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地方財政ダッシュボード

高知県土佐清水市の財政状況(2017年度)

🏠土佐清水市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 電気事業


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

市制施行時には3万人いた人口は、平成30.3.31現在13,844人、また全国平均を上回る高齢化率(平成30年3月末46.9%)と過疎・少子高齢化に歯止めがかからず、基幹産業である観光業・農林水産業の低迷、一次産業の後継者不足に加え、雇用場所の確保も困難な状況であり、税収が乏しいゆえに類似団体平均を大きく下回る値となっている。今後も引き続き、税及び税外収入を含めた債権徴収の強化や、国、県の雇用対策を積極的に取り入れた地域産業の活性化に努め、財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

人件費及び公債費の比率が依然として高く、類似団体平均を1.3ポイント上回っている。対前年度比では扶助費が0.3ポイント、人件費が0.8ポイント悪化したが、物件費が0.3ポイント、公債費が1.4ポイント改善し、経常収支比率は0.2ポイント改善した状況である。今後も住民・行政サービスを確保しつつ、施設統廃合・民営化を含めた事務事業の見直し等、行財政改革を推進し経常経費の削減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体を大きく上回っている要因は、地域が縦横に長く行政区が広範囲に点在しており、保育所5園、小学校7校及び中学校1校を設置し運営費が多額であるため。行政改革により統廃合を図ってきたが、統合後のスクールバス運行等にかかる経費が財政を圧迫していることや消防署及びし尿処理施設、火葬場などが複数市町村による広域設置ではなく単独であることも要因として挙げられる。今後も住民・行政サービスを確保しつつ、施設統廃合・民営化を含めた事務事業の見直し、効率化に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

人勧に沿った給与改定、また休日勤務手当の適正化、特殊勤務手当の廃止など手当の見直しなどにより類似団体平均とほぼ同水準で推移し昨年度に続き平成29年度も100を下回った。今後については、他団体の動向を含め、県内の日帰り日当の廃止、宿泊日当の実費精算化、給与カットの検討を行い、その他各種手当の総点検を行うなど、より一層給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均を大きく上回っている要因として、市内に私立幼稚園が1園あるものの公立保育園5園を市営で運営していること、また消防署も複数の市町村による広域設置ではなく、単独で運営していることなどが挙げられる。集中改革プランにより定員管理の適正化に向け、職員削減を実施してきたが、今後も住民・行政サービスを確保しつつ、施設統廃合・民営化を含めた事務事業の見直し、効率化に努める。

実質公債費比率の分析欄

清水中学校建設に係る過疎対策事業債の償還が始まったことなどにより実質公債費比率は18.9%と18.0%を超えることとなった。今後も防災関連事業に伴う起債元金の償還が始まることから、比率上昇を抑制することは難しく、今まで以上に厳しい財政運営が続くことが予想されるが、公債費負担適正化計画に基づく歳出の抑制、歳入増の取り組みの他、繰上償還についても検討しながら、できるだけ早期に18.0%を下回るよう財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

学校給食施設整備事業にかかる借入などにより、地方債現在高も対前年度比4億4,399万4,000円の160億2,099万5,000円となった一方で、財政調整基金繰入金が対前年度比1億4,260万4,000円増であったことなどにより充当可能基金が対前年度比2億1,174万5,000円減となる20億8,657万円となったことから将来負担比率は対前年度比0.4ポイント増となった。依然として、類似団体を大きく上回る状況にあり、今後も、これまでの起債依存型事業の見直しや新発債の抑制、交付税措置の高い起債事業の優先など中長期を見据えた財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

人件費が高水準にあるのは、市内保育所の全てが公立であること、また、消防署も広域設置ではなく単独運営していることにより、類似団体に比べ職員数が多いことに起因する。平成28年度退職者15名に対して平成29年度新規採用者が7名となり、人件費の抑制を図ったが、全体区分の中では減とならず、経常収支比率は0.8ポイント増となった。今後も公共施設の統廃合・民営化、組織機構の見直しなどにより人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

消耗品費や備品購入費の抑制に努めたことなどにより対前年度比2,487万6,000円の減額となり、0.3ポイント改善された。今後も、補助事業や有利な起債を活用した事業、事務を実施し、物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

社会福祉費は対前年度比1,509万2,000円増となる9,951万3,000円、老人福祉費は対前年度比929万1,000円増となる2,523万3,000円、扶助費全体では対前年度比1,186万5,000円増となり0.3ポイント上昇した。今後、社会保障費関係費用が全国自治体と同様に増えていくと推測されるため、施策の廃止や見直しを進め扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

繰出金が国民健康保険事業特別会計繰出金(臨時)で対前年度比1,378万1,000円の増、後期高齢者医療療養給付費負担金で対前年度比1,070万6,000円の増となり、繰出金全体で対前年度比2,609万7,000円の増となった。これにより、その他としては、0.5ポイント上昇した。国民健康保険事業や後期高齢者医療などの特別会計の財政状況は厳しく、各々の会計において財政の健全化を図り、普通会計の負担を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

幡多広域市町村圏事務組合負担金が対前年度比1,504万8,000円の減額となったことなどにより、対前年度比799万4,000円の微減となり0.1ポイント改善した。今後においても、事業内容を精査し、廃止・見直しを行っていくよう努める。

公債費の分析欄

類似団体に比べ比率が高い状況で推移している原因は、消防庁舎建設事業や清水中学校建設事業、市役所本庁舎耐震化事業といった防災対策関連の大型事業を数年間で集中的に実施し、これら事業の実施にあたり発行した地方債の元金償還が重なってきていることが挙げられる。今後においても、給食センター建設事業や三崎保育園建設事業、下川口保育園建設事業に伴う元金償還が本格化し、公債費が高止まりの状況で推移していくことが見込まれるが、地方道路等整備事業や公共事業等の新発債を抑制し、交付税措置の高い起債事業の活用など中長期を見据えた発行に努める。

公債費以外の分析欄

人件費は、類似団体を大きく上回り高い水準にあるが、人件費以外は類似団体平均と同程度または下回る位置にあるので、公債費以外は類似団体平均をやや下回っている。今後においては、退職者非補充や組織機構改革の推進などにより職員数削減に取り組み、人件費を抑制していくことが必要となっている。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・商工費の住民一人当たりの金額が上昇した原因は、平成29年度にジョン万資料館改修等事業を実施したため。・土木費の住民一人当たりの金額が減少した原因は、清水第三土地区画整理組合への貸付金4億2,996万4,000円が皆減となったため。・消防費の住民一人当たりの金額が類似団体に比べ高い傾向となっている原因は、消防署が複数の市町村による広域設置ではなく、単独で運営していることや、危機管理課を設置し防災対策関連の事業を集中的に実施しているため。特に、平成29年度は、下ノ加江地区防災拠点施設建設工事を実施いている。・教育費の住民一人当たりの金額が、平成28年度と平成29年度について、類似団体と比べ高くなっている原因は、清水小学校建設を実施したことや平成28年度に中央公民館新築工事、平成29年度に学校給食施設建設工事を実施したため。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・主な構成項目である人件費は、住民一人当たり135,900円と、類似団体平均と比べ高い水準で推移している。これは、市内に私立幼稚園が1園あるものの公立保育園5園を市営で運営していること、また消防署も複数の市町村による広域設置ではなく、単独で運営していることにより、職員数が類似団体平均より多いためである。・普通建設事業費の住民一人当たりの金額が、類似団体と比べて高くなっている原因は、平成29年度に学校給食施設整備事業や清水小学校改築事業(最終年度)、下ノ加江防災拠点施設整備事業、下川口保育園新築事業、ジョン万資料館改修等事業といった大型事業を実施したことによるもの。・貸付金の住民一人当たりの金額が対前年度比で大幅に低くなった原因は、清水第三土地区画整理組合への貸付金4億2,996万4,000円が皆減となったため。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

財政調整基金について、平成29年度は、2,166万6,000円を積立したものの2億7,000万円を繰り入れしたため、基金残高は対前年度比で2億4,833万4,000円減少し、10億1,737万6,000円となった。この繰入金の額が大きく影響し、標準財政規模比での実質単年度収支もマイナス3.56と2年連続でマイナス3%台となり大変厳しい財政運営となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

平成29年度は、国民健康保険事業特別会計が黒字決算となったため、全会計で黒字決算となった。ただ、一般会計については、財政調整基金繰入金2億7,000万円のほか、防災対策加速化基金繰入金1億3,328万6,000円、国際交流基金繰入金5,000万円といった基金を繰入し各種事業や公債費の財源に充当したうえでの決算であり、歳入の確保が大きな課題である。今後も防災行政無線デジタル化事業や光インターネット整備事業、メジカ産業再生プロジェクト事業といった大型事業が予定されている。水道事業会計では、水道施設の老朽化が進んでおり、漏水対策による水道管の更新など計画的に進めていく必要がある。指定介護老人福祉施設事業特別会計では、平成29年度は、一般会計から3,664万円の繰入を行ったうえでの黒字決算であり、各会計において財政見通しは厳しい状況にあるため、歳出規模の抑制なども検討しながら中長期を見据えた財政運営に努めなければならない。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

対前年度比で元利償還金が28百万円の減となり算入公債費等が41百万円増となったため実質公債費比率の分子は86百万円減となった。平成29年度の単年度及び3年平均いずれの実質公債費比率も18.9%となった。近年実施してきた防災対策関連の大型事業については、過疎債や緊防債といった交付税措置の高い地方債を活用しており、算入公債費等は今後、伸びる傾向にあると思われるが、元利償還金が高止まりの状況で推移すると見込まれており、実質公債費比率(3年平均)は18%を超えたままの大変厳しい財政運営が続く。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

平成29年度は下ノ加江地区防災拠点整備事業や学校給食施設整備事業などの実施に伴い地方債1,900百万円あまりの借入を行った一方で、公債費の決算額は1,573百万円あまりとなり、地方債の現在高は対前年度比385百万円増の16,021百万円となった。充当可能基金は、財政調整基金で270百万円、防災対策加速化基金で133百万円あまり、国際交流基金で50百万円を繰入したことにより、対前年度比で211百万円減の2,087百万円となったが、基準財政需要額算入見込額が対前年度比で599百万円増となったことから、将来負担比率の分子は対前年度比18百万円減となった。ただ、算入公債費等の額が対前年度比で40百万円あまり増となったことから将来負担比率の分母は対前年度比で22百万円あまり減となり、将来負担比率は0.4ポイント増の150.4%となった。地方債の現在高は平成30年度にピークを迎え徐々に減少すると見込まれているが、中長期を見据えた発行に努め、比率の抑制を図る必要がある。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)対前年度比でふるさと元気基金が20百万円増となったものの、財政調整基金が249百万円減、防災対策加速化基金が125百万円減、国際交流基金が50百万円減となったことから基金全体では404百万円の減となった。(今後の方針)財政調整基金繰入金の決算額は、平成28年度が127百万円あまり、平成29年度が270百万円と財政調整基金を取り崩しての財政運営を余儀なくされている。今後は、特定目的基金も活用するとともに組織機構改革を推進することや退職者非補充による人件費の抑制のほか、ふるさと納税の取り組みを強化していくことなど財政健全化に向けた取り組みに努めることで財政調整基金残高の減少を抑制していく。

財政調整基金

(増減理由)平成27年10月に実施された国勢調査により市人口が5年前に比べ2,251人減少したことが大きく影響し、平成28年度の普通交付税と臨時財政対策債発行限度額の合計が対前年度比で約350百万円減となった。これにより、平成28年度以降、財政調整基金を取り崩しての財政運営を余儀なくされている。平成29年度は、21百万円あまりの積立を行ったものの、繰入金の決算額は270百万円となり、基金残高は対前年度比249百万円減の1,017百万円となった。(今後の方針)近年、防災対策関連の大型事業を集中的に実施してきたことから、これに伴う元金償還が今後、重なってくるため、公債費は高止まりの状況で推移していくことが見込まれている。このため、現在の財源不足の状況も続くこととなり、財政調整基金の取り崩しは一定必要となると思われるが、組織機構改革を推進することや退職者非補充による人件費の抑制のほか、ふるさと納税の取り組みを強化していくことなど財政健全化に向けた取り組みに努める。

減債基金

(増減理由)増減なし。(今後の方針)平成29年度の実質公債費比率(3年平均)が18.9%と18%を超えたことから、公債費負担適正化計画を策定し、これに基づき早期に18%を下回る取り組みが必要となっている。公債費の中で、退職手当債について償還が残っており、今後、この繰上償還を行うため減債基金を繰入する計画である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域福祉基金福祉等に関連する事業の財源に充当・施設等整備基金公共施設の修繕費用等の財源に充当・防災対策加速化基金防災対策関連事業の元利償還金の財源や備蓄食糧更新費用等の財源に充当・ふるさと元気基金寄付者が選択した寄付目的に沿った事業等の財源に充当・国際交流基金郷土の偉人ジョン万次郎の功績を発信する事業や人材育成等に関連する事業等の財源に充当(増減理由)・地域福祉基金増減なし・施設等整備基金増減なし・防災対策加速化基金平成29年度は、防災対策関連事業の元利償還金の財源として120百万円充当したことなどにより対前年度比125百万円の減となった。・ふるさと元気基金寄付者が選択した寄付目的に沿った事業の財源に充当するため21百万円あまりを繰入した一方で、41百万円の積立を行った結果、対前年度比20百万円増となった。・国際交流基金ジョン万資料館改修等事業の財源に充当するため50百万円を繰入し、対前年度比50百万円減となった。(今後の方針)国際交流基金以外の特定目的基金については、今後も目的に沿った事業の財源に充てるよう積極的に活用していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成28年度と比較して減価償却率が2.1ポイント下がった要因は、老朽化していた小学校を新築したことにより、施設の更新が図られたことがあげられる。また、保育園の高台移転に伴い、近年、3つの園を新築および改築したことも有形固定資産減価償却率の上昇が抑えられている要因となっている。しかしながら、橋りょう・道路・トンネル、市民図書館、市民文化会館といった有形固定資産については老朽化が著しく、今後、有形固定資産減価償却率の上昇が見込まれる。

債務償還可能年数の分析欄

償還可能年数が類似団体の平均値と比較すると2.5ポイント高い要因は、平成23年度より南海トラフ地震対策として、小中学校および保育園、消防庁舎の建設など大型事業を数年間で集中的に実施してきたため、地方債の残高が平成29年度に160億2千万円とピークを迎えている状況であり、充当可能基金等も平成29年度決算で20億円程度と他団体より少ないことがあげられる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率が類似団体より高い要因は、南海トラフ地震対策として、公共施設の高台移転など大型事業を数年間で集中的に実施してきたため、地方債残高が増加したことのほか、充当可能基金の減少があげられる。また、将来負担比率が平成28年度から平成29年度にかけては、0.4ポイントの上昇となっているが、現在は交付税措置率の高い起債のみの借り入れを行っているため、基準財政需要額算入見込額の増加が見込まれるため、将来負担比率は減少傾向となると推計される。一方で、有形固定資産減価償却率については、上記の理由により今後は上昇傾向となると見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、ここ数年の大型事業実施に伴い地方債の残高が増加したものの、平成28年度は償還金の額1,660,960千円、平成29年度は1,633,193千円と過去の起債の償還終了により、一時的に元利償還額が減少したため、単年度比率では平成28年度20.8%→平成29年度18.9%となった。また、平成27年度単年度比率17.1%であったが、3ヶ年平均では平成28年度17.9%→平成29年度18.9%となり、1.0ポイント上昇した。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路・橋梁・トンネル・公営住宅・港湾・漁港については老朽化が著しく、類似団体よりも高い数値となっているが、保育園、学校施設、公民館については、平成27年度より高台移転により新たに建設されたため類似団体より低い数値となっている。保育園については、平成27年度、平成29年度、平成30年度と3園を建設および改築、学校施設については平成24年度に中学校、平成29年度に小学校を建設しており、また公民館についても平成27年度に建設しているため、この3つの施設については類似団体より低い数値で推移していくものと見込まれる。また、各施設の住民一人当たりの面積が類似団体と比較して大きい要因は、海岸線延長が長く山間部にも小さな集落が点在するという地理的条件によるものである。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館は昭和57年、市民会館については昭和59年といずれも老朽化が進んでいるため、類似団体と比べると数値が高くなっている。その一方で、体育館については、平成12年建設のため類似団体と比べると数値が低い状況である。また、福祉施設については、施設建物の起債償還が終了したことにより施設建設を行った一部事務組合から市へ平成29年度に移管されたことにより、一人当たりの面積の増加となっている。庁舎についても耐震化を実施したため、有形固定資産減価償却率が平成28年度よりも27.7ポイント下がった値となっている。消防施設について類似団体と比べると数値が高い要因は、災害対策自家用給油設備の設置や防火水槽など南海トラフ地震対策として施設整備を行ったことによるものである。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、前年度末より資産総額が1,094百万円の増加(+2.9%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産であり、事業用資産は、清水小学校校舎整備事業(第2期・体育館)の実施による取得額(639百万円)、学校給食施設整備事業の実施による取得額(355百万円)などが、減価償却による資産の減少を上回ったこと等から(1,493百万円)増加し、基金は、ジョン万資料館の改修事業の財源に基金を充てたことにより、基金(固定資産)が155百万円減少した。・水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は、前年度末から1,499百万円増加(+3.5%%)し、負債総額は616百万円増加(+2.9%)した。資産総額は、上水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて6,231百万円多くなるが、負債総額も水道事業に地方債(固定負債)を充当したこと等から、4,260百万円多くなっている。土佐清水市土地開発公社、幡多広域市町村圏事務組合等を加えた連結では、資産総額は一般会計等に比べて7,789百万円多くなるが、負債総額も4,824百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は8,333百万円となり、人件費等の業務費用(5,150百万円)の方が移転費用(3,183百万円)よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(3,115百万円)であり、純行政コストの38.7%を占めている。また、移転費用の補助金等および社会保障給付も高齢化のため同水準で推移することが見込まれるため、公共施設等の適正管理および事業の見直しを行うことで、経費の縮減に努める。・全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が745百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が3,925百万円多くなり、純行政コストは4,270百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が1,108百万円多くなっている一方、補助金等が7,541百万円多くなっているなど、経常費用が8,705百万円多くなり、純行政コストは7,525百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(7,894百万円)が純行政コスト(8,057百万円)を下回っており、本年度差額は▲163百万円となり、純資産残高は841百万円の増加の21,094百万円となった。特に、本年度は、補助金を受けて清水小学校施設整備事業(第2期)を行ったため、財源に当該補助金の額が計上される一方、当該施設取得による行政コストの計上は減価償却により徐々になされるため、純資産が増加していることが考えられる。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が2,863百万円多くなっており、本年度差額は▲116百万円となり、純資産残高は883百万円の増加の23,065百万円となった。連結では、高知県後期高齢者医療広域連合の負担金及び交付金が財源に含まれていることから、一般会計等と比べて財源が7,510百万円多くなっており、本年度差額は177百万円となり、純資産残高は1,309百万円の増加の24,059百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支は737百万円であったが、投資活動収支については、学校の建設や道路の整備事業等を行ったことから、▲1,047百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから、381百万円となったが、本年度末資金残高は前年度から71百万円増加し、195百万円となった。・全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より112百万円多い849百万円となっている。投資活動収支では、簡易水道事業を実施したため、1,343百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから、542百万円となり、本年度末資金残高は前年度から48百万円増加し、571百万円となった。連結では、高知県後期高齢者医療広域連合における負担金及び交付金の収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より92百万円多い829百万円となっている。投資活動収支では、▲1,427百万円となっている。財務活動収支では、地方債発行収入が地方債の償還額を上回ったことから、663百万円となり、本年度末資金残高は64百万円増加し、815百万円となった。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額は類似団体平均を上回る値である。平成29年度に清水小学校や給食センターの建物を新設したことなどにより、資産合計は前年度末より10億9,476万円増加している。歳入額対資産比率については、清水小学校や給食センター整備事業により資産総額は増加しているが、類似団体平均を0.62年下回る結果となった。本市では、道路や水路の敷地のうち、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。・有形固定資産減価償却率については、昭和48年~昭和58年に公共建築物の整備のピークがあり、更新時期を迎えていることなどから、類似団体と同水準にある。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均を大幅に下回っているが、純行政コストは税収等の財源を上回っているため、税収等に見合った事業を行うなど健全財政に努める。将来世代負担比率は類似団体平均値を大きく上回っている。これは、清水小学校校舎整備事業等に充当した地方債の発行によるものである。新規に発行する地方債の抑制を行うことや事業の年度間での平準化を行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。特に、純行政コストのうち38.7%を占める物件費等が、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・住民一人当たり負債額は類似団体平均を大きく上回っている結果となった。要因としては地方債(固定負債)が地方債償還額より発行額を約3億円、上回ったためである。・基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、596百万円となっている。類似団体平均を下回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

・受益者負担比率は、類似団体平均を上回っている状況にある。その要因としては、保有する建物のうち公営住宅の占める割合が高く使用料が多いことや、ごみ袋の販売手数料や水産加工場使用料等の収益が発生していることが挙げられる。今後は市が保有する資産規模や調達財源を示す負債規模の現況を理解するとともに、個々の施設の性質や現状の他、必要性、維持管理コスト及び老朽化の状況等を把握し、将来世代における課題も考慮したうえで、公共施設等のマネジメントを実践していく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,