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地方財政ダッシュボード

愛知県東栄町の財政状況(2022年度)

🏠東栄町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

過疎化による人口の減少や全国平均を上回る高齢化率に加え、町内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、全国平均を下回る状態が続いている。地方税等収入の高水準での徴収率の維持、事業の選定、定員管理の適正化など、財政基盤の維持、強化に努める必要がある。また、近年の物価上昇も影響しており、緊急且つ必要な事業の峻別、経常経費の更なる抑制といった歳出の見直しを継続して行っていくことの重要性が高まっている。

経常収支比率の分析欄

近年の物価高騰により、ハードウェア及びソフトウェアの維持管理に要する費用の上昇、保育園、小学校、診療所、防災行政無線整備といった大型事業に係る地方債発行の増加による公債費の増加などが影響し、比率は前年度より悪化した。公債費は、令和7年度をピークに徐々に下降する見込みであり、人件費についても常勤職員数の減少により大きく増加する見込みはない。事務事業の大幅な削減は難しいが、歳出の抑制を継続して行っていくことにより、経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均と比較すると、当該数値は低いものの前年度より大きく増加する結果となった。地方創生臨時交付金を活用した商品券事業、あいち森と緑づくり事業委託料を財源とした森林整備事業、新設診療所等に係る通信環境整備費用といった物件費の増加が影響したものとなっている。人件費については、常勤職員数は減少しているが、人員不足を補うための会計年度任用職員の採用増により、大きく減少はしていない。

ラスパイレス指数の分析欄

職員構成の変動及び施設の新設に伴う事務機構の見直し等により、前年度に比べ微増となった。35年以上勤務の大卒者について2.6ポイントの減、35年以上勤務の高卒者について3.0ポイントの増により、前年度から0.4ポイント増加したが、類似団体内平均値を下回っており、大卒者の人数に対し役職数が少ないため、昇格がスムーズに進まないことが要因となっている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口減少が続いていることから増加傾向にはあるものの、退職による職員数の減少により前年度に比べ減少しているが、類似団体平均を上回っていることから、行政サービスを維持しつつ、適正な定員管理の推進、組織体制や業務を見直し、効率化していく必要がある。

実質公債費比率の分析欄

保育園建設に要する費用を含めた平成30年度の過疎対策事業債の元金償還が始まったことにより、前年に比べ微増となった。令和元年度及び令和2年度の防災行政無線整備事業や令和3年度からの診療所・保健福祉センター整備事業といった大型事業の財源として発行した地方債の償還が控えているため、今後の新規発行の抑制に努める必要がある。

将来負担比率の分析欄

平成30年度をもって廃止した東栄病院特別会計の清算金を財政調整基金に積み立てたことにより、令和元年度から負担額が無くなった。ただし、令和3年度、4年度に実施した東栄診療所・東栄保健福祉センターの建設工事に係る費用に対し多額の地方債を発行したため、将来負担が生ずることが見込まれることから、今後も事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

経常一般財源の減少及び人件費の微増により前年度に比べ1.2ポイント増加した。団塊世代及び中堅職員の退職や新規採用の減少による常勤職員の人員不足を補うため会計年度任用職員の採用、外部委託などが増加したことが要因と考える。中途採用など、年齢構成の平準化による定員管理の適正化を引き続き行っていく。

物件費の分析欄

物価高騰及び人件費の上昇により、指定管理料や光熱水費が増加したことが主な要因となり、前年度に比べ1.9ポイント増加する結果となった。今後も行政機能のデジタル化、標準化といった費用が見込まれるため、経常費用の抑制、削減に努める。

扶助費の分析欄

昨年度に比べ数値が上昇した要因としては、障害者の生活支援、児童通所、母子又は未熟児に係る医療費の増加となっている。高齢者人口は減少傾向にあるものの、一人世帯の増加や障害福祉サービスのニーズの多様化などによる需要の増加が予測されるため、事業費の確保に努める必要がある。

その他の分析欄

対象費用は前年度より1.5百万円程度減少しているが、補助費等と同様の理由により当該数値は増加したものと考えられる。国民健康保険特別会計への繰出金が増加したものの、後期高齢者医療特別会計への繰出金の減少額が上回ったことで費用的には減少している。高齢化率は高いものの、人口減少が続いていることから、当該費用及び数値も減少していくものと見込んでいる。

補助費等の分析欄

当該費用は前年度より約8百万円減少しているが、前年度に対して0.7ポイントの増加となった要因としては、経常一般財源の減少及び他の費目の増減による影響と考えられる。減少した費用としては、情報ネットワーク、広域連合等、共同事業に要する負担金があるが、大きなウエイトを占める広域消防負担金は、前年度から横這いとなっており、今後も減少する見込みはなく、維持及び増加することが予想されるため、事業の見直し等経費の縮減に努める必要がある。

公債費の分析欄

前年度に続き類似団体平均と同水準で推移している。保育園や小学校建設、簡易水道の統合事業などの大型事業により、公債費がピークに近づいていることが要因となっている。今後も、防災行政無線整備事業や診療所・保健福祉センター建設といった規模の大きな借入れの償還を控えていることから、発行の抑制に努めていく。

公債費以外の分析欄

物価高騰の影響により、光熱水費や物品、維持管理に係る委託費用などが増加している一方で、普通交付税を始め各種交付金が減少していることもあり、前年度に比べ4.2ポイント上昇した。ゴミ処理やネットワーク、広域消防に係る負担金など、町の裁量では削減が難しい費用も増加しているため、事業、支出の精査、適正化を更に進める必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

最も構成比が大きいのは衛生費で、住民一人当たり296,676円となっており、類似団体平均と比べても高い水準となっている。東栄診療所・保健福祉センターの建設に伴う特別会計への繰出金の増加が主な要因であるため、令和5年度以降は減少する見込みである。総務費については、住民一人当たり206,173円であり、令和3年度と比較すると33%の減となり、類似団体平均と比べても低い水準となっている。財政調整基金への積立金の減少が主な要因である。土木費については、住民一人当たり98,352円であり、令和3年度と比較すると54%の増となったものの、類似団体平均と比べると依然として低い水準となっている。令和4年度の増加の主な要因は、橋梁補修設計業務及び工事に要する費用が増加したことである。消防費については、住民一人当たり80,235円で、令和3年度と同等の水準となった。令和元年度・2年度は防災行政無線の整備に係る経費を計上したため、類似団体平均と比べても高い水準であったが、今後は令和4年度と同水準で推移していくと見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり1,376,518円となっている。最も構成比が大きいのは繰出金で、住民一人当たり360,709円、令和3年度と比較すると23%増加しており、類似団体平均と比べても高い水準となっている。令和3年度・4年度の増加の主な要因は、東栄診療所・保健福祉センターの建設に伴うものであるため、令和5年度以降は減少する見込みである。維持補修費等については、住民一人当たり38,323円となっており、令和3年度と比較すると1,431%の大幅増となった。橋梁補修に係る事業費について、令和3年度までは普通建設事業費として区分していたものを、令和4年度は維持補修費に区分したことが主な要因である。扶助費については、住民一人当たり64,301円で、令和3年度と比較すると18%の減となった。令和3年度は児童手当の支給対象者への臨時特別給付金があったが令和4年度はないこと、住民税の非課税世帯を対象とした臨時特別給付金の額が減少したことが主な要因である。積立金については、住民一人当たり5,205円となっており、令和3年度と比較すると96%の減で、類似団体平均と比べても低い水準となっている。財政調整基金への積立金が減少したことが主な要因であり、基金残高を注視し、必要に応じて積み立てをするように努める必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金残高は、令和元年度に東栄病院特別会計の清算金を積み立てたことにより大きく上昇したが、近年は微減傾向となっている。実質単年度収支は、令和4年度は各種交付金、地方交付税及び臨時財政対策債などの一般財源の収入額が減少したことにより、基金への積み立てが大幅に減となったため赤字となっている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

公共下水道事業、簡易水道の両特別会計は、令和3年度は予算の計上誤りにより決算において不足が生じ、令和4年度予算において繰上充用を行うこととなったが、令和4年度は元の水準に戻った。農業集落排水事業特別会計を含めた3会計は、令和5年度から公営企業法適用となっているが、人口減少下における収入の確保が課題となっており、計画的な経営に努める必要がある。東栄診療所特別会計は、令和3年度まで「その他会計」として表示していたものを明確化したもの。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度は、平成26年度~28年度借入の中央統合簡易水道建設事業等に係る元金償還が開始したことにより、公営企業債の元利償還金に対する繰入金が増加した。また、平成30年度借入のとうえい保育園整備事業等に係る元利償還が開始したことにより、元利償還金が増加した。今後、令和元年度・2年度借入の防災無線整備事業や令和3年・4年度借入の東栄診療所・保健福祉センター整備事業に係る元金償還が始まることにより、元利償還金の額が増加する見込みであるため、新規発行額の抑制に努める必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度は、充当可能財源等の額が減少した。主な要因としては、診療所・保健福祉センター建設事業のため、病院施設整備費積立基金の取り崩し等をしたことによる充当可能基金の減、また、臨時財政対策債償還費等の減少による基準財政需要額算入見込額の減があげられる。令和元年度に東栄病院特別会計の清算金を財政調整基金に積み立てたことにより、以降は将来負担比率が0を下回っているが、ここ数年は、当初予算を組むために財政調整基金を取り崩さざるをえない状況が続いていることから、各種事業費の見直しや計画的な基金の積み立てなど財源確保に努める必要がある。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)普通交付税を始めとした一般財源が減少した中で診療所・保健福祉センター建設事業を行っており、財源として財政調整基金及び診療所施設整備費基金からの繰り入れを行ったことにより、基金全体では、約5億円の減少となった。(今後の方針)令和7年度の公債費のピークに向け、減債基金及び財政調整基金残高の確保に努める。現行庁舎の老朽化等による新庁舎建設について、具体的時期は未定なものの、次期総合計画の策定に向け、財源確保として当該基金への積極的積立を検討していく。公共施設等総合管理計画において、廃止・除却としている施設についての解体・撤去を進めるためにも基金の確保に留意する必要がある。

財政調整基金

(増減理由)普通交付税の大幅な減少及び物価高騰による経常経費の増加により、財政調整基金を取崩して対応したことから残高が減少した。(今後の方針)当該基金は、緊急時及び特定財源のない事業への財源対策としての重要な手段であるため、規模に明確な設定を設けてはいないものの、常に確保するよう留意している。令和7年度の公債費のピーク、物価高騰など、今後も予断を許さない状況が続くことが想定されるため、一般財源の確保と歳出削減を進め、積極的に積立てるよう意識している。

減債基金

(増減理由)一般財源の減少、物価高騰、診療所・保健福祉センター建設事業などにより、一般財源に余裕がなく前年度と同じ積立はできず、利息程度の積立となったため、残高は横ばいとなっている。当初予算時は、公債費の増加による財源対策として取崩しを見込んだが、年度末において財源確保の見通しが立ったため、取崩しを止め残高を確保することができた。(今後の方針)防災行政無線整備事業、診療所・保健福祉センター建設などの大型事業において借入れた地方債の償還が控えており、令和7年度の公債費のピークに向け残高の確保に留意していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・庁舎建設基金:庁舎の建設費用に使用・住宅開発基金:住宅又は宅地の整備に係る費用に使用・森づくり基金:森林環境の整備や木材の活用等に係る費用に使用・観光施設等整備管理基金:観光施設及び敷地等の整備管理に要する費用に使用・水と土保全基金:農地や土地改良施設の保全に係る費用に使用(増減理由)診療所・保健福祉センター建設に伴い、診療所施設整備費基金を取崩したため、残高が減少した。(今後の方針)庁舎建設等基金は、庁舎の建設計画の見込みが立っていないため取崩し時期は未定であるが、庁舎の老朽化は明確なため、早期実現に向け積立に努める。観光施設等整備管理基金は、寄附行為により設置したものであるが、当該基金を積極的に活用し、誘客、活性化に繋げるよう努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本町の施設は、昭和40年代から50年代に整備されたものが多く、現在では老朽化が進んでいる施設もある。保育園、小学校は、町内各所の施設を統合し新築したが、財源に余裕がないことなどから、更新が進まず、既存のままとなっている施設も多いため数値が高止まりしている。公共施設等総合管理計画の個別施設計画において、目標年度と目標値を定めていることから、今後は不要施設の除却を含めて進めていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

令和元年度に病院事業が民営から公営に移った際、減価償却費の赤字補填として数年間繰出していた費用を財政調整基金へ積立てたことにより基金残高が大きく増加したため、当該数値は小さくなった。地方交付税を始めとした経常一般財源が減少傾向にある中において、公債費等の経常経費の抑制や、投資的経費には補助金等の特定財源を積極的に活用するなど、財源確保に留意する必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担額に対し基金残高が充足していることから、現在は将来負担比率が生じていない状況であるが、施設の老朽化対策が進んでいないため、有形固定資産減価償却率は非常に高くなっている。経常収支比率が80%に近いため、現状では長寿命化や施設の除却に多額の費用は使えないが、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、計画的に老朽化対策に取り組んでいく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担額に対し基金残高が充足していることから、現在は将来負担比率が生じていない状況であるが、実質公債費比率は類似団体と比較して若干高い傾向にある。交付税措置があり財政的に有利な過疎対策事業債や辺地対策事業債を積極的に活用していることも要因の一つと思われるが、今後、令和元年度・2年度借入の防災無線整備事業や令和3年・4年度借入の東栄診療所・保健福祉センター整備事業に係る元金償還が始まることにより、元利償還金の額が増加する見込みであるため、新規発行額の抑制に努める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は道路であり、学校施設は平均並みである。道路については、人口は減少しているものの集落は点在しているため、一人当たり延長は高い水準となっているが、更新が進んでいないことから有形固定資産減価償却率は高いままとなっている。学校施設については、町内各所の小学校を統合し、平成25年度には新築したことから、他の施設と比べて有形固定資産減価償却率の数値が低くなっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は庁舎である。本庁舎(昭和32年建設)や分庁舎(昭和47建設)は、当時のものを補修・改修により使用しているため100%に近い数値となっており、耐震性能も有していないことから大規模災害時の拠点としての機能を維持するためにも早期の更新が必要な状況である。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から764百万円の減少(▲5.7%)となった。金額の変動が大きいものは基金とインフラ資産である。基金は、「東栄診療所・保健福祉センター建設事業」のため病院施設整備費積立基金から396百万円取り崩し、その他に財政調整基金を116百万円取り崩したことなどが影響している。インフラ資産は工作物減価償却累計額が262百万円の減少となったことなどから、全体で166百万円の減少となった。負債総額は前年度末から84百万円の減少(▲1.6%)となった。金額の変動が大きいものは地方債等(固定負債)であり、平成30年度に発行した「とうえい保育園建設事「業」を含めた過疎対策事業債等の償還が始まったことから、地方債償還額が発行額を上回り、88百万円減少した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は3,743百万円となり、前年度比194百万円の増加(+5.5%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は1,989百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は1,754百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。最も金額が大きいのは物件費(1,432百万円)、次いで他会計への繰出金(1,028百万円)であり、純行政コストの68.3%を占めている。「東栄診療所・保健福祉センター建設事業」は本年度で終了することから、来年度以降は他会計への繰出金が減少する見込みであるが、事業の見直しの推進等により、経費の抑制に努める必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(3,042百万円)が純行政コスト(3,603百万円)を下回っており、本年度差額は▲561百万円となり、純資産残高は680百万円の減少となった。人口減少・高齢化・個人事業主の後継者不足等により、税収の増加を見込むことは困難であるため、事業の実施にあたっては補助金等の確保に努める必要がある。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は▲206百万円となり、税収等の不足分を補うため、病院施設整備費積立基金や財政調整基金等を取り崩したことなどから、投資活動収支は386百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから、169百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から10百万円増加し、295百万円となった。しかし、行政活動に必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であり、経費の抑制に努める必要がある。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率が類似団体平均値を下回り、有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を上回っている。本町の施設は、昭和40年代から50年代に整備されたものが多く、保育園、小学校は、町内各所の施設を統合し新築したが、既存のままとなっている施設も多いためである。公共施設等総合管理計画の個別施設計画に基づき、施設の統廃合、集約化、解体撤去を進め、公共施設等の適正管理に努める必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均値を下回っている。純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少し、昨年度から1.7ポイント減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、行政コストの削減に努めるとともに、公共施設等の適正管理に努める必要がある。将来世代負担比率は、類似団体平均値を上回っており、また、昨年度と比べて1.5ポイント増加している。交付税措置があり財政的に有利な過疎対策事業債や辺地対策事業債を積極的に活用していることも要因の一つと思われるが、将来世代の負担減少のため、新規発行額の抑制に努める必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均値と同程度であるが、額は昨年度から増加(+10.8百万円)している。「東栄診療所・保健福祉センター建設事業」は本年度で終了することから、来年度以降は他会計への繰出金が減少する見込みであるが、事業の見直しの推進等により、経費の抑制に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均値を上回っており、金額は前年度と同水準となっている。負債総額は地方債等(固定負債)が88百万円減少したことにより、前年度末から84百万円の減少(▲1.6%)となったが、人口も85名減少(▲2.9%)したためである。基礎的財政収支は、業務活動収支及び投資活動収支ともに赤字であったため、▲308百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、「東栄診療所・保健福祉センター建設事業」などを行ったためであるが、業務活動収支が赤字になっているのは、経常的な支出を税収等の収入で賄えていないためであり、地方債に依存する形になっている。事務事業の見直しによる事業費の抑制、補助金等の特定財源の活用などによる地方債発行額の抑制に努める必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、昨年度から減少しており、特に、経常収益が昨年度か57百万円減少している。公共施設等の使用料の見直しや、利用回数を上げるための取組を行うことなどにより、受益者負担の適正化に努める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,