経営の健全性・効率性について
■収益的収支比率収益的収支比率が100%未満となっており、赤字経営となっている。平成29年度は、近5年中最低の64.17%となっているが、使用料単価が安すぎることにより、使用料収入が少なくなっていることが主な原因である。■企業債残高対事業規模比率公共下水道の整備が概ね完了しており、起債の残高が年々減少しているが、使用料収入等の営業収益が少ないため、平成27年度以降、以前より高い水準で推移しているものの、類似団体の平均値との比較ではやや低くなっている。■経費回収率平成29年度の経費回収率は、58.03%と直近5年間の中で最低となっている。この要因は、料金収入の伸び悩みと、流域下水道維持管理負担金が年々増額していることによるものである。■汚水処理原価平成29年度の汚水処理単価は150円と前年並みであったが、近5年の傾向を見ると、流域下水道維持管理負担金の増加に伴い、微増傾向にある。ただし、類似団体の平均値との比較では低い水準で推移しており、効率的な運営ができていると言える。■水洗化率平成29年度の水洗化率は94.23%となっており、直近5年間を見ても微増傾向にある。接続件数の増加に伴う水洗便所設置済人口の増加によるもので、類似団体の平均を大きく上回っている。
老朽化の状況について
伊豆の国市の下水道管渠は、昭和51年に事業着手し、昭和60年から供用開始したため、古いものは40年以上経過している。今までは、長寿命化計画に基づき管渠等の改善を行ってきたが、平成27年の下水道法改正で、事業計画に施設機能の維持管理方針等の記載が義務付けられたため、持続的な下水道機能や安定的サービスの確保、ライフサイクルコストの低減等を図れるようストックマネジメント計画を策定し、維持管理事業を行っている。
全体総括
経営改善のため、平成30年度に下水道使用料の値上げを行ったが十分な水準であるとは言えず、今後も計画的な使用料の値上げが必要である。汚水処理原価は、類似団体の平均値より低い水準で推移しているが、平成30年度に狩野川流域下水道の維持管理負担金の単価の見直しが行われており、維持管理費を減少するためにも不明水の削減に努めることが必要である。水洗化率についても類似団体の平均を大きく上回っているが、100%未満であるため、引き続き接続促進を図ることが必要である。