亀山市：市立医療センター

地域において担っている役割

不採算地区に立地しており、また本市で唯一の救急病院としての役割を担っているため、不採算の医療の提供が多い状況である。しかしながら、来院者については、この地域の住民の割合が非常に高く、また訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーション等も実施していることから、地域に密着した医療機関となっている。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、入院収益等の医業収益が減少したこと、また一般会計からの補助金等の減少により医業外収益が減少したことにより、平均値よりも11.8ポイント低い比率となった。②医業収支比率は、入院収益をはじめとした収益が全般的に減少した一方で、資産減耗費をはじめとした費用も全般的に増加したことにより、平均値よりも7.5ポイント低い比率となった。③純損失が生じたことから、累積欠損金比率も前年度よりも高い比率となった。④病床利用率は、横ばいではあるが、平均値よりも14.5ポイント低い比率であるため、病床の利用方法を検討する必要がある。⑤入院患者１人１日当たりの収益は、前年度と比較すると平均値と乖離した状態になったため、安定した収益が確保できるような改善が必要である。⑥外来患者１人１日当たりの収益は、ほぼ横ばいであり平均値も上回っていることから、健全な状態である。⑦職員給与費対医業収益比率は、前年度及び平均値共に上回っているため、診療収入等の向上を図り、収益改善につなげる必要がある。⑧材料費対医業収益比率は、前年度より比率が下がっているが、引き続き平均値を上回るため、購入時の価格交渉等の取組みが必要である。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、平均値より高い数値を示しており、施設設備、機械備品等の老朽化が進んでいることから、今後計画的にこれらの更新を行う必要がある。②機械備品減価償却率は、平均値より高い数値を示しており、また有形固定資産の中でも当該償却率が高いことから、より一層計画的に更新を図っていく必要がある。③１床当たりの有形固定資産は、平均値より高い数値を示しており、将来的に減価償却費又は資産減耗費の増加にもつながることから、投資が過大にならないように改善を図る必要がある。

全体総括

経常収支比率及び医業収支比率が共に100％未満であり、また累積欠損金が発生していることから、経営状況は非常に厳しい状態であるといえ、早急な経営基盤の強化が求められるところである。これらを踏まえ、本市病院事業においては、本年度に経営形態の見直しを行い、地方公営企業法の規定を全部適用したところであるが、今後、病床利用の見直し、医業費用の削減等による収支改善に努め、経営の健全化に努めてまいりたい。