新築事業を進めているため今後は一定改善する見通しとなっているが、今後も人口減少や施設の老朽化に伴う施設の統廃合や改築を検討する必要性がある。消防施設については、類似団体平均値を上回る状況が続いている。主に消防団に係る施設の老朽化が原因であり、今後は計画的な施設整備を検討する必要がある。庁舎については、市本庁舎が築50年を経過していることから高い数値となっているが、津波浸水想定区域外への本庁舎移転事業を進めているため、今後は改善する見通しとなっている。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産総額について、庁舎等新築に伴う高台造成のほか、小中学校整備事業に伴う資産計上等の影響で、一般会計等で前年度比4,031百万円の増加となっています。一方で負債総額も、上記庁舎建設事業、学校公社等建設事業に伴い新規起債が増加した影響で、一般会計等で前年度比3,792百万円の増加となっています。いずれも、前年度までと比較して大きな変動幅となっており、全体・連結においても増減の主たる要因となっています。一般会計等と全体との間では、資産では上下水道の管渠等のインフラ資産(合計9,685百万円)、負債では同じく上下水道会計の地方債(合計5,621百万円)による差が主な要因となっています。連結においては、全体の占める割合が資産・負債共に9割以上であり、全体までの影響を強く受けています。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは概ね横ばいの傾向となっており、令和2年度は前年度比139百万円の減少となりました。令和2年度は特別定額給付金事業をはじめとして、新型コロナウイルス感染対策事業に係る臨時損失が2,588百万円程度計上され、純経常行政コストと純行政コストの乖離が大きくなっています。全体の行政コストについても概ね横ばいに推移し、当年度の純経常行政コストは15,347百万円と、前年度比53百万円の減少となりました。一般会計等と全体の差額4,526百万円の大半は国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険の各種補助金・給付が占めています。これらのコストは低減が容易でないことから、行政コストの低減のためには一般会計等の見直しが重要といえます。連結においては純経常行政コスト、純行政コストともに全体が占める割合が80%以上を占めています。全体との差額は、主に後期高齢者医療広域連合の補助金によります。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、前年度は災害復旧事業費が大きかったこと等から本年度差額がマイナスとなっていましたが、当年度は資産形成となる事業の影響が大きく、本年度差額はプラスに転じています。本年度純資産変動額は+239百万円となり、純資産残高は増加しています。全体・連結についても、一般会計等の影響を強く受け、純資産残高は増加しています。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等の資金収支の状況は前年度まで概ね横ばいで推移していましたが、当年度は庁舎新築事業、学校校舎整備事業の支出が大きいため投資活動収支がマイナスに、またそれに伴う新規起債の影響で財務活動収支がプラスに、大きく変動しています。全体の前年度との変動についても、一般会計等の変動が主たる要因となっています。なお、総務省のマニュアルに則り、連結の資金収支計算書は作成を省略しています。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均と比較して少ない傾向にありますが、当年度に庁舎新築事業、学校校舎等整備事業等の影響で増加し、類似団体平均平均に近づいています。歳入額対資産比率が2年連続で大きく下がっていますが、前年度は上記事業に係る新規起債の増加があり、当年度は起債の増加に加えて特別定額給付金をはじめ、新型コロナウイルス感染症対策事業に係る補助金収入の大幅な増加があったことによるものであり、資産状況の悪化を示すものではありません。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率、将来世代負担比率等、資産と負債の比率に関する指標は概ね類似団体平均と同程度となっていましたが、起債を伴う大型の建設事業の影響で、将来世代負担比率が大きく上昇しています。今後も事業は継続することから、指標の動向を注視する必要があります。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

大型の建設事業に関するコストの増大、また人口減少等も一因として、住民一人当たり行政コストはやや上昇傾向にありましたが、当年度はさらに新型コロナウイルス感染対策事業にかかる臨時損失も大きく、一人当たり行政コストは例年と比較して大きくなっています。財務書類作成初年度である平成28年度の1.5倍程度の値であり、今後はコスト低減が大きな課題になります。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり資産額と同様に、一人当たり負債額も類似団体平均に比べ少ない傾向にありましたが、当年度は庁舎新築、学校校舎等整備等の大型の建設事業に伴う起債の影響で、類似団体平均の水準を上回っています。住民一人当たり行政コスト同様、今後の動向を注視することが重要です。基礎的財政収支については、投資活動収支のマイナスが大きいため、例年と比較してマイナス幅が大きくなっています。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は横ばいから微減傾向にあり、概ね類似団体平均と同程度となる傾向にあります。施設やサービスの利用率等も考慮し、最適な手数料水準を検討することが求められます。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,