経営の健全性・効率性について
令和2年4月1日に公営企業会計適用を行い、最初の決算である。経常収支比率及び経費回収率は100%を超えているが、まだまだ一般会計からの繰入金に依存している状況であることから、健全性を確保する上では水洗化率の向上による収益の確保や、費用の削減が必要となっている。水洗化率は全国平均を上回っているが、今後は戸別訪問を実施するなど水洗化率の向上を目指していく必要がある。企業債残高対事業規模比率は、施設・管きょの整備がほぼ終了しているため減少傾向にあるが、今後は施設や管きょの更新時期に入り、経営状態の悪化が予想される。施設利用率は類似団体を上回っているが、今後の人口減少により低下が予想される。なお、利用率の算定にあたっては、晴天時の水量を基準に算定されているが、富山県は、年間雨日数が全国上位と多くなっていることや冬季は多くの降雪があることから、平均に比べ低くなる傾向にある。
老朽化の状況について
法適化後初の決算のため、減価償却率は低い状況であるが、平成9年に供用開始し、管渠は耐用年数が50年であるため、現在のところ老朽管更新は行っていない。現在、計画的な修繕・改築を行うため、ストックマネジメント計画に基いた点検・調査に取り組んでいる。
全体総括
使用料収入については、令和2年度は新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要の増加などにより微増となったが、人口減少や高齢化の影響により、使用料収入の減少傾向が現れている。施設の老朽化による修繕や機械更新も増加傾向にあり、将来的には管渠更新も必要となる。今後は加速的な人口減少が見込まれるため、安定的な経営を目指し、長期的な経営計画の見直しが必要となる。このため、令和2年度から公営企業会計の適用により、経営状況や財政状態を把握し、適正な料金水準への引き上げの検討等を行うなど、一般会計からの繰入金に依存する体質からの脱却を進める。経営戦略については、平成29年3月に策定済みである。