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地方財政ダッシュボード

高知県土佐清水市の財政状況(2018年度)

🏠土佐清水市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 電気事業


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

市制施行時には3万人いた人口は、平成31年3月末現在13,530人、また全国平均を上回る高齢化率(平成31年3月末47.8%)と過疎・少子高齢化に歯止めがかからず、基幹産業である観光業・農林水産業の低迷、一次産業の後継者不足に加え、雇用場所の確保も困難な状況であり、税収が乏しいゆえに類似団体平均を大きく下回る値となっている。今後も引き続き、税及び税外収入を含めた債権徴収の強化や、国、県の補助事業を積極的に取り入れた地域産業の活性化に努め、財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

人件費及び公債費の比率が類似団体と比較して依然として高く、類似団体平均を3.8ポイント上回っている。対前年度比では人件費が0.3ポイント、物件費が1.6ポイント減少したが、扶助費が0.5ポイント、公債費が3.3ポイント増加し、経常収支比率は3.3ポイント増となった状況である。今後も住民・行政サービスを確保しつつ、施設統廃合・民営化を含めた事務事業の見直し等、行財政改革を推進し経常経費の削減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体を大きく上回っている要因は、地域が縦横に長く行政区が広範囲に点在しており、保育所5園や小学校7校及び中学校1校を設置し運営費が多額であるためである。行政改革により統廃合を図ってきたが、統合後の登園・登校のバス運行等にかかる経費が財政を圧迫していることや消防署及びし尿処理施設、火葬場などが複数市町村による広域設置ではなく単独であることも要因として挙げられる。今後も住民・行政サービスを確保しつつ、施設統廃合・民営化を含めた事務事業の見直し、効率化に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

人勧に沿った給与改定、また休日勤務手当の適正化、特殊勤務手当の廃止など手当の見直しなどにより類似団体平均とほぼ同水準で推移し、昨年度に続き平成30年度も100を下回った。今後については、他団体の動向を含め、県内の日帰り日当の廃止、宿泊日当の実費精算化、その他各種手当の総点検を行うなど、より一層給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均を大きく上回っている要因として、市内に私立幼稚園が1園あるものの公立保育園5園を市営で運営していること、また消防署も複数の市町村による広域設置ではなく、単独で運営していることなどが挙げられる。集中改革プランにより定員管理の適正化に向け、職員削減を実施してきたが、今後も住民・行政サービスを確保しつつ、施設統廃合・民営化を含めた事務事業の見直し、効率化に努める。

実質公債費比率の分析欄

中央公民館及びきらら清水保育園建設に係る事業債の償還が始まったことなどにより実質公債費比率は19.2%と18.0%を依然超える結果となった。今後も防災関連事業、特に清水小学校建設に伴う元金の償還が始まることから、比率の上昇を抑制することは難しく、今まで以上に厳しい財政運営が続くことが予想されるが、公債費負担適正化計画に基づく歳出の抑制、歳入増の取り組みの他、繰上償還についても検討しながら、できるだけ早期に18.0%を下回るよう財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

平成30年度は冷凍保管施設建設などにかかる借入が14億269万円となった一方、償還元金が15億1,500万2,000円となったため、地方債現在高は対前年度比1億1,231万2,000円減の159億868万3,000円となった。一方で、財政調整基金繰入金が1億5,000万円であったことなどにより、充当可能基金が対前年度比3,505万7,000円減となる20億5,151万3,000円となったが、過疎対策事業債等の交付税措置率のよい借入が増え、基準財政需要額算入見込額が増えたことから将来負担比率は対前年度比14.1ポイント改善となった。依然として、類似団体を大きく上回る状況にあり、新発債の抑制、交付税措置の高い起債事業の優先など中長期を見据えた財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

人件費が高水準にあるのは、市内5つの保育所の全てが公立であること、また、消防署も広域設置ではなく単独運営していることにより、類似団体に比べ職員数が多いことに起因する。平成29年度より職員数が1名減(216名→215名)となり、平成30年度の定年退職にかかる退職手当が前年比2,002万円減となったことなどの理由により、経常収支比率は前年度比0.3ポイントの減となった。今後も公共施設の統廃合や民営化、組織機構の見直しなどにより人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

平成29年度まで物件費としていたものの中で、補修・修繕を行った後の効用が当初の効用を上回らないものについて、平成30年度より維持補修費として計上したこと、また、消耗品費や備品購入費の歳出抑制に努めたことなどにより、対前年度比8,333万円の減額となり、1.6ポイント減となった。今後も、補助事業や有利な起債を活用した事業を実施し、物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

障害者自立支援法給付費で対前年度比5,223千円増(平成2992,512千円→平成3097,735千円)、老人保護措置費委託料で対前年度比3,916千円増(平成2920,193千円→平成3024,109千円)、保育所運営費で対前年度比3,931千円増(平成2989,372千円→平成3093,303千円)となったこと等により扶助費全体で対前年度比27,552千円増、経常収支比率は0.5ポイント増となった。

その他の分析欄

繰出金について、後期高齢者医療療養特別会計繰出金は、対前年度比15,495千円減(平成29年度281,621千円→平成30年度266,126千円)となった。その一方で平成29年度まで物件費としていたものの中で、補修・修繕を行った後の効用が当初の効用を上回らないものについて、平成30年度より維持補修費として計上したことで、その他全体で対前年度比24,949千円の増になり、経常収支比率は対前年度比0.5ポイントの増となった。今後においても、各会計の財政健全化を図り、普通会計の負担を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

生活バス路線運行維持費補助金5,161千円増(平成2919,615千円→平成3024,776千円)、農業関係補助金19,403千円増(平成295,466千円→平成3024,869千円)などにより、48,840千円増、経常収支比率0.9ポイント増となった。今後においても、事業内容を精査し、廃止・見直しを行っていくよう努める。

公債費の分析欄

平成30年度から元金償還が本格的に始まった主なものとしては、きらら清水保育園建設事業(過疎債:平成2919,352千円→平成3063,369千円)や中央公民館建設事業(緊防債:平成291,304千円→平成3031,388千円)、津波避難タワー(大岐地区)建設(緊防債:平成29928千円→平成3010,904千円)が挙げられ、臨時財政対策債にかかる公債費についても、対前年度比で24,384千円増となった(平成29236,671千円→平成30261,055千円)。このため、対前年度比170,637千円増、経常収支比率は3.3ポイント増となった。

公債費以外の分析欄

人件費は、類似団体を大きく上回り高い水準にあるが、人件費以外は類似団体平均と同程度または下回る位置にあるので、公債費以外の数値は類似団体平均をやや下回っている。今後においては、施設管理の民営化及び組織機構改革の推進などにより職員数削減に取り組み、人件費を抑制していくことが必要となっている。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・農林水産業費では、一人当たり77,952円と、前年度比46,755円、150%増となっている。これは、メジカ再生プロジェクト事業の浦尻冷凍保管施設建設工事および周辺整備工事で決算額が663,677千円となり、普通建設事業費が増加したためである。・商工費では、住民一人あたり43,558円となっており、対前年度比10,985円、33.7%増となっている。これは、足摺テルメ建設にかかる元利償還金が平成29年度で償還が終了となり、決算額で60,239千円の皆減となった一方、爪白キャンプ場整備工事関連事業が平成29年度32,853千円に対し、平成30年度384,271千円と351,418千円の増となったため、普通建設費が増え商工費全体では138,990千円の増となったためである。・消防費では、一人あたり40,654円と、前年度比9,376円、18.7%減となっている。平成29年度事業、下ノ加江地区防災拠点施設施建設工事費が144,180千円皆減、防災加速化基金積立金が平成29年度8,497千円に対し、平成30年度22千円の8,475千円の減となったことにより、消防費全体では145,714千円の減となったが、類似団体と比べ高止まりしている要因は、消防署が複数の市町村による広域設置ではなく、単独で運営していることなどによる。・教育費では、一人当たり43,098円と、前年度比90,885円67.8%減となっている。これは、平成28年度から29年度に実施した清水小学校建設にかかる委託料及び工事請負費および学校給食施設建設にかかる委託料及び工事請負費が皆減となったためである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・主な構成項目である人件費は、住民一人当たり135,774円と、類似団体平均と比べ高い水準で推移している。これは、市内に私立幼稚園が1園あるものの公立保育園5園を市営で運営していること、また消防署も複数の市町村による広域設置ではなく、単独で運営していることにより、職員数が類似団体平均より多いためである。・普通建設事業費の住民一人当たりの金額が、類似団体と比べて高くなっている原因は、平成30年度に爪白キャンプ場整備事業や浦尻冷凍保管施設整備事業、三崎保育園新築事業といった大型事業を実施したことによるものである。また、新規整備にかかる普通建設事業費は平成28年~29年度にかけて行われた、清水小学校改築事業が終了したため、住民一人当たり49,838円と半減しているが、更新整備にかかる普通建設事業費は、道路等更新時期を迎えている公共施設が多いことから、前年度決算と比較すると41.9%の増となっている。このため、公共施設等総合管理計画及び長期財政見通しに基づき、事業の取捨選択を行っていくことで、事業量の平準化を目指すこととしている。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金について、平成30年度は、5,362万7,000円を積立したものの1億5,000万円を繰り入れしたため、基金残高は対前年度比で9,637万3,000円減少し、9億2,100万3,000円となった。この繰入金の額が大きく影響し、標準財政規模比での実質単年度収支もマイナス2.20と3年連続でマイナスとなり大変厳しい財政運営となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

平成30年度は、平成29年度に引き続き、国民健康保険事業特別会計が黒字決算となったため、全会計で黒字決算となった。ただ、一般会計については、財政調整基金繰入金1億5,000万円のほか、防災対策加速化基金繰入金6,736万円、ふるさと元気基金繰入金4,200万円といった基金を繰入し各種事業や公債費の財源に充当したうえでの決算であり、歳入の確保が大きな課題である。今後も防災行政無線デジタル化事業や光インターネット整備事業、メジカ産業再生プロジェクト事業といった大型事業が予定されている。水道事業会計では、水道施設の老朽化が進んでおり、漏水対策による水道管の更新など計画的に進めていく必要がある。指定介護老人福祉施設事業特別会計では、平成30年度は、一般会計から6,763万円の繰入を行ったうえでの黒字決算であり、各会計において財政見通しは厳しい状況にあるため、歳出規模の抑制なども検討しながら中長期を見据えた財政運営に努めなければならない。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

対前年度比で元利償還金が17百万円の減、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等が25百万円減などとなった一方で、算入公債費等も7百万円の減となり、実質公債費比率の分子は43百万円減となった。平成30年度の単年度実質公債費比率18.3%、3ヵ年平均の実質公債費比率も19.2%となった。近年実施してきた防災対策関連の大型事業については、過疎債や緊防債といった交付税措置の高い地方債を活用しており、算入公債費等は今後、伸びる傾向にあると思われるが、元利償還金が高止まりの状況で推移すると見込まれており、実質公債費比率(3年平均)は18%を超えたままの大変厳しい財政運営が続くと見込まれる。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成30年度は、爪白キャンプ場整備事業や浦尻冷凍保管施設整備事業、三崎保育園新築事業といった大型事業の実施に伴い、地方債1,403百万円あまり借入を行った一方で、公債費の元金償還決算額は1,515百万円あまりとなり、地方債の現在高は対前年度比112百万円減の15,909百万円となった。充当可能基金は財政調整基金で150百万円のほか、防災対策加速化基金67百万円、ふるさと元気基金42百万円を繰入したことにより、対前年度比で35百万円減の2,052百万円となったが、基準財政需要額算入見込額が対前年度比で1,055百万円増となったことから、将来負担比率の分子は対前年度比729百万円減となった。そのため、将来負担比率は14.1ポイント減の136.7%となった。地方債の現在高は平成29年度にピークを迎え徐々に減少すると見込まれているが、中長期を見据えた発行に努め、比率の抑制を図る必要がある。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)対前年度比でふるさと元気基金が53百万円増となったものの、財政調整基金が96百万円減、防災対策加速化基金が67百万円減となったことから基金全体では110百万円の減となった。(今後の方針)財政調整基金繰入金の決算額は、平成29年度が270百万円、平成30年度が150百万円と財政調整基金を取り崩しての財政運営を余儀なくされている。今後は、特定目的基金も活用するとともに組織機構改革を推進し、役職の兼務などによる人件費の抑制のほか、ふるさと納税の取り組みを強化していくことなど財政健全化に向けた取り組みに努めることで財政調整基金残高の減少を抑制していく。

財政調整基金

(増減理由)平成27年10月に実施された国勢調査により市人口が5年前に比べ2,251人減少したことが大きく影響し、平成28年度の普通交付税と臨時財政対策債発行限度額の合計が対前年度比で約350百万円減となった。これにより、平成28年度以降、29年度、30年度と財政調整基金を取り崩しての財政運営を余儀なくされている。平成30年度は、53百万円あまりの積立を行ったものの、繰入金の決算額は150百万円となり、基金残高は対前年度比96百万円減の921百万円となった。(今後の方針)近年、防災対策関連の大型事業を集中的に実施してきたことから、これに伴う元金償還が今後、重なってくるため、公債費は高止まりの状況で推移していくことが見込まれている。このため、義務的経費の抑制が困難で、現在の財源不足の状況も続くこととなり、財政調整基金の取り崩しは一定必要となるが、組織機構改革を推進し役職の兼務などによる人件費の抑制のほか、ふるさと納税の取り組みを強化していくことなど財政健全化に向けた取り組みに努める。

減債基金

(増減理由)増減なし。(今後の方針)平成29年度の実質公債費比率(3年平均)が18.9%、、平成30年度は19.2%と18%を超えて推移しているため、公債費負担適正化計画を策定・更新し、これに基づき早期に18%を下回る取り組みが必要となっている。今後、平成29年度に実施した冷凍保管施設建設事業について、交付金が60百万円あまり入るため、令和元年度に減債基金に積み立てる予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域福祉基金福祉等に関連する事業の財源に充当・施設等整備基金公共施設の修繕費用等の財源に充当・ふるさと元気基金寄付者が選択した寄付目的に沿った事業等の財源に充当・国際交流基金郷土の偉人ジョン万次郎の功績を発信する事業や人材育成等に関連する事業等の財源に充当・防災対策加速化基金防災対策関連事業の元利償還金の財源や備蓄食糧更新費用等の財源に充当(増減理由)・地域福祉基金増減なし・施設等整備基金増減なし・ふるさと元気基金寄付者が選択した寄付目的に沿った事業の財源に充当するため42百万円を繰入した一方で、95百万円あまりの積立を行った結果、対前年度比53百万円増となった。・国際交流基金増減なし・防災対策加速化基金防災対策関連事業の元利償還金の財源として60百万円充当したことのほか、備蓄食料購入などに7百万円充当したことにより対前年度比67百万円の減となった。(今後の方針)国際交流基金以外の特定目的基金については、今後も目的に沿った事業の財源に充てるよう積極的に活用していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

小・中学校や保育所、公民館といった施設について平成23年度から集中的に移転改築等を実施したため、有形固定資産減価償却率の上昇を抑える要因となっており、前年度から1.0ポイント比率は上昇しているものの、類似団体や全国平均と比較して大きな差はない状態で推移している。しかし、依然として老朽化が進んでいる施設が多く、比率は今後も緩やかに上昇する見込みである。

債務償還比率の分析欄

退職手当負担見込額の増により将来負担額が増加したが、充当可能財源の増加により分子としては前年度から減少した。しかし、前年度と比較して経常経費充当一般財源が約1憶6千万円増加したことで分母が大きく減少し、比率は前年度から28.2ポイント悪化した。地方債現在高の高止まりが今後も数年間想定されるため、類似団体平均や全国平均を大きく上回っている状況は当分の間続くと見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

南海トラフ地震対策として公共施設の高台移転など大型事業を数年間で集中的に実施したことで地方債残高が増加し、将来負担比率は類似団体を大きく上回る数値で推移しているが、平成30年度は基準財政需要額算入見込額の増加により比率は減少している。現在は交付税措置率の高い起債に限定した借入を行っているため、次年度以降も比率は減少する見込みである。有形固定資産減価償却率については類似団体平均を若干上回っているものの、同水準で推移している。比率は今後緩やかに上昇することが見込まれ、老朽施設の改修等についても一定必要になると想定されるが、将来負担額とのバランスにも注視していく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体平均を大きく上回る数値で推移している。将来負担比率については、平成30年度は数値が改善しており、次年度も減少が見込まれるが、実質公債費比率については、前年度から0.3ポイント悪化しており、多少の変動はあるものの今後数年間は18%を下回ることなく推移していく見込みである。南海トラフ地震対策として公共施設の高台移転など大型事業を数年間で集中的に実施したことが主な要因であるため、比率の上昇は一定やむを得ないが、今後の起債発行についてはより精査していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

橋梁・トンネル、公営住宅、港湾・漁港については老朽化が進んでおり、類似団体よりも高い数値となっているが、保育園、学校施設、公民館については、高台移転等により新たに建設されたため類似団体より低い数値となっている。保育園については、平成27年度、平成29年度、平成30年度に3園を建設および改築、学校施設については平成24年度に中学校、平成29年度に小学校を建設、公民館については平成27年度に建設しており、今後減価償却は進んでいくものの、類似団体を下回る推移については変わらず続いていくと想定される。道路に関しては、計画的に舗装や改良工事を実施しているが、比率は徐々に上昇している。類似団体や全国平均、県平均とも大きな差はなく、今度もこの傾向は続いていくと見込まれる。各施設の住民一人当たりの面積が類似団体と比較して大きい要因は、海岸線延長が長く山間部にも小さな集落が点在するという地理的条件によるものである。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館は昭和57年、市民会館については昭和59年建設といずれも老朽化が進んでいるため、類似団体と比べると数値が高くなっており、今後もこの傾向が続く見込みである。その一方で、体育館については、平成12年建設のため類似団体と比べると数値が低い状況である。庁舎についても耐震化を実施したため、平成29年度以降、比率は大きく下がっている。福祉施設については、施設建物の起債償還が終了したことで施設建設を行った事務組合から市へ平成29年度に移管され、一人当たりの面積が平成29年度以降大きく増加した。また、消防施設の一人当たり面積についても、災害対策自家用給油設備の設置や防火水槽など南海トラフ地震対策として施設整備を行ったことによって、平成28年度以降、類似団体より高い数値で推移をしている。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、前年度末より資産総額が▲509百万円の減(-1.3%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産であり、事業用資産は、浦尻冷凍保管施設・新三崎保育園・物流センター等の取得額が、減価償却による資産の減少を上回り、557百万円増加となった。基金は、災害時備蓄用品の購入等の財源としたことにより基金(固定資産)が14百万円減少した。・水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は、前年度末から▲741百万円減少(-1.7%)し、負債総額は▲532百万円減少(-2.4%)した。資産総額は、上水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて5,999百万円多くなるが、負債総額も水道事業に地方債(固定負債)を充当したこと等から、3,948百万円多くなっている。土佐清水市土地開発公社、幡多広域市町村圏事務組合等を加えた連結では、資産総額は一般会計等に比べて7,164百万円多くなるが、負債総額も4,516百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては経常費用は8,431百万円となり前年度比98百万円の増となった。(1.2%増)業務費用に比べ移転費用の方が多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持修繕費を含む物件費等であり(3,032百万円、前年度比83百万円)であり、純行政コストの38%を占めている。公共施設等の適正管理、事業の見直しを行い、経費の削減に努めていく。移転費用に関しても高齢化の影響等によりこの傾向が続くことが見込まれるため、事業の見直しを進めていく。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純行政コストは7,902百万円となった。税収は5,699百万円、国県等補助金2,240百万円となり、財源がコストを上回ったことにより本年度差額は37百万円(前年度比+200百万円)となったが、その他の資産が▲346百万円となったこと等により、純資産残高は▲289百万円減の20,804百万円となった。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が3,855百万円多くなっており、本年度差額は77百万円となり、純資産残高は209百万円減の22,856百万円となった。連結では、高知県後期高齢者医療広域連合の負担金及び交付金が財源に含まれていることから、一般会計等と比べて財源が6,806百万円多くなっており、本年度差額は24百万円となり、純資産残高は▲605百万円減の23,453百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は736百万円であったが、投資活動収支については、▲657百万円となっている。財務活動収支については地方債の償還額が発行額を上回ったことから▲115百万円となり、本年度資金残高は159百万円(前年度比36百万円)となった。・全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より295百万円多い1,031百万円となっている。投資活動収支は、▲812百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、158百万円となり、本年度末資金残高は前年度から61百万円増加し、632百万円となった。・連結では、高知県後期高齢者医療広域連合における負担金及び交付金の収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より335百万円多い01,071百万円となっている。投資活動収支では、787百万円となっている。財務活動収支では、地方債償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲200百万円となり、本年度末資金残高は84百万円増加し、899百万円となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額は類似団体平均を上回る値である。平成30年度に浦尻冷凍保管施設・新三崎保育園・物流センター等の建物を新設したことなどにより、事業用資産は増加したが、インフラ資産の減価償却等により資産合計は前年度末より5億963万円減少している。・歳入額対資産比率については、各資産の減価償却により資産総額は減少となったことにより類似団体平均を0.45年下回る結果となった。本市では、道路や水路の敷地のうち、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。有形固定資産減価償却率については、昭和48年~昭和58年に公共建築物の整備のピークがあり、更新時期を迎えていることなどから、類似団体と同水準にある。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均を大幅に下回っているが、純行政コストを税収等の財源が若干上回っており、引き続き税収等に見合った事業を行うなど健全財政に努める。将来世代負担比率は類似団体平均値を大きく上回っている。これは、浦尻冷凍保管施設・新三崎保育園物流センター等の建設事業に充当した地方債の発行によるものである。新規に発行する地方債の抑制を行うことや事業の年度間での平準化を行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。•

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。特に、純行政コストのうち約38%を占める物件費等が、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・住民一人当たり負債額は類似団体平均を大きく上回る結果となった。地方債残高が高止まりとなっていることが要因となっている。・基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回り、70百万円となっている。類似団体平均を上回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行し、公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均を上回っている状況にある。その要因としては、保有する建物のうち公営住宅の占める割合が高く使用料が多いことや、ごみ袋の販売手数料や水産加工場使用料等の収益が発生していることが挙げられる。今後は市が保有する資産規模や調達財源を示す負債規模の現況を理解するとともに、個々の施設の性質や現状の他、必要性、維持管理コスト及び老朽化の状況等を把握し、将来世代における課題も考慮したうえで、公共施設等のマネジメントを実践していく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,