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兵庫県公立八鹿病院組合:公立八鹿病院の経営状況

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収録データの年度

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経営比較分析表(2023年度)

地域において担っている役割

当院は地域の中核病院、また市内で唯一の一般病院として、急性期から回復期・慢性期、在宅医療までをシームレスに提供するケアミックス病院である。但馬地域は広大な圏域に中小規模の病院が点在しているため、当院がこの機能を有することが地域の医療提供体制の確保に繋がっている。回復期リハビリ病棟・障害者病棟・緩和ケア病棟・結核病棟については但馬地域で当院のみが持つ機能であり、地域全体から患者を受け入れている。地域に欠かせない救急医療については、二次救急までを24時間365日提供できる体制を確保し、二次救急医療圏である西南但馬地域において、その中心的役割を果たしている。公立病院に求められる、高度医療・特殊医療・不採算医療を提供するとともに、地域医療支援病院、へき地拠点病院等の役割を担っている。また、臨床研修指定病院および総合診療専門研修の基幹施設として、地域医療を支える医師の育成も担っている。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者1人1日当たり収益

外来患者1人1日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

R5年度は経常赤字となったが、これはコロナ補助金の終了および患者数減少による医業収支悪化の影響が大きい。当院は、過疎地域にて中核的な医療を提供する「不採算地区中核病院」に該当する。県内でも過疎が深刻な地域に所在しており、厳しい経営条件によって効率的な経営が難しい環境にある。また、急性期病院と比べ入院単価が低いため、高い病床利用率を維持することで収益を確保する必要があるが、過疎地域であるが故に働き手の確保が難しく、昨今では働き手不足を原因とする患者の受入制限も生じる状況にある。限られた医療資源の有効活用のためには機能分化が必要とされており、ケアミックス病院であることも効率的な経営を難しくしている。費用の面では、給与費比率が高く、材料費比率が低いというケアミックス病院の特徴を示している。しかし、昨今の物価高の影響により材料費も増加傾向にあり、さらに経営を圧迫する状況にある。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

1床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

病院の本体部分はH18年度に建替えを行っており、有形固定資産減価償却率は年々増加している。病院の電気設備・空調衛生設備などが耐用年数を迎えることや、付帯施設である看護専門学校・老人保健施設が建築後30年を経過するなど、老朽化が進んだ施設・設備があるため、全国平均との比較でも高い水準となっている。器械備品については、近年ではCTやMRI、リニアックといった高額な医療機器を更新したほか、R2年度には電子カルテを更新するなど、機器の老朽化に対応している。これに伴い器械備品の減価償却率が改善したが、厳しい経営状況から投資の抑制を方針としており、再び全国平均を上回る状況となっている。なお、当院の1床あたり有形固定資産には、付帯施設である看護専門学校と老人保健施設分が含まれるため、全国平均と比較し高額となっている。

全体総括

医師不足等により収入確保が難しい状況にあったが、昨今では看護師不足も深刻な問題となっている。特にコロナ渦以降この傾向が顕著であり、職員数の減少により地域において担うべき役割の継続が難しくなっている。人材確保に注力しているものの、地域の生産年齢人口の減少も著しく、非常に困難な状況に陥っている。一方で、当院の入院患者の大半を占める後期高齢者数については今後も微増する状況にあり、医療提供体制の強化によって医療需要に応えなければならない。また、近年更新した高度医療機器や病院建物の減価償却費は今後も計上が続くため、これらの活用によって収入を確保する必要があり、単純なダウンサイジングによる収支改善は難しい状況にある。経営改善に向けては、人材確保等による病院の機能強化を方針としているが、人材確保の困難化が進む状況を踏まえると、今後の病院の役割・機能についての検討も並行して進める必要がある。地域の状況を踏まえた病院機能の最適化により収支改善を図り、持続可能な医療提供体制の構築を目指す。

出典: 経営比較分析表,

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