北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

大阪府熊取町の財政状況(2020年度)

🏠熊取町

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

財政力は、ほぼ横ばいで推移し、類似団体内平均値を若干下回る数値となっている。現下の経済情勢では、今後も厳しい収入環境が続くものと思われることから、収支状況を改善させるためにも、町税徴収率の向上などによる自主財源の確保に努めるとともに、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に掲げる改革項目を着実に実行し、財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

歳入面で、地方消費税交付金や普通交付税の増などはあったものの、歳出において、扶助費や会計年度任用職員制度の導入による報酬などの経常経費充当一般財源等が増加したことで、経常収支比率は前年度の93.1%より0.1ポイント悪化し、ほぼ横ばいの93.2%となった。今後も引き続き、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に掲げる改革項目を着実に実行し、経常収支比率の改善を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費・物件費等決算額は、平成25年度からの消防広域化に伴い、消防職員が退職したことにより類似団体内平均値より低い数値が続いていた。令和2年度から会計年度任用職員制度が導入されたことにより、人件費が大きく増加している。現状としては、ごみ処理、し尿処理などの事業を直営で行っており、その結果として人件費及び施設の運営経費や維持補修費が類似団体内平均値と比較して高くなる傾向にあるが、令和3年度から、し尿処理事務の広域化に加え、令和4年度からの町立保育所民営化により、数値は改善する見込みである。また、超過勤務の抑制など、行財政改革による経費削減の効果も挙げており、今後も引き続き取り組む。

ラスパイレス指数の分析欄

本町は従前より国の給料水準を下回っており、大阪府内でも低い水準となっている。今後も中長期的なビジョンに立って、職員年齢構成の平準化を推進するとともに、引き続き国家公務員に準拠した適正な給与制度による運営を行う。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

「職員定数管理基本方針」に基づいて職員数の抑制に取り組んできた結果、人口が増加しているにも関わらず、人口1,000人当たりの職員数は横ばいで推移してきた。そして平成25年4月の消防広域化に伴い、消防職員が退職した影響で数値が減少している。一方では、職員数の減に対応するため、職員研修、人事評価制度、昇任試験制度などにより、職員の資質を高め、行政サービスが低下しないよう状況を見極めながら、職員数の適正化に努めている。

実質公債費比率の分析欄

元利償還金が76百万円減少するとともに、公営企業の公債費に充てた繰出金が24百万円減少したこと、また、標準税収入額等が215百万円増加したことなどにより、実質公債費比率は1.3ポイント良化した。町債の借入れにあたっては、計画的な事業実施に基づき、先を見通した借入れを行ってきた。今後も、町債を借り入れる際には、交付税措置のあるものを中心に借り入れ、国・府の財政支援制度を有効に活用するなど、財政負担の軽減に引き続き努める。

将来負担比率の分析欄

地方債現在高が332百万円増加したものの、充当可能財源等が将来負担額を上回るため前年度に引き続き「-」となっている。今後も、事業実施にあたっては、その必要性や規模等を十分に精査するとともに、町債においては、引き続き交付税措置のあるものを中心に借り入れるなど、国・府の財政支援制度を有効に活用することによって、将来に過度の負担を残さないように努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

これまで、行財政改革に伴う人件費の抑制策として、新規採用者数を退職者数の概ね1/2以下とすることによる職員数の削減など、着実に効果を出している。なお、類似団体内平均値より高い水準となっているのは、ごみ処理、し尿処理を直営で行っていることに伴い、これらの事務事業に係る人件費が嵩むことによるものである。令和2年度から会計年度任用職員制度が導入されたことにより、増加となっているが、今後は職員の年齢構成の平準化やし尿処理事務の広域化、町立保育所の民営化などの要因で減少していくことが見込まれる。

物件費の分析欄

ごみ処理、し尿処理などを直営で行っていることによる施設の維持、管理、運営経費が大きいため、ここ数年は行財政改革の効果も寄与し減少傾向にあり、令和2年度は類似団体内平均値を0.1ポイント下回ることとなった。しかし、令和3年度から、し尿処理事務の広域化により委託料が増加する見込みであり、今後においては、施設に係る事務事業の効率化等を図り改善に努める必要がある。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率が類似団体内平均値を上回っている要因として、主に町立保育所が多いことが挙げられる。介護訓練等給付費や障がい児通所給付費などが増加となっているものの、保育関連経費が会計年度任用職員制度の導入により、扶助費への振替分が人件費に移行したことなどにより、令和2年度については減少しているが、少子高齢化に伴う扶助費の増加が今後予測される。

その他の分析欄

平成30年4月から下水道事業の地方公営企業法適用により、下水道事業特別会計繰出金が皆減となったため、減少しているが、令和3年度は、各事業会計(国保・介護・後期)への繰出金がそれぞれ増加したため、類似団体内平均値を上回る結果となっている。繰出金については、少子高齢化に伴い、今後も増加していくことが予測される。

補助費等の分析欄

ごみ処理、し尿処理などを直営で行っていることにより、一部事務組合等への負担金が少ないため、平成25年4月からの消防広域化による負担金の影響を加味しても類似団体内平均値を下回っている。今後は広域消防に係る負担金の増加に合わせて補助費等全体も増加していく見込みである。

公債費の分析欄

町債の借入れについては、原則交付税措置のあるものに限って借入れをおこなうなど借入額を抑制してきたところである。今後においては、公共施設の老朽化対策などにより、借入額の増加が見込まれるが、実施事業の規模などを十分に確認し、引き続き借入れの抑制に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体内平均値を上回っているのは、ごみ処理、し尿処理などを直営で行っていることによる施設の維持・管理・運営に係る経費が大きいためであるが、令和3年度から、し尿処理事務の広域化により数値は改善するものと見込まれる。今後、この数値を抑えることができるよう、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に掲げる改革項目を着実に実行していく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

主な構成項目である民生費については、住民一人あたり140,817円となっており、児童福祉費について、施設型給付費の増や、利用人数の増などにより障がい児通所給付費が増加していることで、類似団体内平均値を上回る結果となっている。総務費は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、特別定額給付金などの国施策や、地方創生臨時交付金を活用した町独自施策などにより、住民一人あたり143,277円となっている。また、消防費は防災基金への積立金が大幅に減少している。教育費については、住民一人あたり53,784円となっており、前年度と比較すると40.7%増となっている。これは、令和2年度において「GIGAスクール構想」の早期実現に向けた端末整備を行ったことや、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う町独自の緊急対策として、学校給食費補助金が増加したことなどが要因となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり453,119円となっている。主な構成項目である扶助費は、住民一人当たり71,689円となっており、類似団体内平均値を下回ってはいるものの、介護訓練等給付費の増加や障がい児通所給付費などの増により、今後も増加していくことが予測される。人件費は、住民一人当たり68,710円となっており、これまで行財政改革に伴う人件費の抑制策として、新規採用者数を退職者数の概ね1/2以下とすることによる職員数の削減など、着実に効果を出しているが、令和2年度から会計年度任用職員制度の導入により、一定期間の増加は避けられないものと考える。また、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、特別定額給付金などの国施策や、地方創生臨時交付金を活用した町独自施策などにより、補助費が住民一人当たり143,563円となっており、前年度決算と比較すると、327.3%増となっている。普通建設事業費については、道路改良事業の増加や、認定こども園施設整備費補助金の皆増等により住民一人当たり41,928円となっている。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、施設等の長期的な更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行う。投資及び出資金は、水道事業会計への一般会計出資金が増加したことにより、住民一人当たり184円となり、前年度と比較して2倍となっているが、類似団体内平均値を下回る結果となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

町税全体で減少があったものの、地方消費税交付金や地方交付税など経常一般財源の増加に加え、新型コロナウイルス対策に関連する経費の増額により、歳入・歳出ともに大幅な増加となった。歳出面では、町債の償還が進んだことによる公債費の減少などはあるものの、会計年度任用職員制度の導入による人件費や、普通建設事業費の増などにより、結果として基金から繰入れることで実質収支が黒字となった。新型コロナウイルス感染症による経済への影響を鑑みると、今後の財政状況が不透明であることなど、依然として気を緩められるものではなく、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」の改革項目を引き続き実行していく必要がある。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

国民健康保険事業特別会計は、令和2年度の歳入歳出差引額1億4,431万円のうち、前年度の実質収支を差し引いた単年度収支が、9,957万4千円の黒字になっている。主な要因としては、歳入では保険料率の引上げ等と収納率の向上による保険料の実収入の増と、新型コロナウイルスに伴う保険料減免にかかる国庫補助金等との合計が対前年度の保険料収入と比べて、約3,000万円増加した一方で、歳出において、大阪府に支払う事業費納付金が対前年度比で約5,000万円減少したことがあげられる。また、このほかにもインセンティブ獲得による保険者努力支援交付金収入の約800万円の増額なども黒字の拡大に影響している。下水道事業会計の標準財政規模比が前年度と比較して1.01ポイント増加している要因は、流動負債の中で未払金の増加はあったものの、流動資産における現金預金が前年度と比較して約1億円増加したことにより、資金剰余金が増加したことによるもの。令和2年度については、全会計黒字となっているが、恒常的な基金繰入れに依存しない収支が均衡した財政構造を再構築するとともに、依存財源の多寡による影響を極力抑えた、自立的な財政運営を目指していく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

全額算入公債費等に計上される臨時財政対策債の発行が続いている中、建設事業に係る元利償還金等が減少しているため、結果として実質公債費比率の分子は減少傾向で推移してきた。今後においては、公共施設の老朽化対策などにより、借入額の増加が見込まれるが、町債の借入れについては、原則交付税措置のあるものに限るとともに、実施事業の規模等を十分精査し、その借入額を抑制していく。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度は、地方債残高や退職手当負担見込額の増などの要因があり、将来負担額は増加したものの、充当可能財源等がそれを上回るため、前年度に引き続き将来負担比率の分子はマイナスとなっている。しかし、今後、公共施設の老朽化などにより、借入額は増加する見込みである。それに伴い、将来負担比率における分子も増加するものと思われるが、安定した財政運営を行っていくため、将来負担比率の動向には注視していく必要がある。数値を悪化させないためにも、基金繰入れに依存しない自律的な財政運営に努め、充当可能基金を減少させないように努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)森林環境譲与税基金の創設や、寄附の増などによる増加要因はあったものの、財源調整による財政調整基金の取崩しや、くまとりふるさと応援基金から教育や福祉などの経費への取崩し、公共施設整備基金から熊取駅西整備事業などへの取崩しにより、基金全体としては174百万円の減となった。(今後の方針)財政調整基金について、少子高齢化に伴う扶助費や繰出金が今後も増加していくことが予測されることに加え、新型コロナウイルス感染症による経済への影響を鑑みると、今後の財政状況が不透明であることなど、依然として気を緩められるものではなく、持続可能な行政運営をめざし、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に基づき、公共施設の統廃合を含めた抜本的な改革に取り組んでいく。

財政調整基金

(増減理由)会計年度任用職員にかかる報酬や期末手当などの人件費が増加したことに加え、し尿処理広域化に伴う負担金や、五門七山線道路改良事業などの単独事業にかかる投資的経費の増などによる取崩しにより、22百万円減少した。(今後の方針)財政調整基金の取り崩しに依存しない財政運営を行えるよう、町税徴収率の向上などによる自主財源の確保に努めるとともに、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に掲げる改革項目を着実に実行し、歳出の抑制等に努める。

減債基金

(増減理由)利子積立による増加。(今後の方針)将来にわたる町財政の健全な運営に資するため、地方債の償還計画等を踏まえ、町債の償還に必要な財源の確保に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)くまとりふるさと応援基金:住民、法人その他団体との協働による定住魅力のあるまちづくりを推進。公共施設整備基金:公共施設整備事業を円滑かつ効率的に行うための財源確保。くまとり防災基金:災害に強い安全なまちづくりを推進し、災害発生時に応急対策及び復旧に要する経費の財源に充てる。墓地基金:町墓苑設置に係る町債等の償還及び供用開始後の管理を円滑かつ効率的に行う。産業活性化基金:中小企業者等の円滑な資金調達のための財源及び商工業・農業を含む産業活性化を図るための事業実施に必要な財源に充てる。(増減理由)くまとりふるさと応援基金:教育や福祉などの経費の財源として取崩したため減少。公共施設整備基金:熊取駅西整備事業やごみ処理施設修繕への財源として取崩したため減少。くまとり防災基金:利子積立をおこなったため増加。墓地基金:墓苑の管理経費の財源として取崩したため減少。産業活性化基金:起業者向けの補助などをおこなったため減少。(今後の方針)公共施設整備基金:公共施設等を取り巻く社会状況は大きく変化しているなかで、将来世代に渡る長期的な視点を持ち、状況に応じた統廃合など公共施設整備事業を円滑かつ効率的に行えるよう財源確保に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本町では、平成29年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を25%削減するという目標を掲げ、施設の統廃合や老朽化した施設の長寿命化を進めている。有形固定資産減価償却率については、上昇傾向にはあるものの、類似団体内平均値と比較するとその伸びは同程度であり、引き続き公共施設の適正管理に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体内平均値を下回っており、主な要因としては、過去に整備した施設にかかる町債の償還が進んでいることが考えられるが、今後、ごみ処理施設広域化などに係る建設事業債が増加していくことが予測される。安定した財政運営を行っていくため、基金繰入に依存しない自立的な財政運営に努め、経常一般財源等の増加を目指すとともに充当可能基金を減少させないように努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体内平均値と比較して大幅に低い水準にあるが、近年は臨時財政対策債の割合が大きく、臨時財政対策債の借入れに伴う基準財政需要額算入見込額が増加している一方で、町債の現在高の増加などにより増加傾向にある。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高く、上昇傾向にあるが、主な要因としては施設の老朽化が急速に進んでいることであり、今後ますます高くなることが予想される。公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合や、老朽化した施設について長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体と比較して低く、また将来負担比率についても低くなっている。これは、将来負担額が平成25年4月からの消防広域化に伴う組合負担等見込額の増などにより増加したものの、交付税措置のある地方債借入の増に伴い基準財政需要額算入見込額が増加したことなどにより、全体として比率が低下している。また、くまとりふるさと応援基金の増により充当可能基金が大幅に増加したことにより、しばらく数年は「-」のまま推移していくと見込まれる。しかし、今後消防組合における庁舎建設及び車両更新などに関する借入金の償還が増加していくことから、実質公債費比率については、上昇していくものと想定される。消防組合における負担金の抑制を図るとともに、地方債については、引き続き交付税措置のあるものを中心に借り入れるなど、国・府の財政支援制度を有効に活用し、比率の改善に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設、公民館である。認定こども園・幼稚園・保育所については、施設の老朽化が進んでいるため、有形固定資産減価償却率が高くなっている。令和3年2月に熊取町保育所・学童保育所個別施設計画を策定し、施設の老朽化の状況、子育てに関する国の施策や社会情勢を勘案し、必要に応じて見直しを行う。学校施設については、小学校が有形固定資産減価償却率69.5%、中学校が64.6%となっており、特に小学校の有形固定資産減価償却率が高くなっている。公共施設等総合管理計画に基づき、令和2年度に熊取町学校施設長寿命化計画を策定したところであり、同計画に基づいて、これまでに大規模修繕を実施していない南小学校の一部校舎と東小学校について優先的に実施するなど、小学校を中心に老朽化対策に取り組んでいくこととしている。公民館については、施設の老朽化が進んでいるため、有形固定資産減価償却率が高くなっている。令和2年3月に熊取町社会教育施設等個別施設計画を策定し、各施設の活用方法及び長寿命化について定め、その計画に基づき適切な施設運営に努めており、老朽化に伴う大規模改修及び更新を順次実施していく予定である。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、福祉施設、市民会館である。一般廃棄物処理施設については、し尿処理場(大原衛生公苑)及び環境センターが築約30年(残存年数10年未満)経過しており、これまで大規模な改修等は行っていないため、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均を上回っている。福祉施設については、老人憩の家などの福祉施設は、いずれも老朽化が進んでおり、半数以上が耐用年数を経過しているため、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を大きく上回っている。市民会館については、築44年(残存年数6年)を経過しており、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均を大きく上回っている。施設の長寿命化など建物の耐用年数を見据えたうえで、計画的な維持管理を行っていく。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から79百万円の増加(+0.1%)となった。ただし、資産総額のうち有形固定資産の割合が83.8%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、熊取町公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合や、老朽化した施設について長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努めながら、基金繰入等に依存しない健全な財政運営を目指していく。水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から107百万円増加(+0.1%)し、負債総額は前年度末から414百万円増加(+1.3%)した。資産総額は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて25,562百万円多くなるが、負債総額も上水道配水管移設工事等に地方債(固定負債)を充当したこと等から、21,289百万円多くなっている。土地開発公社、泉州南消防組合等を加えた連結では、資産総額は前年度末から26百万円増加(0.1%)し、負債総額は前年度末から358百万円増加(+1.0%)した。資産総額は、泉州南消防組合や大阪広域水道企業団における資産等を計上していること等により、一般会計等に比べて30,384百万円多くなるが、負債総額も土地開発公社の借入金等があること等から、24,174百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は18,937百万円となり、前年度比6,000百万円の増加(+46.4%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は8,500百万円、補助金等や社会保障給付等の移転費用は10,437百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多い。最も金額が大きいのは補助金等(6,451百万円、前年度比+4,970百万円)、次いで社会保障給付(2,582百万円、前年度比+131百万円)であり、純行政コストの48.7%を占めている。今後も高齢化の進展などにより、社会保障給付が増大していくことが見込まれ、抑制には限度があることから、全庁的に事業の廃止やコストの削減を検討し、経常費用全体の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が997百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が7,394百万円多くなり、純行政コストは8,519百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が1,402百万円多くなっている一方、人件費が781百万円多くなっているなど、経常費用が14,508百万円多くなり、純行政コストは13,104百万円多くなっている

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(17,802百万円)が純行政コスト(18,557百万円)を下回ったことから、本年度差額は△755百万円(前年度比+257百万円)となり、純資産残高は425百万円の減少となった。純行政コストが財源を大きく上回っており、今後についても、徴収率の向上による財源確保や、使用料及び手数料の適正な設定や経費の削減などによる純行政コストの改善により、基金繰入等に依存しない健全な財政運営を目指していく必要がある。全体では、国民健康保険事業特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険料や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が4,006百万円多くなっており、本年度差額は△638百万円となり、純資産残高は307百万円の減少となった。連結では、大阪府後期高齢者医療広域連合への保険料や国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が13,203百万円多くなっており、本年度差額は△655百万円となり、純資産残高は332百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は580百万円であったが、投資活動収支については、公共施設等整備や基金積立に係る支出が国県等補助金や基金取崩による収入を上回ったことから、△512百万円となった。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから、332百円となっており、本年度末資金残高は前年度から400百万円増加し、742百万円となった。しかし、行政活動に必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であり、行財政改革を更に推進する必要がある。全体では、国民健康保険料や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より440百万円多い1,020百万円となっている。投資活動収支では、上水道配水管移設工事等により、621百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから、232百万円となり、本年度末資金残高は前年度から631百万円増加し、1,597百万円となった。連結では、大阪府後期高齢者医療広域連合における保険料収入や給付費等が含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より855百万円多い1,435百万円となっている。投資活動収支では△669百万円、財務活動収支は、地方債の発行額が地方債償還支出を上回ったことから、79百万円となり、本年度末資金残高は前年度から838百万円増加し、2,463百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく下回っているが、当団体では、道路や河川の敷地のうち、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。公共施設整備を実施したことなどにより、開始時点からは8.9万円増加している。歳入額対資産比率については、類似団体平均値とほぼ同水準となった。しかし、前年度と比較すると、新型コロナウイルス対策に関連する特別定額給付金及び地方創生臨時交付金により国庫支出金が大幅に増加したことにより、歳入額対資産比率は1年減少することとなった。有形固定資産減価償却率については、公共施設等の老朽化に伴い、前年度より1.8%上昇している。熊取町公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合や、老朽化した施設について長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均との比較では少し上回っているが、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少し、昨年度から0.9%減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、「第3次行財政構造改革プラン」に基づく人件費の削減などにより、行政コストの削減に努める。負債の大半を占めているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。このため、臨時財政対策債等の特例的な地方債を除いた地方債残高を分子として、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、前年度より1.0%上昇したが、類似団体平均との比較では大きく下回っている。なお、仮に臨時財政対策債の残高を負債額から除いた場合、純資産比率は89.2%となる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を少し下回っているが、昨年度から増加(+13.6万円)している。特に、会計年度任用職員報酬などの人件費が増加したことに加え、補助金等や社会保障給付の移転費用が増加した。今後、少子高齢化により、人口減少や社会保障給付の増大が進むことで、住民一人当たり行政コストが増加していくことが見込まれる。社会保障給付の抑制には限度があることから、人口減少社会に対応するべく、施設の統廃合など、全庁的に事業の廃止やコストの削減を検討し、経常費用の全体の抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は昨年度より1.3万円増加したものの、類似団体平均値を大きく下回っている。これは、投資的経費の抑制などにより、負債の大部分を占める地方債の発行が抑えられてきたことが要因と考えられる。今後も、世代間負担の公平性に配慮しながらも、健全な財政運営を確立するため、地方債残高の縮小に努めていく。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、△70百万円となっており、類似団体平均値を大きく下回っている。これは、投資活動において基金の取崩収入が大きくなっていることが要因と考えられる。今後も、基金取崩に依存しない安定した財政運営の確立に努めていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、昨年度から減少しており、特に、経常費用が昨年度から6,000百万円増加している。熊取町公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。なお、類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、2,508百万円経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、88百万円経常収益を増加させる必要がある。このため、公共施設等の使用料の見直し等を行うとともに、熊取町公共施設等総合管理計画に基づく行財政改革により、経費の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,