経営の状況について
【収益的収支比率】当該指標が100%未満である平成26年度から平成29年度は、単年度の収支が赤字であることを示しています。平成30年度は、当該指標が100%となりましたが、これは地方債償還が平成29年度をもって終了したことが大きな要因です。なお、総費用は営業収益だけで補うことができないため、不足する財源は一般会計繰入金を充当し、収支の均衡を図っている状況です。【営業収支比率】当該指標は100%未満であるため、単年度の営業収支が赤字であることを示しています。平成26年度以降は50%前後で推移しており、経営改善に向けた取組が必要です。【供給原価】全国平均と比べて高い数値で推移しており、発電コストが高いことを表しているため、効率的な運転とコスト削減に向けた取組を進める必要があります。【EBITDA】平成26年度以降マイナスで推移しており、全国平均と比較しても低い傾向にあります。毎年、安定した収益が得られないことから、一般会計繰入金に依存している状況にあります。
経営のリスクについて
【設備利用率】当該指標は高い数値が望まれるところですが、各年度とも一桁台に留まっており、全国平均(発電型式別)を大きく下回っています。これは、経年劣化による故障のほか、風況の良い冬期間に多発する落雷を起因とした長期停止が原因の一つであることから、被害等が発生した場合は早期対応に努める必要があります。【修繕費比率】当該比率は平成26年度から平成29年度まで、全国平均(発電型式別)を大きく上回っていましたが、事業廃止も視野にいれた中で、修繕に係る経費の抑制(必要最小限の修繕)を図った結果、平成30年度は全国平均を下回りました。今後も、計画的かつ効率的な修繕に努める必要があります。【企業債残高対料金収入比率】風力発電建設時に借り入れた企業債は、平成29年度をもって完済したことから、当該比率0%(現在高0円)となっています。【FIT収入割合】電力料収入のうち大部分がFITで占められており(自家用を除く)、平成34年度の2・3号機からFIT適用期間が終了するため、収入が大きく変動するリスクを抱えていることから、抜本的な改革を進める必要があります。
全体総括
当該事業は、施設の老朽化が進行し、経年劣化に伴う部品交換や落雷被害により毎年多額の修繕費を要しており、また、長期にわたって運転を停止せざるを得ない状況も生じていることから、年々厳しい経営状況を余儀なくされています。今後もさらに厳しい経営状況が見込まれるため、FIT適用終了前に、事業の廃止を視野に入れた抜本的な改革が急務であることから、平成29年度末に1号機を廃止(機能停止)しました。残り3基の風力発電設備についても、風況等を勘案した計画的かつ効率的な部品交換や修繕を実施するとともに、突発的な故障等に迅速に対応するなど、効率の良い発電事業を行うとともに、事業の廃止を見据え、抜本的な改革を進めているところです。