経営の状況について
・本県の電気事業については、平成27年4月1日付けで水力発電事業を民間譲渡したことにより、ごみ発電(RDF焼却・発電)事業単独となったが水力発電事業の民間譲渡後も残務整理費用を必要とした。このため、電気事業全体では経常収支比率・営業収支比率はともに100%を下回ったが、ごみ発電単独でみると経常収支比率119.3%、営業収支比率113.9%と100%を上回っており収益性は確保されている。・流動比率は水力発電事業の譲渡金による現金預金の増加により、1,954.9%と支払い能力は高いと考えられる。・供給原価については、38,564.8円と前年度値から大きく増加している。これはごみ発電事業の供給原価が水力発電に比べ高いこと、また安全性を確保する必要があることから、供給原価の増加はやむを得ないと考えられる。・EBITDAについては、平成23年度から増加傾向にあったが、平成26年度に極端に減少している。これは会計基準の見直しによる退職給付引当金等の計上に伴う純利益の減少によるものである。
経営のリスクについて
(ごみ発電)・設備利用率は60%で推移しており、効率的なごみ発電(RDF焼却・発電)運用を行っているため、これ以上の大きな増加は見込めないものと考える。・修繕費比率は、平成27年度に増加しているが、調達に期間を要する交換用部品を予め購入したことによるものであり平成28年度からは例年通りの額を予定している。・企業債残高対料金収入比率は、平成27年度で全て償還したため指標はゼロとなっている。・有形固定資産減価償却率については、平成26年度の会計基準見直しにより、みなし償却を廃止し全償却としたため増加している。なお、ごみ発電は平成32年度をもって事業終了予定であるため、設備の更新は計画していない。このことから平成27年度の数値は償却が進んでいることを示すものである。・FIT収入割合については、水力発電事業の民間譲渡により、ごみ発電事業単独となったため、100%となった。なお、ごみ発電事業についても、FIT認定期間中に事業終了予定であるため、調達期間終了によるリスクは考えていないが、売電料金単価の下落によりFIT認定単価からの上積み額が減少しており売電収入の減少が見込まれている。※経営のリスク中ごみ発電の「修繕費比率」・「企業債残高対料金収入比率」は「0.0」及び「-」標記となっているが、これは平成26年度までは、ごみ発電は水力発電の附帯事業として整理されているためである。
全体総括
・ごみ発電(RDF焼却・発電)事業は平成32年度末をもって事業終了予定であるが、平成29年度以降の維持管理費用の大幅な増加及び売電単価の値下がりに伴う売電収入の減少も見込まれていることから、より効率的な発電運用を行うことで売電収入の向上を図るなど、安全性を確保しつつ健全な経営に努めたい。