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地方財政ダッシュボード

奈良県曽爾村の財政状況(2018年度)

🏠曽爾村

地方公営企業の一覧

簡易水道事業


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や少子高齢化に加え、基幹産業であった林業の不振等により財政基盤が弱く、指数は0.13と類似団体平均を下回っている。今後も引き続き、歳入では徴収業務の強化、また歳出では投資的経費の抑制や義務的経費の削減に努めながら、総合計画を中心とした各分野の計画の両立に努め、健全財政を図る。

経常収支比率の分析欄

前年度は高齢者人口の減少が要因で普通交付税が大幅に減少したため、経常収支比率が過去2カ年より大幅に上昇した。児童・園児数の減少及び過去に多額の借入を行った過疎対策事業債が償還完了したので、普通交付税が大幅に減少したため、5.3ポイントの減少となった。今後も引き続き義務的経費の抑制を図り、現在の水準を下回らないよう努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

ふるさと曽爾村元気推進事業(ふるさと納税業務)ポータルサイトへの委託費等の物件費が前年度からの大幅な上昇原因であったが、総務省から返礼品についての通達があり制度の見直しを行った結果、16,800千円余りの減額となり、物件費決算額が158,261千円の減少となった。ふるさと納税業務は寄附金を財源としているが、その他の事業では限られた財源の中、効果的な事業実施に努めるとともに、前年度から若干上昇した人件費では人口動態にあわせた定員管理を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均を1.4ポイント下回り前年度より水準が上昇したが、今後も指数が全国町村平均以下で収まるよう給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

0歳児保育実施による保育士の確保、小学校の複式学級解消に要する村単独教員の採用、まち・ひと・しごと創生総合戦力に基づく地方創生推進事業の実施による職員の確保などの理由で類似団体平均を上回っており、大きく改善することができない状況である。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率については、公債費の償還ピークが過ぎたことにより年々改善してきている。今後も、投資的経費については有利な事業展開と抑制を図ることで公債費残高の減少に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については、公債費の償還ピークが過ぎたこと、財政調整基金を極力取崩さずに財政運営ができているなど健全化が図られている。しかし、今後は小中学校統合事業や村道改良事業に係る借入金の償還が始まることから、事業実施の適正化を図り、公債費の任意繰上償還に努めながら、引き続き財政の健全化を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

保育園の運営を直営で行っていることや嘱託職員の増員等により、類似団体平均より4.3ポイント上回った。子育て支援施策として安価な保育料で運営している保育園を指定管理制度で行うことは困難だが、他の業務に関しては業務内容を精査し、人口規模に応じた職員採用に努めながら、人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

類似団体平均からは下回っているが、気候変動により庁舎光熱水費等が増加し、前年度から若干ではあるが0.2ポイント上昇した。今後も引き続き光熱水費の節約、備品購入費の抑制、消耗品の一元管理の継続及び公用車の削減など経常的経費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

軽費老人ホームの利用者数の増加や障害者施設訓練等利用者の増加により扶助費の割合は上昇した。今後はより一層の保健事業の推進や資格審査等の適正化に努めながら、支出の抑制を図る。

その他の分析欄

特別会計への繰出金が主な内容だが、介護保険事業では主に施設サービス等の増加の影響により繰出金は増加となった。また簡易水道事業については老朽管の布設替工事等の増加に伴い操出金の増加となった。今後も国民健康保険事業では、保険税の適正化や保健事業を推進することで健全化を図り、簡易水道事業では経営戦略計画に基づき、経営の健全化を目指す。

補助費等の分析欄

一部事務組合への負担金は施設老朽化などによる修繕等により増加し、前年度を0.7ポイント上回った。補助金については必要性の低いものは見直しや廃止を行う方向で検討している。

公債費の分析欄

地方債の借入額の減少等により公債費の割合は年々減少してきていたが、公共施設耐震化工事や村道改良事業に係る借入金の償還が始まり、前年度と同水準となった。今後も普通建設事業の内容を精査し地方債の計画的な借入を行い、公債費の縮減に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体平均とほぼ同基準となっているが、上述の各性質別の各グラフからも若干上昇傾向にあることがうかがえる。今後は給水人口の減少等による簡易水道事業への繰り出し、一部事務組合施設の改修費用がこれからの財政運営に負担がかかると懸念しているが、一般財源での支出については厳しく精査していくなど、財政健全化に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり547,494円となっており、前年度と比較すると249,285円減少している。総務費のうち、ふるさと納税業務に要する経費の減少が要因となっている。民生費は、住民一人当たり250,899円となっており前年度と比較すると44,428円増加しているが、主にケアハウス(軽費老人ホーム)施設の長寿命化事業を行ったことが要因となっている。商工費は、住民一人当たり74,421円となっており、前年度と比較すると48,335円増加している。これは、主に観光施設長寿命化を図るため、サンビレッジ曽爾キャンプ場の修繕工事を行ったしたことが大幅な増加となっている。災害復旧費は、大型台風到来により村内各所で激甚災害となり、前年度比較で38,472円の大幅な増加となった。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり1,667,302円となっている。人件費は住民一人当たり291,006円となっており年々増加傾向にある。さらに、平成26年度から比較すると31.3%増加していることから、類似団体平均と比較すると高い水準にある。類似団体平均と比較して職員数が多いこと及び地域おこし協力隊員が14名在籍していたことが主な要因である。物件費は住民一人当たり331,613円となっており前年度比較で22.0%減少しているが、制度改正に伴うふるさと納税寄附金の急激な減収(225,000千円の減少)によりふるさと納税推進委託費が急減したためである。普通建設事業費は住民一人当たり277,710円となっており、新規整備に関しては類似団体平均と比較して一人当たりのコストは低い状況にある。今後、施設改修については平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、事業の取捨選択を徹底していくことで、更なる事業費の削減を目指す。積立金は住民一人当たり148,236円となっており、前年度比較44.7%減少しているが、ふるさと納税による基金積立の減少及び台風などの激甚災害による基金積立の減少が主な要因である。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金残高は、未曽有の自然災害により財源確保が困難となったため、基金の取崩しを行った。実質収支額は、平成29年度以降、複数の公共施設で順次長寿命化事業を行う予定であり、その財源を確保するための剰余金を基金に積み立てたため、前年度と同水準となった。実質単年度収支は、累積した剰余金を活用し、公共施設長寿命化事業に係る後年度財源を確保するための基金積立により赤字となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

連結決算の不安材料は、住宅新築資金等貸付事業特別会計である。この事業にかかる起債償還は令和2年度末に完了するが、貸付金元利収入に多額の滞納があるため歳入確保に努めなければならない。また、直営診療施設については、経営努力するも再度赤字が発生することとなった。今後についても、人件費や高額な医療機器等の購入などの地方債の償還経費が計上的に発生するので、引き続き経営の健全化に努めなければならない。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

起債の任意繰上償還を行ったことで元利償還金が減少し、平成28年度の比率はマイナスとなったが、平成29年度以降、公共施設耐震化工事や村道改良事業に係る借入金の償還が始まったため前年度と比較すると上昇した。今後も、任意繰上償還及び投資的経費の抑制により財政健全化を図る。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

地方債残高は前年度より若干の減額となったが、その他の将来負担額の減少、また充当可能基金の増額により、将来負担比率の見通しは前年度と比較してより良好なものとなった。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)・公共施設の経年劣化による長寿命化事業、小中一貫教育による中学校改修事業による財源に充てるため2億1,600万円積み立てた一方、自然災害による財源確保のため「財政調整基金」を7,400万円取り崩したこと、義務教育施設整備事業債の任意繰上償還のため「減債基金」を8,300万円取り崩したこと等により、基金全体としては5,200万円の減額となった。(今後の方針)・短期的には小中一貫教育に伴う「財政調整基金」と「減債基金」への取崩しにより基金全体額が減額しており、また複数の公共施設について長寿命化事業を実施しなければならないこと、制度改正によるふるさと納税寄附金額の大幅な減収が見込まれることなどから、中長期的には減額していくものと思われる。

財政調整基金

(増減理由)・自然災害に伴う一般財源確保により、7,400万円の基金取り崩しの実施・預金利子の積立(今後の方針)・現在は8億円以上の基金を保有しているが、今後の地方交付税の減額や大規模災害への備え、公共施設大規模改修の財源を確保するためのものである。今後は現状残高を維持し、取り崩しを行い残高が減少する以外は、利子積立金を除き新たな積立を行う予定はない。

減債基金

(増減理由)・平成30年度に行った任意繰上償還の財源として8,300万円取り崩したことにより減少(今後の方針)・過去の高利率の起債については定時償還の完了、借換えや任意繰上償還の実施により概ね返済し終えたが、今後は実質公債費比率等財政状況を分析しながら、財政健全化を図るため、必要に応じて基金に積み立て任意繰上償還を行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の整備等の推進・ふるさと創生事業基金:産業等を活かした独創的な村づくり事業の創設・ふるさと曽爾村元気推進基金:自然環境・景観の保護、伝統文化の伝承、産業振興、若者定住の促進、住民福祉の向上を推進・地域振興基金:福祉活動の促進及び快適な生活環境の形成・学校校舎改修基金:村立学校校舎の改修(増減理由)・公共施設整備基金:平成30年度に実施した公共施設長寿命化事業の財源として9,100万円積取り崩したことにより減少・ふるさと曽爾村元気推進基金:ふるさと納税寄附金を活用し、6,900万円積み立てたことにより増加・地域振興基金:高齢者等福祉タクシー助成事業、高齢者等緊急通報装置設置事業の財源として200万円取り崩したことにより減少(今後の方針)・公共施設整備基金:平成29年度以降に実施予定の公共施設長寿命化事業及び小中学校統合事業後の小学校施設改修利用の財源として毎年5,000万円程度積立予定・ふるさと曽爾村元気推進基金:曽爾高原の保全管理、曽爾の獅子舞の伝承、若者の定住促進、防災備備品の購入等の財源として、ふるさと納税寄附金額に応じて毎年積立予定・学校校舎改修基金:平成31年度に予定されている小中学校統合事業で中学校改修工事等に必要となる財源として、平成31年度に全額取り崩し予定

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成30決算において、全国平均より17.5%、県平均より22.6%、類似団体平均より15.9%下回る割合となっている。類似団体平均値との経年比較をしてみても、15%超下回る割合となっている。全ての区分において、また継続して平均値を下回っていることから、老朽化に対する投資を比較的行えているといえる。

債務償還比率の分析欄

類似団体平均に比べて5割強、全国平均に比べて2割強、県平均に至っては2割弱の比率となった。or全国平均より486.9%、県平均より753.4%、類似団体平均より127.4%下回る割合となっている。参考指標ではあるものの、全ての区分においてまた継続して平均を大きく下回る結果となっていることから、行政運営は比較的健全であるといえる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率がマイナスとなるため、特記事項なし。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率がマイナスとなるため、特記事項なし。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】について、大規模な改修を数年に一度行っている為、有形固定資産減価償却率は平均を大きく下回る結果となっている。【橋梁・トンネル】について、当村では、橋梁の長寿命化計画に取り組んでおり、計画に沿った工事を継続的に実施している結果有形固定資産減価償却率は平均を大きく下回っている。【公営住宅】について、若者定住促進住宅等公共施設に対しての資本的支出を行っているが、継続的な投資は行えていない為、減価償却率は平均を大きく上回る結果となっている。【認定こども園・幼稚園・保育所】について、村内唯一の曽爾村立曽爾保育園が老朽化を迎えた結果となっている。【学校施設】について、曽爾村立曽爾中学校と曽爾小学校が該当し、両建物とも、比較的新しい建物であるため有形固定資産減価償却率は平均を大きく下回っている。【児童館】について、村内唯一の曽爾村児童館が老朽化を迎えた結果となっている。【公民館】について、村内の公民館、集落センター、集会所が該当し、耐用年数を超えても稼働し続けている資産が多く見受けられるため、有形固定資産減価償却率は平均を大きく上回っている。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【体育館・プール】について、曽爾村B&G海洋センターや旧下曽爾村小学校体育館への定期的な資本的支出、修繕、また耐震改修工事を行うことで有形固定資産減価償却率が平均を下回る結果となっている。【福祉施設】について、建物の償却は終わっていないものが多数あるが、建物付属設備においては、耐用年数をこえても稼働しているものが多数あるため、平均を上回る結果となった。【消防施設】について、平成29年度に防災資機材等備蓄施設を新規で取得したため、大きく減価償却率を減らす結果となり、類似団体と比較しても同等のものとなった。【庁舎】について、役場庁舎が該当する。庁舎が耐用年数を迎えているため、この結果となった。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等において固定資産の総額は12,804百万円となっており、総資産のうちの92.6%をしめる。そのうち事業用資産は2,841百万円でインフラ資産は8,500百万円となっており、インフラ資産は有形固定資産のうちの75%を占める。他団体に比べて、有形固定資産におけるインフラ資産の割合が高い理由として、道路として計上した資産がインフラ資産のほとんどを占めており、人口に対しての管理する面積が大きいといった理由があげられる。・一般会計等においては、資産総額が前年度末から194百万円の減少(-1.4%)となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が82.1%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。・全体会計において固定資産の総額は15,504百万円となっており、一般会計等と比較すると2,700百万の増加となる。総資産のうち93.3%が固定資産となる。全体会計の中には簡易水道事業特別会計や介護保険特別会計、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計といった今後インフラ需要が増大する可能性がある会計が含まれる。奈良県広域消防組合や、奈良県後期高齢者医療広域連合を加えた連結では、全体会計と比較するとインフラ資産の増減はないが、固定資産全体でみると420百万円の増加となった。また流動資産では232百万円の増加となっており、これは現金預金が150百万円増加することが大きな要因である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては、経常費用は1,888百万円であった。経常費用のうち業務費用1,343百万円は、職員給与費273百万円、物件費518百万円、減価償却費369百万円が大きな割合を占めている。また、移転費用は、補助金等336百万円、社会保障給付74百万円が大きな割合を占めている。物件費は減価償却費や公共施設の修繕といった固定資産に関する費用が大きくなっている。公共施設については、今後、個別施設計画を策定し、統廃合または長寿命化を進めていく必要がある。・全体会計においては、経常費用は2,559百万円経常収益は172百万円であった。業務費用1,655百万円のうち物件費等費用が1,143百万円あり、大部分を占めている。また移転費用が904百万円あり、そのうちの827百万円が補助金等による費用となっている。補助金の増加は国民健康保険特別会計や介護保険特別会計に起因しているものがあり、高齢化に伴い年々増加すると考えられる。・連結会計では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が575百万円多くなっている一方、人件費が362百万円多くなっており、物件費等でも558百万円増加しており、その結果純行政コストは790百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等においては、税収等の財源(1,891百万円)が純行政コスト(1,809百万円)を上回ったことから、本年度差額は82百万円となり、純資産残高は11,194百万円となった。全体会計においては、税収等の財源(2,377百万円)が純行政コスト(2,370百万円)を上回ったことから、本年度差額は6百万円となり、本年度末純資産残高は13,340百万円となった。・連結会計においては、税収等の財源(2,632百万円)が純行政コスト(2,654百万円)を下回ったことから、本年度差額は▲23百万円となり、本年度末純資産残高は13,778百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支は192百万円となっているが、投資活動収支は104百万円となっている。これは昨年度に比べて道路工事などの資産に該当する工事が多かったことによる影響が大きい。財務活動収支については、地方債償還支出が304百万円に対し地方債発行収入が223百万円だったことから▲82百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から7百万円増加し、164百万円となった。しかし、行政活動に必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であり、行財政改革を更に推進する必要がある。・全体会計において業務費用支出が1,171百万円、移転費用支出が904百万円となっており、業務支出は2,075百万円となっている。補助金等支出が827百万円あり、業務支出の中でも大きくなっているため、今後補助金支出に伴う支出の財源の確保に努める。・連結会計では全体会計と比較すると業務収入が718百万円増加した一方で、業務支出が730百万円増加した結果、業務活動収支は全体会計と比較すると13百万円の減少となった。奈良県後期高齢者医療広域連合と連結したことにより社会保障給付支出が293百万円増加した。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・一人あたりの資産額については、他団体と比較すると高い水準を維持している。今後資産の更新に際し需要額が他団体より多くなるので、適切な資産量を保持しているか再考する必要がある。有形固定資産減価償却率について、類似団体と比較すると低い水準となっている。しかし、中には減価償却率100%となっている資産も多数存在するので、当該資産を更新する必要がある。・資産が多い要因として、インフラ資産の道路工作物があげられる。・歳入額対資産比率について、平成30年度は類似団体平均値を下回る結果となった。ただし、今後資産の更新にむけてさらなる財源の確保が必要となってくる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

資産と負債の比率について、類似他団体とほぼ同値となっている。曽爾村においてはインフラ資産が有形固定資産中の約8割を占めているので、今後インフラ資産の維持を考えると負債を圧縮しながらも資産への投資を継続していかなければならない。・純資産比率により、平均値と同じ値となっていることから、過去世代と将来世代の負担割合は正常な値と言える。・将来世代負担比率により、平均値を下回ったことから、将来償還が必要な負債による調達割合は少なくすんでいると言える。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たり行政コストは類似団体を上回った結果となった。前年度に比べ減少しているが、前年度はふるさと納税による委託業務の費用が行政コストを増加させる要因となっており、行政コスト増加に伴って税収も増加していた。しかしH30年度は財源である税収が減少している。今後予測される社会保障給付の増加に伴い、費用増加の歯止め、さらには財源の確保を課題とする。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っている。地方債による負債が大部分を占めているので、今後は発行収入が償還支出を上回らないように注意して、負債の減少に努める。・基礎的財政収支は類似団体平均を大きく上回る結果となった。臨時の国庫補助金収入が74百万円あったことが大きな要因としてあげられる。・投資活動収支において公共施設等整備費支出が173百万円あり、その投資に対する補助金収入が161百万円となった。そのため11百万円の赤字となった。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

・H30年度はH29年度と比較して委託料が減少したため、0.9ポイント増加する結果となった。受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は、少ないと言える。昨今の公共施設等の修繕費用の増大や、利用者ニーズの変化に対応するため、今後は使用料の見直しを行うとともに、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,