経営の健全性・効率性について
地区人口、観光交流客数の減少により、施設利用率は平成27年度より減少し続けている。経費回収率は高い水準を保っているが、今後、過疎化、高齢化により地区人口は減少していくことが予想されるため、経費削減、施設運転の効率化を図っていく必要がある。施設の老朽化に伴う修繕費の増加及び電気料の増加により増加傾向にある汚水処理費が、上記理由により減少傾向にある使用料収入を上回っているため、収益的収支比率は平成29年度以降100%を下回っている。経費回収率は平成26年度と平成30年度に100%を下回っているが、平成26年度は施設修繕に費用を要したため、財源不足に備えて積み立てていた基金の繰入を行った。平成30年度は前年度繰越金で不足分は補うことができている。このため、100%を下回っている年でも実質収支では黒字となっている。一般会計からは、地方債償還金及び地方債利息に係る金額のみ繰入を行っている。
老朽化の状況について
平成3年の施設稼働から現在に至るまで配管等の施設更新を実施していないため、全体的に老朽化が進んでいる。日々のメンテナンスや設備の交換、修繕により大きなトラブルもなく、施設は稼働できている。今後も施設利用を継続していくため、計画的な設備更新を検討する必要がある。
全体総括
処理区域のほぼ全戸が加入しているが、過疎化や高齢化により処理区域の人口は減少していくことが予想されるため、使用料の増収は望めないと思われる。現在のところ施設運営は安定しており、基金の積み立ても行っているが、老朽化が進んだ設備全体を一度に更新することは困難であると思われるため、長期使用を想定した計画的な改修を実施していくことが必要と思われる。