経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、類似団体平均を下回っているが、経常収支は黒字である。②累積欠損金比率は、類似団体平均を下回っているが0%でない。③流動比率は、類似団体平均を上回っており、支払い能力も向上している。④企業債残高対事業規模比率は、類似団体平均を大きく下回っている。⑤経費回収率は、類似団体平均を上回っており、コロナ禍における生活様式の変化や料金改定の影響などにより向上している。⑥汚水処理原価は、減少傾向であり、初めて類似団体平均より下回り望ましい状況となった。⑦施設利用率は、前年度より僅かに向上したが、長期的には人口減少等の影響により減少傾向である。⑧水洗化率は、類似団体平均より高く、微増傾向である。
老朽化の状況について
管渠老朽化率及び管渠改善率は、耐用年数を経過した管渠がなく、ともに算定されていない。公共下水道の管渠延長96km(雨水管渠4㎞含)を有し、その改築更新については、令和16年頃より順次耐用年数を経過するため、計画的な改築更新に向けて財源確保に取り組む必要がある。
全体総括
経営の効率性や財政の健全性を示す指標については、概ね良好な数値であり、健全な経営ができている。当市は中山間地域に位置しており、公共下水道、特定環境保全公共下水道、農業集落排水施設、コミュニティ・プラントを含めて計32の処理場と管渠約740Kmを有している。これらの下水道施設の法定耐用年数が経過する令和16年頃から、改築更新費用の増大が見込まれるため、ストック・マネジメント計画に基づき処理施設の長寿命化対策を図りながら、「次世代へつなぐ持続可能な下水道」の構築に取り組む必要がある。