経営の健全性・効率性について
【①収益的収支比率】令和2年度は公営企業会計移行に伴う費用が発生したため、前年度より比率が減少している。また、比率は100%を下回っているため、使用料の見直しを行う等、経営改善の取り組みが必要である。【④企業債残高対事業規模比率】地方債償還に要する資金の全額が一般会計繰出基準額となることから、一般会計から繰出しを受けたため、比率が0%となっている。今後は施設の老朽化による更新を実施することにより、企業債の増加が見込まれるため、使用料の見直しを行う等、経営改善の取り組みが必要である。【⑤経費回収率】平均値と比較し高い値となっている。ただし、比率は100%を下回っており、一般会計からの繰入金で賄っているため、使用料の見直しを行う等、経営改善の取り組みが必要である。【⑥汚水処理原価】平均値と比較して低い値となっている。ただし、今後は、人口減少及び施設の老朽化により汚水処理原価の増加が見込まれるため、使用料の見直しを行う等、経営改善の取り組みが必要である。【⑦施設使用率】観光客の流動人口を考慮した施設となっているため、平均値と比較し低い値となっている。今後、施設の更新時に人口減少を考慮したダウンサイジング等の検討が必要である。【⑧水栓化率】約99%で推移しているため特に問題はない。
老朽化の状況について
【子浦漁業集落排水施設】平成8年4月に供用開始した。平成25年度に機能保全計画を策定し、平成28年度から令和元年度の4年間で改築更新を実施し、施設の長寿命化を図った。【中木漁業集落排水施設】平成14年4月に供用開始した。令和元年度に機能保全計画を策定し、令和3年度から令和6年度までの4年間で改築更新を実施し、施設の長寿命化を図る。【妻良漁業集落排水施設】平成21年度に供用開始した。令和元年度に機能保全計画を策定し、令和3年度から令和6年度までの4年間で改築更新を実施し、施設の長寿命化を図る。【入間漁業集落排水施設】昭和62年12月に供用開始し、平成13年度に処理場の改築更新を実施している。今後は、令和2年度より施設の接続者に浄化槽を設置するための補助金を交付し、完了後に施設を廃止し、改築更新及び維持管理費の削減を図る。
全体総括
当町の漁業集落排水施設は、地区が点在し、地勢的に処理場の統合は不可能である。また、各地区とも、高齢化、人口減少及び観光客の減少が進んでおり使用料収入は減少している。施設の維持管理については、各地区と指定管理の協定書を締結しており、必要最低限の費用で運営しているが、接続者の減少及び施設の老朽化により年々厳しい経営状況となっている。今後は、令和5年4月より公営企業会計に移行し、経営の見える化により、効率的・効果的に経営改善を図る必要がある。また、企業会計移行後は、汚水処理全体の平等性及び決算状況を反映させた中で使用料の見直しを行う等、経営改善の取り組みが必要である。