経営の状況について
平成27年度の水力発電事業の民間譲渡により、当庁電気事業はごみ固形燃料発電所1か所の経営となった。なお、民間譲渡後に行っていた水力発電事業の残務整理は、平成28年度で概ね終了した。ごみ固形燃料発電所は、当初計画では平成28年度で発電を終了する計画であったが、関係市町と県で構成する運営協議会の決定で平成32年度まで延長することとなった。発電所の建設と平成28年度までの維持管理を一括して契約していたが、平成28年度に、平成29から32年度までの4年間の施設の運転管理業務委託及び単年度ごとの点検・整備業務委託を契約した。施設の稼働から15年が経過していることから老朽化による維持修繕費用が増加している。①経常収支比率②営業収支比率は、それぞれ①67.9%②65.5%と下回っており、収益性は低下(悪化)している。③流動比率は、他会計への貸付金の回収による現金預金の増加により、3,895.0%と支払い能力は確保されている。④供給原価は、49,131.4円と平均値を上回っているが、元々火力発電は供給原価が高く、また安全性を確保する必要から、供給原価の増加はやむを得ないと考える。⑤EBITDAは、収益性の低下に伴い前年度に比べ低下している。
経営のリスクについて
①設備利用率は、所有する発電設備が1か所となった平成27年度からは、59.5%、59.6%、60.5%と安定しており、効率的な発電運用を行っていることから、これ以上の上昇は見込めないものと考えている。②修繕費比率は、分析欄「1.経営の状況について」のとおり、点検・整備業務委託費用が増加している。③企業債残高対料金収入比率は、全て償還を終えているため、指標はゼロとなっている。④有形固定資産減価償却率は67.2%と増加しており、減価償却は進んでいる。⑤FIT収入割合は、100%から58.1%と減少しているが、これは平成29年度よりFIT収入割合の条件が変更となったことで変動している。FIT調達期間内に事業終了となるため、調達期間終了によるリスクはない。
全体総括
平成30年7月19日に開催された運営協議会総会決議に基づき、製造団体は平成31年9月を軸に三重ごみ固形燃料発電所へのRDFの搬入を終了し、新たなごみ処理体制に移行し、ごみ固形燃料発電所の発電を終了することとなった。平成29年度より維持管理費用が大幅に増加したことから、発電終了まで引き続き効率的な発電運用を行うことで電気料金収入の向上を図り、また、安全性を確保しつつ安定的な経営に努めたい。