経営の健全性・効率性について
経営の健全性を示す経常収支比率は100%を達成しているものの、使用料収入で必要経費を賄う指標である経費回収率が39.05%と低くなっている。経費回収率が低いのは、個別排水処理事業で整備した地区が下水道区域や農業集落排水区域に比べ少人数世帯が多く、使用水量が少ないため汚水処理原価が高いことによるものだが、類似団体と比べてもその傾向が一層強いことがわかる。流動化比率は令和元年度と比較して高い数値となっている。令和元年度は決算処理において純利益を公共下水道に充てる処理を行ったが、令和2年度からは赤字事業の補填のために純利益を分配する処理を行ったためである。企業債残高対事業規模比率については、今後、浄化槽の新規設置は特定地域生活排水処理事業により実施するため企業債の新規借入を行わず、企業債残高は減少していくため比率は下がっていく見込みである。水洗化率は100%であり整備・接続は完了しているが、施設利用率は51.25%と低い状況である。これは今後も人口減少により低下傾向が続くと予想される。
老朽化の状況について
浄化槽本体の耐用年数は28年であるが、個別排水処理事業での浄化槽整備は平成14年度から始まっているため、当面、浄化槽本体について更新等は不要であり、ブロワー交換等の維持管理が主になると想定している。
全体総括
当事業は市民生活の根幹にかかわる社会インフラであり高額な投資を要するが、使用料金は20㎡あたり3,845円と高料金であるため、市民生活への影響が大きく、また下水道事業や農業集落排水事業との公平性の観点からも使用料金の値上げは困難である。そのため汚水処理原価が高く、経費回収率が低い傾向は今後も続くものと思われる。当該事業においては必ずしも経営面で健全であるとはいえないが、令和元年度より公営企業会計に移行したことから、今まで以上に効率的な維持管理に努め、経費節減を図っていきたいと考えている。なお、平成28年度に策定した経営戦略は、公営企業会計に移行したこと、また、策定から4年を経過したことから令和2年度に改定を行ったが、中間の見直しを令和6年度に行う予定としている。