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前年度と同ポイントの0.61だが,人口減少や景気低迷による個人・法人税収の減少や合併による影響など要因により,類似団体平均を下回っている。今後とも持続可能な財政基盤を確立するため,市税以外において低利用市有地の売却や有効活用等により歳入確保に努めるほか,徹底した事務事業の見直し等により歳出の抑制を図るなど,不断の行財政改革に取組み財政の健全化に努める。
前年度と比較して1.9ポイント増の98.0%であるが,これは,歳出において,人件費が減少したものの,公債費,繰出金,物件費等の増加により,経常充当財源が前年度より1.7億円増加したこと,また,歳入において,臨時財政対策債,市税等の減少により経常一般財源が前年度より9.4億円減少したことなどによるものである。依然として類似団体平均を上回っている状況であり,今後とも行財政改革の着実な実践による経常経費の抑制に努め,財政構造の弾力性の確保に努める。
前年度と比較して2,102円増の126,127円で,類似団体平均を上回っている。これは,職員数の削減を進めたことに伴い,人件費が減少したものの,前年度の災害復旧事業の進捗に伴い,災害復旧優先で抑制していた道路等の維持補修費等が増加したことが主な要因となっている。今後も,行政運営の効率化を進めるとともに,職員人件費をはじめとするコストの縮減に努める。
令和2年4月1日現在のラスパイレス指数は,前年から0.1ポイント減少し99.2となり,類似団体の平均を下回っている。今後も引き続き,指数の変動を注視しつつ,より適正な給与制度の確立に努めていく。
人口千人当たりの職員数は7.06人で,類似団体平均値を上回っている。これは,港湾管理者の事務を担っていることなどが主な要因である。平成30年3月に,令和5年度当初の総職員数(上下水道局を除く)を1,600人体制(平成30年度比較-141人)とする「第2次呉市職員体制再構築計画」を策定し,この着実な実現のため,事務事業等の見直しやアウトソーシングなどの事務の効率化に取り組んでいるところである。今後も引き続き,職員数の適正化に向けた取組を進めていく。
前年度と比較して1.2ポイント減の9.3%となっているが,過去に借り入れた地方債の償還金が高額であるため,依然として類似団体平均を上回っている。今後とも,投資的事業について,後年度の財政負担を考慮し,財政措置の高い有利な地方債を活用するなど計画的な実施に努める。
投資的事業の計画的執行により,地方債の残高や債務負担行為に基づく支出予定額が減少していること,平成30年豪雨災害により借り入れた起債に係る交付税算入分が基準財政需要額に見込まれたことで,将来負担額の控除財源が増加したことなどにより,前年度に比べ12.2ポイント減少し74.4%となった。依然として,類似団体平均を大きく上回っている状況であり,引続き行財政改革を進めることで,財政の健全化に努める。
職員体制再構築計画等に基づく職員数の適正化などにより,職員給,退職手当ともに減少し,人件費決算額が前年度より減少したことなどにより,経常収支比率における人件費は,前年度と比較して0.7ポイント減の27.7%となっている。類似団体平均を上回っている状況だが,引き続き職員体制再構築計画をはじめとした各種計画による定員の適正化に努め,人件費の縮減に努める。
経常収支比率における物件費は,指定管理施設の増等に伴う施設の管理経費の増加などにより,前年度と比較して0.5ポイント増の13.3%となったが,類似団体平均を下回っている。今後も指定管理者制度や民間活用を推進するほか,公共施設等について合理的かつ効率的な資産経営を推進し,管理経費等の物件費の抑制に努める。
生活保護費等が減少したものの,幼児教育・保育の無償化に伴う子ども・子育て支援給付金給付や児童扶養手当等の増加により,経常収支比率における扶助費は,前年度と比較して0.3ポイント増の13.3%となっている。生活保護費の減少傾向は続いているものの,少子高齢化の進展などにより扶助費は増加傾向にあると見込まれることから,引き続き健全な財政運営に努める。
経常収支比率におけるその他の経費は,公営事業等への繰出金や平成30年7月豪雨災害の影響により抑えていた維持補修が増加したことなどにより,前年度と比較して0.8ポイント増の14.9%となり,類似団体平均を上回っている。今後も施設の老朽化などにより維持補修費は増加することが見込まれることから,行財政改革の着実な実践による経費の抑制に努める。
経常収支比率における補助費等は,下水道事業の経営安定化を図るための補助金の増等により,前年度と比較して0.2ポイント増の5.3%となったが,類似団体平均を下回っている。引き続き補助費等の適正な執行に努めると同時に事業効果の検証や実施手法の見直しを進めることで経費の抑制に努める。
経常収支比率における公債費は,前年度と比較して0.8ポイント増の23.5%となっている。これは,大型事業で借り入れた地方債の償還が始まったことや,合併に伴う地方債の承継等により元利償還金の歳出に占める割合が大きいことが原因と考えられる。今後とも建設地方債の計画的な活用により残高の縮減を図るとともに,財政措置の高い有利な地方債の活用を図っていく。
前年度と比較して1.1ポイント増の74.5%であるが,類似団体平均を下回っている。引き続き,行財政改革の着実な実践により,類似団体平均を上回る水準となっている人件費の縮減をはじめ,行政運営の効率化を推進することで,財政構造の弾力性を確保していく。
(増減理由)財政調整基金については,当初予算額の10億円を,減債基金については,当初予算額の3.5億円を平成30年7月豪雨災害等へ対応するため取り崩したものの,決算剰余金の一部を財政調整基金については15.7億円を,減債基金については,決算剰余金の一部2億円を積み立てたため,基金全体としては4億円の増加となった。(今後の方針)財政調整基金及び減債基金については,一定規模の災害が発生しても対応できるよう基金残高を増やしていくほか,地域振興基金の今後の活用方法についても検討を行っていく。
(増減理由)平成30年7月豪雨災害等へ対応するため10億円取り崩したものの,決算剰余金の一部を地方財政法第7条に規定する額に,今後の復旧・復興事業にそなえるための額を上乗せした15.7億円を積み立てたことによる増加(今後の方針)行財政改革に取り組むなど決算剰余金の確保に努め,一定規模の災害や不測の支出が必要な状況にあっても対応できる残高の確保に取り組む。
(増減理由)復旧事業で借り入れた地方債の今後の償還分として,決算剰余金の一部2億円を積み立てたものの,決算収支を整えるため3.5億円取り崩したことによる減少(今後の方針)行財政改革に取り組むとともに,執行段階において創意工夫を行い,決算剰余金の確保に努めることで残高の確保に取り組む。
(基金の使途)地域振興基金:呉市民の連帯の強化と地域振興のための事業の費用に充てるため公園墓地管理運営基金:呉市公園墓地の管理運営に要する費用に充てるため(増減理由)地域下水道基金:地域下水道事業会計の決算剰余金の一部を積み立てたことによる増加博物館推進基金:海事歴史科学館の活動費や資料収集等の費用を取り崩したことによる減少(今後の方針)地域振興基金:原資である合併特例債が令和2年度末をもって終了するため,今後の活用について検討していく。
有形固定資産減価償却率については,類似団体平均値を若干下回っているものの,5割以上を償却している。老朽化に伴う更新等が間近に控えているため,長寿命化計画などに基づき,計画的更新等に努めていく。
分母となる経常一般財源は,交付税,市税の減により減少し,経常経費充当額が横ばいの推移を見込んでいる。分子の将来負担額は,債務負担行為に基づく支出予定額の減,職員数の減少に伴う退職手当負担見込額の減,合特債,臨財債の償還が進むことなどにより,分母と比較し,大きく減少する。これらのことから,債務償還比率については,類似団体内平均値を上回っているが,減少していくと見込む。
有形固定資産減価償却率は類似団体内平均と比較し高い水準で推移しているが減少傾向である。将来負担比率は類似団体内平均と比較し高い水準で推移しているが,職員数の減少に伴う退職手当負担見込額の減等により将来負担額は減少している。引き続き,長寿命化計画などに基づき,計画的更新等に努めることで,有形固定資産減価償却率の改善に努めるとともに,市債の抑制,有利な条件の市債の活用等により将来負担比率の改善を図る。
将来負担比率及び実質公債費比率については,類似団体と比較して高い状況にあるものの,投資的事業の計画的執行により毎年の地方債の新規発行額を抑制するとともに,低利による資金調達や交付税措置の高い地方債の活用を図ったことにより,減少傾向となっている。両指標とも,債務負担行為に基づく支出予定額や退職手当負担見込額の減少が見込まれるため低下していくものと見込んでいるが,今後とも建設地方債の発行抑制基調を堅持しながら,これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく。
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