経営の状況について
・平成27年4月に水力発電事業を民間譲渡したことから、電気事業としてごみ発電(RDF焼却・発電)事業単独となった。しかし、水力発電事業の民間譲渡後も水力残務整理費用を必要とした。このことから、経常収支比率は104.6%と100%を上回っているが、営業収支比率は97.5%と100%を下回った。ただし、ごみ発電事業単独では、経常収支比率123.8%、営業収支比率116.5%と100%を上回っており、収益性は確保されている。・流動比率については、平成27年度の水力発電事業の譲渡金収入による現金預金の増加に加え、平成28年度には流動負債が減少したため、3,724.5%と大きく増加しており、支払い能力は高いと考えられる。・供給原価については、水力残務整理費用が減少したため、前年度より減少しているが、28,661.5円と平均値を上回っている。しかし、安全性の確保も必要なことから、供給原価が高額になることは致し方ないと考えている。・EBITDAについては、平成26年度は会計基準見直しによる引当金計上に伴う純利益の減少であり、平成27年度は水力発電事業の譲渡金収入による純利益の増加である。平成28年度は純利益が減少した影響により数値も減少している。
経営のリスクについて
(ごみ発電)・設備利用率は、昨年度とほぼ同じ数値で安定しており、効率的なごみ発電(RDF焼却・発電)運用を行っていることから、これ以上の上昇は見込めないものと考えている。・修繕費比率は、修繕計画により効果的な修繕を行ったことで減少している。・企業債残高対料金収入比率は、平成27年度で全て償還したため、指標はゼロとなっている。・有形固定資産減価償却率については、平成26年度の会計基準見直しによるみなし償却廃止により全償却となったため増加している。また、平成32年度に事業終了予定であるため、設備の更新は計画していないことから、本数値は償却が進んでいることを示すものである。・FIT収入割合は100%であるが、FIT認定期間内に事業終了予定であるため、調達期間終了によるリスクは考えていない。ただし、売電料金単価の下落によるFIT認定単価からの上積み額が減少しており売電料金収入の減少が見込まれている。
全体総括
・ごみ発電(RDF焼却・発電)事業は平成32年度末をもって事業終了予定である。平成29年度以降の維持管理費用の大幅な増加及び売電料金単価の値下がりによる売電料金収入の減少も見込まれていることから、より効率的な発電運用を行うことで売電料金収入の向上を図るなど、安全性を確保しつつ健全な経営に努めたい。