2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
基準財政収入額は、市民税個人所得割、法人税割、地方消費税交付金が減となり、前年度から0.3%の減となった。基準財政需要額は前年度比0.2%の減となり、基準財政収入額の減少幅のほうが大きかったため、単年度の財政力指数は0.002ポイント減の1.518となった。3年平均の財政力指数では、指数の大きかった平成28年度が外れたため、0.007ポイント減の1.515となった。例年類似団体平均を上回り指数は1.0以上を保っているが、老朽化した施設の維持管理や更新に係る費用や社会福祉費、児童福祉費は伸びていくと想定しており、今後も指数の動向に注視していく。
扶助費や人件費の増により分子の経常経費充当一般財源は増となった。また、分母の経常一般財源についても個人市民税、固定資産税の増により増となった。分母・分子ともに増となったが、分子の増の方が大きくなったことから経常収支比率は前年度より0.1ポイント増の84.3%となった。類似団体平均を下回ってはいるが、税収の大幅な伸びは見込めないことや、扶助費については増加傾向にあることから、今後の比率の低下は考えにくい。「武蔵野市行財政改革アクションプラン」を着実に実行し、経常経費の抑制・削減に努めていく。
人件費は、増加と減少を繰り返しながら同程度で推移してきたが、退職者数の増や嘱託職員数の増等により、前年度比2.9%の増となった。物件費については、平成25年度以降増加傾向であり、令和元年度は内部統合情報システム構築作業や道路附属物点検業務の実施等により、前年度比4.5%の増となった。今後も業務の外部委託化などが進めば物件費が増加していくと見込まれる。質の高い行政サービスや公共施設の適切な維持管理により数値が高くなっているとも考えられるが、引き続き行財政改革を推し進め、経費抑制を図っていく。
平成26年10月1日より、民間・他団体との給与水準の均衡を図るため、給料表を市の独自表から都表へ移行した。また、55歳以上昇給抑制や扶養手当の減額等を実施し、給与制度の改革を行っている。
健全財政を維持しつつ必要な市民サービスを維持する財源を生み出し、効果的で効率的な組織・職員体制を構築するため、「第6次職員定数適正化計画」(平成25~28年度)の実施により職員の削減を図った。3つの基本方針「第五次武蔵野市行財政改革を推進するための基本方針」、「武蔵野市行財政改革アクションプラン」、「武蔵野市人材育成基本方針」に基づき、平成29~令和2年度の4か年を期間とする「第7次職員定数適正化計画」を平成29年2月に策定しており、計画期間中に68人の定数削減を目指す。
実質公債費比率は3か年平均の値であり、平成28年度の-1.28901%が抜け、令和元年度の-1.13539%が加わったため、3か年平均では前年度から増減なく-0.4%となった。令和元年度単年度については、分母が前年度比0.2%の増となった一方、分子は公債費に準ずる債務負担行為に係るものの減等により312.5%の減となったため、結果として単年度の実質公債費比率は前年度から1.67812ポイントの減となった。(平成27:-0.34359、平成28:-1.28901、平成29:-0.71904、平成30:0.54273、令和1:-1.13539)
将来負担額に対して充当可能財源が超過しているため将来負担比率がマイナスである(平成30年度-84.3%、令和元年度-89.7%、前年度より-5.4ポイント)。地方債の償還が進み現在高が減少したことや、地方債の償還等に充当可能な基金が増加したことが、前年度より5.4ポイント減となった要因として挙げられる。今後、老朽化した公共施設、都市基盤の更新による市債の新規発行が見込まれるが、引き続き計画的な事業執行により財政の健全性を維持していく。
退職者数の増や嘱託職員の増などにより、人件費の経常経費は前年度比3.1%の増となった。今後も、平成29~令和2年度の4か年を期間とする「第7次職員定数適正化計画」により、計画期間中に68人の定数削減を目指す。民間・他団体との給与水準の均衡を図るため、平成26年10月より給料表を都表へ移行するとともに、55歳以上昇給抑制や扶養手当の減額等を実施し、給与制度の改革を行っている。
物件費の経常経費は、ラグビーワールドカップ2019公認チームキャンプ地としての環境整備に伴う体育施設管理運営委託の増などにより増加した。他団体と比べて物件費の比率が高いが、アウトソーシングを推進していることと、充実した施設の維持管理によるものが大きく、今後も業務の外部委託化が進めば物件費が増加していくと見込まれるが、事務事業の見直しに努める。
手当の見直しにより福祉手当等支給事業は減となったものの、待機児童対策による保育所運営給付や障害者自立支援給付費などの増により、依然増加傾向にある。また、令和元年度は10月からの幼児教育・保育の無償化により私立幼稚園への施設等利用給付を開始し、扶助費の増の要因となった。今後についても、社会保障費の増加に伴い増加傾向が続くとみられる。
類似団体平均を下回っているのは、公営企業会計が少ないことと、分母となる歳入経常一般財源の額が大きいことによるものである。国民健康保険事業繰出金は事務費繰出金の増などにより増加。介護保険事業会計繰出金は保険給付費の増などにより増加。後期高齢者医療会計繰出金は事務費繰出金の減などにより減少。下水道事業会計繰出金は下水道事業債の元利償還金の増などにより増加した。今後も繰出金の減少に努める。
補助費等のうち主な増要因は、保育所等運営委託事業、私立幼稚園等助成事業などである。補助費等の経常経費は増加したが、特定財源の増が大きく、経常収支比率は前年度より0.8ポイント下がった。例年類似団体平均を上回っているのは補助事業の充実によるものであるが、引き続き「行財政改革を推進するための基本方針」に基づき、補助金の見直しと経費縮減に取り組む。
元金の償還が開始(クリーンセンター建設事業等)されたことによる増があるが、償還終了(境南ふれあい広場、市民の森公園用地買収等)による減のほうが大きく、公債費は減となった。老朽化した公共施設の更新、都市基盤のリニューアルなどにより、今後中長期にわたり市債の発行増が予想される。適切な公共施設の配置や財政規律を維持しながら、計画的かつ着実に事業を実施していく。
扶助費の経常収支比率の伸びが大きく、公債費以外の経常収支比率は前年度と比べて0.6ポイントの増となった。今後も経常的な業務の見直し等の行財政改革を推進し、経常経費の削減に努める。
(増減理由)武蔵野クリーンセンター建設工事等に伴い「公共施設整備基金」を11億6700万円、小・中学校校舎等改修工事に伴い「学校施設整備基金」を7億3200万円取り崩した一方、歳計剰余金などを「公共施設整備基金」に9億7900万円、「学校施設整備基金」に15億1200万円を積み立てたこと等により、基金全体としては約18億円の増となった。(今後の方針)短期的には「公共施設整備基金」や「学校施設整備基金」への積立てにより増加していく予定だが、公共施設・学校施設の更新も控えており、中長期的には減少傾向が見込まれる。施設の更新を確実に行い、年度間の財政負担のバランスを保つために、引き続き財政規律を保ち健全財政を維持していく。
(増減理由)預金利子収入の積立てによる増。(今後の方針)年度間の財源の調整、災害等不測の事態への対応等のため、残高はおおむね予算規模の10%程度としている。
(増減理由)減債基金の積立ては行っていない。(今後の方針)
(基金の使途)公共施設整備基金:都市計画施設、福祉施設、その他長期計画に定める公共施設の整備。学校施設整備基金:市立小学校、中学校、その他学校施設の整備。公園緑化基金:公園用地の確保並びにみどりの保護、育成及び緑化推進事業。吉祥寺まちづくり基金:長期計画に定める吉祥寺圏の整備。高齢者住宅運営基金:高齢者用に配慮された民間アパートを借り上げ、住宅に困窮する高齢者に供給する高齢者向け民間アパート借上事業。(増減理由)公共施設整備基金:9億7900万円を積み立てた一方で、武蔵野クリーンセンター建設事業などに11億6700万円を充当したことにより減少。学校施設整備基金:小・中学校校舎等改修工事に7億3200万円を充当した一方で、15億1200万円を積み立てたことにより増加。公園緑化基金:公園新増設やリニューアル、長寿命化などの公園等建設事業に2億円を充当した一方で、10億500万円を積み立てたことにより増加。吉祥寺まちづくり基金:都市計画道路3・3・14号線南口駅前広場事業に1000万円を充当した一方で、2億200万円を積み立てたことにより増加。(今後の方針)公共施設整備基金・学校施設整備基金:公共施設や学校施設の更新に備え、当面は歳計剰余金を積立て予定。公園緑化基金:公園用地の確保並びにみどりの保護、育成及び緑化推進事業のため、おおむね現在の残高を維持していく。吉祥寺まちづくり基金:吉祥寺駅南口駅前広場事業費46億円を目標に積立て予定。高齢者住宅運営基金:高齢者向け民間アパート借上事業のため、おおむね現在の残高を維持していく。
当市では、不具合が生じた場合の影響が大きい建築部位・設備機器類の劣化保全整備、時代に即した社会的要求に対応するための改良保全整備を計画的に実施し、施設の長寿命化を図っている。そのため、類似団体と比べて低い比率で推移していると考えられる。令和元年度に有形固定資産減価償却率が増加した要因としては、大規模な改修工事・建築工事がなく、取得価額の増加よりも減価償却累計額の増加のほうが大きかったことが挙げられる。
算定式の分子にあたる(将来負担額)-(充当可能財源)が負数であるため、債務償還可能年数は「-」となっている。充当可能財源とされるもののうち、充当可能基金残高が十分にあることが要因と考えられる。今後は老朽化した公共施設、小中学校の建替え及び都市基盤の更新費用などが増加することが見込まれていることから、経常経費の縮減や公共施設の総量の縮減等を図るとともに、引き続き基金の積立を着実に行っていく。
地方債の新規発行を抑制し、基金の積立を積極的に行ってきた結果、将来負担比率はマイナスになっている。有形固定資産減価償却率についても類似団体内平均を大きく下回っており、財政の健全性を保ちながら適正に固定資産の維持管理を行ってきていると考えられる。今後は公共施設等総合管理計画に基づき、財政負担の低減や平準化を図りつつ、安全で時代のニーズに合った公共施設等の配置や維持管理を行う。
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して低い水準にある。今後、老朽化した公共施設や都市基盤の更新に伴う地方債の新規発行が見込まれるが、引き続き計画的な事業執行により財政の健全性を維持していく。
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