経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は前年度と比較すると6ポイント上昇しているがおおよそ横ばい傾向を推移している。公債費は、当面同水準であると推測されるため引続き維持管理の節減に努める必要がある。④企業債残高対事業規模比率は、類似団体平均よりも高い水準を指しているが、当村のデータのみをみると減少傾向である。起債償還満了に伴い償還額が減少していることによるが、今後は財政負担の平準化を図りながら計画的な設備更新を行い、新規発行債の抑制をしていく必要がある。⑤他会計からの繰入金によって収支均衡が図られている現状であり、平成9.13.14.17年に各地区の供用を開始しているが、これまで料金改定(見直し含む)を行ったことがないため、段階的かつ地域性に見合った料金体系とすることが大きな課題とされる。人口流出や高齢化が著しいことから新規接続も厳しい状況であり、収益の大きな増額は見込めないことから、今後は更なる低迷状態となることが予想されるため引き続き維持管理費に係るコスト節減が必要とされる。⑥汚水処理原価は、おおよそ横ばいを推移しているが、類似団体平均と比較すると処理に係る費用が2倍となっており、接続率に伸びがないことが大きな課題であると考える。今後も同水準を推移していくことが予想されるが、より最適な処理方法等を検討し、維持管理費用の節減に努めながら新規接続を増やしていく必要がある。⑦汚水処理人口に大きな変動は見られないため横ばい傾向を推移している。将来的に人口の増加も厳しいことから新規接続も期待できないことに加え、度重なる人口流出により接続率は減っていくことが予想される。今後はスペック改善や施設の在り方等の検討が必要とされる。⑧人口減少が著しく広報等での啓発活動に取り組んでいるが伸びがない状況である。高齢化率が年々上昇傾向であるため今後も水洗化率の極端な減少はないと予想されるが新規接続による水洗化率の向上は極めて厳しい状況であると推測される。
老朽化の状況について
平成9.13.14.17年に各地区に漁業集落排水施設が整備されて以来、更新、管渠延長はない。今後は新たな維持管理計画を策定し、財政負担の平準化に留意しながら計画的な設備更新に努めるほか、人口動態を推測しながら汚水処理人口に見合ったスペック改善等に努めたい。
全体総括
度重なる人口減少に歯止めがかからない中、高齢化率も更に上昇傾向であり、水洗化率・施設利用料が低迷状態であるため、料金収入にも大きな変動がなく他会計繰入金によって収支均衡が図られている。供用開始して以来、料金の見直しを行ったことがないため、段階的かつ将来の汚水処理人口を見据えた料金体系の構築を行い収益の増を図っていきたい。また、高齢化の状況や人口の減少をみると、今後も収益の増は期待できないことから、維持管理計画を策定し、財政負担に留意しながら、低コスト高効率化に努め適切な維持管理に努めたい。