経営の健全性・効率性について
総収益で総費用と地方債償還金を賄えているかを表す「収益的収支比率」は100%で収支均衡となりますが、現状は67%であります。要因は、前年度の料金改定により総収入が増となりましたが、建設改良費の増及び、一般会計から繰入している地方償還金の返済額が前年度よりも増えたため、収支比率は、大きく変化はなく前年度と同率程度となりました。今後、浄化センターの改築更新工事による地方償還金の増と維持管理費の増により収支比率は下がることが予想されます。料金収入に対する企業債残高の割合から企業債残高規模を表す「企業債残高対事業規模比率」は、前年度より下がってるものの、類似団体や全国平均との比較では高い水準となっており、今後予定している、改築更新工事により償還金の増により、事業規模比率は、高くなると予想されます。使用料金で回収すべき経費を賄えているかを表す「経費回収率」は、前年度より上がりましたが、要因は料金改定による使用料増によるものであり、年々、人件費、光熱費、薬品等の費用増により汚水処理費の抑制は困難と予想され回収率が低くなるみとが予想されます。有水水量1㎥当たりの汚水処理費用(汚水資本費・汚水維持管理費)を表す「汚水処理原価」は、昨年より5円ほど高くなり、全国平均、類似団体比較でも高い水準で推移しています。これは有収水量の減少と年々汚水処理費が増加していることが要因です。施設の効率性を表す「施設利用率」は、地下水量や観光シーズンでの変動はあるものの、年間の平均値では約50%の稼働率に留まり、全国平均や類似団体より低く、人口減少や節水による有水水量の減少、コロナ禍による観光客の減少が要因と考えられます。また、水質保全の効果や施設の効率性を表す「水洗化率」は、過去5年間と同程度の水準で推移していますが、今後の人口増減が水洗化率に大きく影響されます。不足する地方債償還金を一般会計からの繰入金により補填や、いることや、また令和3年度の建設改良費(道道吹上線の道路改良等)が増加により、前年度比較では同率程度となった状況である。将来の浄化センタ-の改築更新工事を計画しており、料金改定を視野に入れ、収入増を図り料金収入に対する企業債残高の割合から企業債残高規模を表す「企業債残高対事業規模比率」は、前年度より下がってるものの、類似団体や全国平均との比較では高い水準となっています。使用料で回収すべき経費を賄えているかを表す「経費回収率」は、前年度より上がりましたが、全国平均、類似団体と比較して20%程度低い水準となっています。有水水量1㎥当たりの汚水処理費用(汚水資本費・汚水維持管理費)を表す「汚水処理原価」は、昨年より5円ほど高くなり、全国平均、類似団体比較でも高い水準で推移しています。年々汚水処理費が増加していることが原因です。施設の効率性を表す「施設利用率」は、地下水量や観光シーズンでの変動はあるものの、年間の平均値では約50%の稼働率に留まり、全国平均や類似団体より低く、人口減少や節水による有水水量の減少、コロナ禍による観光客の減少が要因と考えられます。水質保全の効果や施設の効率性を表す「水洗化率」は、過去5年間と同程度の水準で推移しています。
老朽化の状況について
現状の管渠施設において、標準耐用年数を経過している汚水管渠は存在しませんが、設置から30年以上が経過し、部分的に劣化が進行している管渠もあることから、日常の点検修理等により適正な維持管理を行うとともにこれから増大する老朽管渠に対しては、経営計画やストックマネジメント計画を基本とした中長期的な視野に立った下水道経営戦略に基づく、計画的な施設の更新と経営基盤の強化を図っていく必要があります。
全体総括
今の経営状態は、維持管理費用の全部と資本費の一部を賄っていますが、これまでの投資による債務残高は高い水準にあり、企業債償還金の一部を一般会計繰入金に依存している財務状況にあることから、経営の健全性・効率性が確保されているとは言えません。また、年々汚水処理費用が増加していることや人口減少等に伴い料金収入の減少が見込まれ、経営状況は悪化しつつあるといえます。施設利用についても水洗化率が高く利用率が低いのは、現状の施設規模が過大であると考えられるため、事業計画の見直し等による経営の効率化を検討する必要があります。これからも施設の老朽化対策等の課題が山積される中、持続可能なサービスを提供するためには、経費回収率100%を基本とした使用料の改定を実施するとともに、収入の増加と経費の抑制を図り、経営の改善を進めていく必要があります。