呉市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

「①経常収支比率，②累積欠損金比率，⑤経費回収率」①，⑤は，令和２年度の使用料改定の効果により大きく改善しました。黒字を示す100％を常に超えており，累積欠損金の発生もないため，健全経営を維持しています。「③流動比率」流動比率が100%を下回っていますが，使用料改定による増収のため改善しました。「④企業債残高対事業規模比率，⑥汚水処理原価」平成29年度の総務省による分流式下水道等に要する経費に係る繰出金の算定式の統一化の影響によりそれぞれ数値が悪化しましたが，その後は横ばいとなっています。年々有収水量の減少等により悪化していくことが予想されますので，引き続き財政収支計画を着実に実施します。「⑦施設利用率」施設能力は一定ですが，晴天時汚水処理水量の増により，近年は増加傾向となっています。「⑧水洗化率」類似団体平均値と比べて高い水準となっており，水洗化率向上の取組が功を奏しています。海まで張り出した山塊によって分断された地域ごとに下水処理場が必要な本市の特性により，特に汚水処理原価が類似団体と比較し高くなっています。

老朽化の状況について

「①有形固定資産減価償却率」昭和37年の供用開始から59年が経過していることから，類似団体平均値と比べ数値が高く，老朽化が進んでいることを示しています。「②管渠老朽化率，③管渠改善率」現在は，施設のライフサイクルコストを勘案した更新又は改築による延命化を進めていますが，昭和40年代に，普及に重点をおいて整備した管渠が更新時期を迎え，②管渠老朽化率は悪化しました。更新には，長い年月と多額の費用が必要となることから，中長期的な収支バランスを保ちながら，適切な維持管理や改築更新による適正な資産管理に努めます。

全体総括

本市では平成30年度まで，中長期的な視点に立って策定した，呉市上下水道ビジョン及び前期経営計画に基づき事業を推進してきました。令和元年度に前期経営計画の成果目標の達成状況を把握する等分析を行い，計画期間を令和２年度から令和５年度までの４年間とする後期経営計画を策定しました。また，財政推計では，令和２年度から令和５年度までの４年間の総額で資金不足が見込まれるため，令和２年４月に使用料改定を行いました。