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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(27年度末40.0%)に加え,町民一人当たりの平均所得が低いこと等により,財政基盤が弱く,類似団体と比較して0.15ポイント下回っている。このことは,納税義務者数の減少,高齢化社会への対応に係る事業費の増加等として基準財政収入額及び基準財政需要額へ影響を及ぼしている。これらのことから,数値の大幅な改善を見込むことは難しいものの,税の徴収率向上,歳出の徹底した見直しを行うことにより安定的な財政基盤の確立に努めていく。
前年度と比較し,歳入面では,地方税及び地方交付税の増額により,分母となる経常一般財源は5.8ポイント増加した。歳出面では物件費が1.1ポイント増,補助費等が1.6ポイント増となり,分子となる経常経費充当一般財源は5.9ポイント増加し,経常収支比率は0.1ポイント上昇となった。類似団体と比較すると0.1ポイント下回っているが,今後も職員数の適正管理による人件費の削減,基金を活用した起債発行額の抑制による公債費の削減に努めるとともに,事務事業の点検・見直しを行い,経常収支比率の改善を図っていく。
人件費,物件費が増加したことにより,人件費,物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額は,前年度と比較して8,571円増加しており,依然として類似団体平均を上回っている状況である。これは主に人件費が要因で,町単独でごみ・し尿処理業務,消防業務を行っていることから職員数が多くなっているためである。これらの業務については,正職員の採用を控え,嘱託員や臨時職員で対応し,民間委託,指定管理者制度の導入について検討を進めているところであるが,今後も人件費の抑制に向けて取り組みを進めていく。
勧奨退職や新規採用の抑制等により職員数の削減に努めており,前年度と比較し1.9ポイント上昇し,類似団体と比較して2.2ポイント上回っている。引き続き職員定数及び給与の適正化に努め,改善を図っていく。
職員数は前年度から一般職員が7人減して220人となったが,人口減少や行政区域が広大であること,また,ごみ・し尿処理業務,消防業務等を町単独で行っているため人口千人当たりの職員数は依然として高く,類似団体平均を2.89ポイント上回っている。今後も住民サービスの確保に留意しながら,業務の民間委託をはじめとする事務事業の見直しを行うなどにより,職員数の適正管理に努め,定員適正化計画に基づき人員削減に取り組んでいく。
これまでの起債発行額の抑制により,前年度と比較して1.8ポイント改善し,類似団体と比較しても3.9ポイント下回っている。今後,廃棄物処理施設整備事業や学校耐震化事業等の大型普通建設事業による起債に伴い,数値の上昇が予想される。引き続き各種事業計画の整理・縮小を図るなど,起債発行額を抑制し,数値の改善を図っていく。
前年度と比較し,廃棄物処理施設解体工事等に係る過疎債等の発行により地方債残高が増加(5億6千万円)したが,職員数や勤続年数の減による退職手当負担見込額の減少(1億1千万円),また充当可能基金が増加(3億5千万円)したこと等により,18.7ポイント改善された。今後も地方債発行額の抑制と職員数の適正管理に努めるとともに,充当可能基金への計画的な積立を行うなど,財政の健全化を図っていく。
類似団体と比較して8.3ポイント高くなっているのは,ごみ・し尿処理業務,消防業務を町単独で行っているため,職員数が多いことが主な要因である。前年度と比較して0.1ポイント減少しているが,引き続き定数管理・給与の適正化を推進し,また,民間委託の導入を含めた人件費の削減に努めていく。
社会保障・税番号制度対応に係るシステム改修業務委託料等の増加により,前年度と比較して1.1ポイント上昇し,類似団体と比較しても1.8ポイント高くなっている。業務の合理化が進む中で,システムの委託料や使用料が増加傾向にあるため,契約内容を精査し,抑制に努めていく。
地方税(町民税,固定資産税),地方交付税等,分母となる経常一般財源が増となったことにより,前年度と比較して1.5ポイント減少となった。類似団体と比較すると1.8ポイント高くなっているが,高齢化率が40.0%(27年度末現在)である本町においては,今後も老人福祉費等に係る扶助費の増加が見込まれるため,事業の内容を精査し適正な執行に努めていく。
前年度と比較して0.8ポイント上昇し,類似団体と比較して0.1ポイント上回っている。これは,国民健康保険事業特別会計の財源対策繰入分や,介護保険特別会計の職員給与費等分などの繰出金等が増加したためである。繰出金については,今後各会計における財政の健全化を図り,抑制に努めていく。
国庫支出金等償還金,地方バス路線維持費等進出支援事業等により,前年度と比較して1.6ポイント上昇したが,類似団体と比較すると9.7ポイント下回っている。これは,ごみ・し尿処理業務,消防業務等を一部事務組合等へ委託せず,町単独で行っているためである。今後も,各種団体への補助金の見直し等により,抑制に努めていく。
過去に借入れた起債(過疎対策事業債,臨時財政対策債,減税補てん債等)の償還完了に対し,平成27年度に元金償還開始となった金額が少なかったため,前年度と比較して1.8ポイント減少し,類似団体平均を2.4ポイント下回った。これまでの起債抑制効果から公債費は減少傾向にあるが,今後,廃棄物処理施設整備等の大型普通建設事業に係る起債の元金償還開始等により増加が見込まれるため,後年度の償還見通しを立てながら起債発行額を抑制していく。
前年度と比較して1.9ポイント増加し,類似団体平均を2.3ポイント上回った。人件費に加え,物件費や補助費等,その他の繰出金等の増加が要因とみられる。特に類似団体平均を上回っている人件費を重点に,増加傾向にある物件費等についても削減に努め,経常収支比率の改善を図っていく。
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