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地方財政ダッシュボード

静岡県西伊豆町の財政状況(2019年度)

🏠西伊豆町

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

人口減少や全国平均を上回る高齢化率に加え、基幹産業である観光業の低迷等による個人・法人町民税の減収により財政基盤が弱くなり、類似団体平均を下回っている。西伊豆町版総合戦略や過疎地域自立促進計画に基づき、特産品の六次産業化や第一次産業への新規就業者を増やすといった、将来増収に繋がる取り組みを継続し、一方で公共施設の再編など、経費節減策を進め財政の健全化に努める。

経常収支比率の分析欄

ふるさと納税により基金に余裕ができたことで、従来のサービスを低下させず新規事業を増やしていった結果、減らすことのできない経常経費と化し、弾力性を損なっている。今後、公共施設の再編など大型投資事業による公債費の増加が見込まれるため、事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事業については計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。また、経常経費に対し過度に基金を充当しないよう抑制する。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均に比べ大幅に上回っているのは、主に物件費を要因としており、ふるさと納税寄附件数が平成30年度に比べ約2倍になったことによる返礼品及び書類の送料増加や、地方創生推進交付金を活用した地域経済活性化施策等による支出の増加が挙げられる。一般財源を用いない事業は積極的に行うが、今後、長期的な財政シミュレーションを行い、需用費などの削減を計画的に進めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

当町職員の平均年齢は高く、類似団体平均を上回る数値で推移しているが、経験年数の長い未昇格職員が増加することによって、ラスパイレス指数は3年連続で減少している。今後は、人事評価制度を適用し、より一層の給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均とほぼ同率となっているが、全国・県平均と比較すると大幅に上回っている。主な要因として、支所・出張所や認定こども園設置数が多いことにより、職員数を削減できていないことにある。将来人口を見据え、町村合併によって過剰になっている施設数を統廃合により削減し、より適切な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

令和元年度の単年度実質公債費率は5.4%で、3年平均では3.9%となり、類似団体平均を4.9ポイント下回っている。今後、大型投資事業による起債の増加を予定しているが、長期的な計画に基づき償還額の平準化を図り、引き続き比率の抑制に努めていく。

将来負担比率の分析欄

ふるさと応援基金の積立による充当可能基金の増により、将来負担比率は0%となっている。しかし、今後数年間のうちに公共施設の再編に伴う大型投資事業を控えており、将来負担額の増加が見込まれることから、後世への負担を少しでも軽減するよう計画的な事業執行を図る。また、経常経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

前年度に比べ1ポイント増加し、類似団体平均を0.9ポイント上回っているが、主な要因としては、町村合併してからも支所・出張所や認定こども園の設置数を減らせていないことが考えられる。人口構造の変化に即した施設再編を進めるとともに適正な人員配置を行い、人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

増加の主な要因は、ふるさと納税寄附件数が平成30年度に比べ約2倍になったことによる返礼品及び書類の送料増加や、地方創生推進交付金を活用した地域経済活性化施策等による支出の増加が挙げられる。一般財源を用いない事業は積極的に行うが、全体として適正な事業量に留めるよう、なお一層の取捨選択を進めていく。

扶助費の分析欄

前年と同値で類似団体平均を下回る値で推移している。今後も疾病予防等の知識と健康意識の高揚及び健康寿命の延伸を目的とした「健幸づくり事業」を推進し、医療費に係る支出の縮減に努めるとともに、高齢者の交通費助成といった独自事業を維持し、住民サービスに努める。

その他の分析欄

前年度に比べ0.3ポイント増加したが、金額的には微増である。主な増要因としては、公共施設の維持修繕費が増加したことによる。今後も公共施設の老朽化により維持管理費の増加が見込まれるため、緊急の場合を除き、公共施設等個別施設計画に基づき計画的に修繕を進めていくなど、管理体制の転換を図っていく。

補助費等の分析欄

前年度に比べ1.9ポイントと大きく増加した主な要因は、新型コロナウイルスによって停滞した観光業への補助金増等によるものである。また、町社会福祉協議会をはじめとした各種団体への補助金や下田地区消防組合分担金、西豆衛生プラント組合への負担金が多額となっている。補助金については、事業内容を精査し、必要性の低い事業の見直しや廃止を進めていく。

公債費の分析欄

公債費は、令和元年度は高くなったものの以降は償還が進むことにより減少していく。しかし、今後予定している大型投資事業をいつ行うかによって一時的に大きな額を返済することも想定されるため、過度な負担とならないよう財政シミュレーションを行い平準化を図り、世代間の公平性を保つよう努める。

公債費以外の分析欄

ふるさと納税により基金に余裕ができたことで、従来のサービスを低下させず新規事業を増やしていった結果、減らすことのできない経常経費と化しているが、平成30年以降は基金から経常経費への充当を減らしていることにより大きく上昇している。事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事業については計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費は、住民一人当たり327,654円で類似団体平均の約2倍になっている。前年度と比較し大きく増となったのは、大型投資事業の原資積立、ふるさと納税の増加に伴う基金積立、森林整備基金創設に伴う原資積立等その他特定目的基金への積み立てを増やしたためである。・商工費は、住民一人当たり127,003円で類似団体の中で2位となっている。これは、ふるさと納税業務の充実を図るため平成28年度から商工部門にふるさと納税係を新設していることが要因である。また、新型コロナウイルスの影響による地域産業対策として、観光協会運営費補助金の増額、プレミアム付商品券の発行等の施策を行ったことにより、前年度より増加した。・土木費は、改修事業より長寿命化等の維持保全事業にシフトしていることで全体的な支出が抑えられている。長大橋梁の修繕等一時的に大きな支出が生じる場合もあるが、年度間を支出をできるだけ平準化していく。・消防費は、住民一人当たり63,852円と前年より大きく増加した。これは、津波避難タワーの建設に着手したことが主な要因である。今後も数年の内に津波避難タワーを3基建設するため、大きな支出が生じることとなる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・歳出決算総額は、住民一人当たり962,982円となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり124,149円で増加傾向にあり、平成27年度から比較すると12.5%増加し類似団体平均を上回る水準となっている。要因としては、職員数が類似団体平均と比較して多く、平均年齢も高いことが考えられ、将来人口に見合った定員管理を行う必要がある。・類似団体と比較し積立金が多いのは、ふるさと納税によるところが大きいが、寄附金が減っても健全な財政運営ができるよう経常経費の削減に努める。・普通建設事業費は住民一人当たり97,800円となっており、3年続けて類似団体と比較して一人当たりコストが低い状況となっている。令和元年から2年度にかけて公共施設等個別施設計画を策定し、計画的に施設の更新を進めていくことで事業費の平準化を目指す。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

令和元年度は、歳出の増加により財政調整基金の取り崩しを行っている。また、計画している大規模事業の原資をその他特定目的基金に積み替えたことにより大きな減となり、標準財政規模に占める割合では12.91ポイント減少した。今後も新型コロナウイルスにより影響を受けた地域経済への対策費用の増加や、その他特定目的基金への積み替えを予定しているため、実質単年度収支はマイナスが続く恐れがあるが、財政調整基金は最低でも標準財政規模の2割程度を確保していく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

連結実質黒字額は増加しているが、これは多くの割合を占める公営企業会計において、施設更新を行う費用を貯蓄していることが主な要因である。一般会計の自主財源は、町税の減収をふるさと納税でカバーする状態になっているが、令和元年度においては経常経費に寄附金を充当していないため財源不足となり、財政調整基金から繰入し実質収支を黒字とした。水道事業会計は、人口減少等により流動資産が減少しているが流動負債も減少しているため、黒字額は大きく変化していない。水道事業ビジョン経営戦略により、人口減少社会に即した施設のダウンサイジング化等によって経費削減に努めていく。温泉事業会計は、人口減少及び観光客の減少により減収傾向にあるが、施設更新等の支出が少ないことで流動資産は増加傾向にある。今後は、施設の省エネルギー化によって、動力費などの経費削減に努めていくが、工事を施工することで一時的に黒字額が減少することになる。介護保険特別会計は、平成29年度に介護保険料の引き上げを行い、ケアプラン見直し等の改善も行った結果黒字額は増加傾向にあるが、団塊の世代が全て75歳以上となる令和7年度に向かって、黒字額が減少していくことが懸念されることから、介護保険料の改正は慎重に判断していく。国民健康保険特別会計及び後期高齢者医療特別会計は、大きな変化がないが、健幸づくり事業を継続し歳出削減に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

令和元年度は、元利償還終了分よりも償還開始分が多く、前年度比で7千3百万円の増額となった。財政シミュレーションでは、令和元年度が近年の返済ピークとなる。今後予定している大規模事業によって地方債の借り入れを行う場合でも、無理のない償還ができるよう中長期的な視点で償還計画を立てる。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

令和元年度末における一般会計等に係る地方債の現在高は47億9百万円で、前年度と比較し4億3千万円減少している。一方、充当可能基金は54億4千9百万円で、前年度と比較し9億5千万円減少したが、これは、新町建設計画で定めた事業を執行するために合併特例債を借り入れて創設した西伊豆町振興基金を、充当可能財源から除外したことが主な要因である。今後の公共施設の再編等には、後世への負担を少しでも軽減するよう可能な限り基金を充当していく方針である。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)・決算剰余金を財政調整基金に1億5千万円積み立てた。・ふるさと納税については、寄附金の収入及び繰越余剰金を12億円積み立てた一方、ふるさと応援基金充当事業に9億4千1百万円取り崩した。・公共施設の整備に備えるため公共施設等総合管理基金に3億円を、森林環境譲与税の受け皿となる基金を新設し1億円を、それぞれ財政調整基金から積み替えたことにより、その他特定目的基金が増加した。・一般会計の財源調整として3億円を取り崩した。基金全体としては、5千百万円の増となった。(今後の方針)・決算剰余金は財政調整基金に積み立てていく。・基金の使い道を明確にするため、大規模事業の事業計画に従い、財政調整基金からその他特定目的基金に積み替えていく。

財政調整基金

(増減理由)・決算剰余金を1億5千万円積み立てたことによる増加・利子及び運用益により2千3百万円の増加・その他特定目的基金に4億円積み替えたことによる減少・一般会計の財源調整として3億円取り崩したことによる減少(今後の方針)・令和7年度までに、段階的にその他特定目的基金へ積み替えていく。・急な支出にも対応できるよう、最低でも標準財政規模の2割程度(約7億円)は確保する。

減債基金

(増減理由)・増減なし。(今後の方針)・利率の高い地方債については償還済のため、当面は積立を行わない。

その他特定目的基金

(基金の使途)・ふるさと応援基金:ふるさと納税制度により寄せられた寄附金を活用し、ふるさとと言いたくなる夕陽の町づくり事業の財源に充てる。・公共施設等総合管理基金:公共施設等総合管理計画に基づき、総合的かつ計画的な更新、統廃合及び長寿命化に要する経費に充てる。・西伊豆町振興基金:町民の連帯の強化及び地域振興を図るため、新町建設計画に定めた事業に充てる。・森林整備基金:町内の森林の整備及びその促進の財源に充てる。(増減理由)・ふるさと応援基金:ふるさと納税制度により寄せられた寄附金及び繰越余剰金を12億円積み立て、ふるさと応援基金充当事業に9億4千1百万円取り崩したことにより、2億5千9百万円の増加・公共施設等総合管理基金:今後予定している大規模事業のために3億円を積み立て、公共施設整備のため7千6百万円を取り崩したことにより、2億2千4百万円の増加・森林整備基金:森林整備継続事業の原資として1億円及び森林環境譲与税を活用した新規事業に4百万円を積み立て、林業関係事業費に千3百万円取り崩したことにより9千百万円の増加(今後の方針)・ふるさと応援基金:ふるさと納税の動向に注視しながら多額な積立にならないよう、積極的にまちづくり事業に充当していく。・公共施設等総合管理基金:大規模事業に備え、計画的に財政調整基金から積み替えていく。短期的には15億円程度まで増加するものの、中期的(令和7年目途)には大きく減少していく見込み。・西伊豆町振興基金:地方債償還が完了した分から、順次新町建設計画に位置付けられている事業に充当する。・森林整備基金:間伐等の森林整備を継続することができるよう必要額を積み立てる。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

施設の老朽化が進み、公会計上の耐用年数を迎えている施設もある。建替えが特定年度に集中しないよう、公共施設等個別施設計画に基づき計画的に更新を行っていく。

債務償還比率の分析欄

充当可能基金残高が多く平均を大幅に下回っている。また、今後数年間で多くの公共施設の更新をしていかなければならず、基金を投じることで急激な数値上昇が見込まれる。今後も起債と基金積立のバランスをみながら慎重に資金運用していく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して高い水準にあるということは、施設更新が進んでいないといえる。町村合併し、人口減少が進む中で役割を終えた施設の廃止・統合と更新を計画的に行う必要がある。将来負担比率は、基金等の充当可能財源が将来負担額を上回っているため数値なしとなっており、グラフ化されない。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費率は、近年に大規模事業を実施しておらず償還額を抑えているため類似団体と比較して低い水準にある。将来負担比率も、基金等の充当可能財源が将来負担額を上回っているため数値なしとなっている。今後数年間のうちに、老朽化施設の建替えや文教施設の統合など大規模事業の実施を予定しており、数値の悪化が見込まれるため、財政シミュレーションの精度を高め計画的な起債に努めるとともに、経常経費の削減を中心とする行財政改革に努め、引き続き財政の健全化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路及び橋梁・トンネルは有形固定資産減価償却率が高いが、これは新設が少ないためと思われる。アセットマネジメントに従い施設の更新を行っていく。公営住宅は老朽化しているが、現在の入居者が退所するタイミングで廃止を予定している。港湾・漁港については、類似団体の中で有形固定資産減価償却率が最大値となっている。施設更新の必要性があるものの、建設当時と比較すると漁業者数が激減しており、過度な投資は難しい。認定こども園・幼稚園・保育所及び学校施設は再編の最中で、複合化と地震・津波に対応しつつ、将来の子ども数に見合った施設に変える計画を立てている。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

一般廃棄物処理施設の一人当たり有形固定資産(償却資産)額が最大値の622,622円となっている。これは、観光客数の増加を見込んだ計画で建設したことが要因と思われるが、現在では建設当時と比較し観光客は減少しており、人口規模に対して過大となっている。消防施設の一人当たり面積も最大値に近い0.384㎡となっている。これは、人口減少に対応した消防団の再編が進んでいないことが要因である。今後、老朽化した施設の更新に当たっては、人口規模に合わせた施設総量に変更していくが、広域化などによる利便性の低下を抑えた上で、住民の合意形成を得る必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,