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地方財政ダッシュボード

宮崎県西都市の財政状況(2018年度)

🏠西都市

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 末端給水事業 簡易水道事業 公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

全国平均を大幅に上回る高齢化率36.22%(平成31.4.1現在)や人口の減少に加え、農業以外に中心となる産業がなく、地方交付税や国・県支出金に対する依存割合が高い脆弱な財政基盤であるため、類似団体平均0.42を0.03ポイント下回る0.39となった。なお、近年、財政力が0.01ポイントずつ伸びているが、これはふるさと納税の影響によるものである。今後もふるさと納税制度を推進するとともに、継続的に行財政改革を実施することで行政の効率化を図り、企業誘致の推進等により、更なる歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

歳出における経常経費充当一般財源は、扶助費(-0.2%)と公債費(-0.1%)が減少したものの、人件費(+2.0%)が増加になった。また、歳入における経常一般財源は、市税(+1.8%)や利子割交付金等の各種交付金(+2.7%)が伸びたものの、地方交付税(-2.3%)、使用料(-1.7%)及び諸収入(-63.6%)の減に伴い、経常収支比率は、前年度比4.4ポイント増の94.8%になった。今後も引き続き行財政改革を推進し、定員管理の適正化や市債の適正発行等により、人件費や公債費の抑制を図るとともに、事務事業の合理化等による経常経費の削減及び歳入確保対策に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均166,403円を若干上回っている。平成25年度から5カ年連続で増加(人口1人当たり170,232円)しており、また、全国平均、宮崎県平均と比較すると大幅に上回っている。この要因として、給与水準は類似団体等より低いものの、消防業務を直営で行っていること、農林水産業・商工・土木関係の職員数が類似団体平均より多いこと等により、人件費が高くなっているためと考えられる。今後も組織の簡素合理化、事務事業の見直しの推進等により、定員管理の適正化を図り、人件費・物件費の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

国家公務員の時限的(平成23~24年度)な給与削減措置により、平成23~24年度のラスパイレス指数は100を超えていたが、その時限措置が復元した結果、平成26年度は類似団体平均を0.7ポイント下回る96.2、平成27年度は1.2ポイント下回る96.5、平成28年度は1.0ポイント下回る96.6、平成29年度は0.5ポイント下回る97.1となった。なお、平成30年度は97.6で類似団体平均を0.2ポイント上回る結果となった。今後も点検を継続するとともに、人事評価結果が反映される昇給制度を確立するなど、一層の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成31年3月31日現在の職員数は337名、人口1,000人当たりの職員数は11.05人で、全国平均を3.10人、宮崎県平均を3.40人上回っている。また、類似団体平均を1.51人上回っており、順位もほぼ中間に位置している。要因としては、消防業務が直営であることや農林水産業・商工・土木関係等の職員数が類似団体平均より多いことなどが考えられる。今後も行財政改革大綱に基づき、組織体制の整理合理化や職員の計画的採用などを進め、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金などの準元利償還金は増加したものの、公債費負担適正化計画や行財政改革による起債抑制、繰上償還により元利償還金が減少した結果、平成30年度決算では、対前年度比が0.2ポイント上昇し5.4%となり、類似団体平均比では3.1ポイント下回った。また、全国平均及び宮崎県平均についても下回っている。しかしながら、数年後に新庁舎建設等の大型事業の償還が始まることから、これからも引き続き市債借入額を抑制し、公債費の適正化に努める。

将来負担比率の分析欄

平成28年度から平成29年度にかけて、2カ年度連続で将来負担比率は「-」だったが、平成30年度は5.4となった。全国平均からは23.5ポイント、宮崎県平均からは10.2ポイント下回っており、また、類似団体平均から10.0ポイント下回り順位はほぼ中間に位置している。その要因として、繰上償還や起債抑制により、地方債残高が低い状況にあることや西都児湯環境整備事務組合の地方債負担見込額の減少等が挙げられる。今後も新規債の発行を適正額にとどめるなど、公債費等義務的経費の削減を進め、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

職員1人当たりのコスト(102,147円)は、類似団体平均(83,394円)を上回っていることから、人件費に係る経常収支比率は、類似団体平均を7.9ポイント上回っており、順位も下位に位置している。これは、人口1,000人当たりの職員数が多いためであるが、この主な要因として、消防業務を直営で行っていることなどが考えられる。今後も組織の簡素合理化、更なる事務事業の見直しを図りながら定員管理の適正化に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、全国平均より0.2ポイント、宮崎県平均より0.7ポイント下回っているが、前年度より1.5ポイント上昇したことから、類似団体平均より0.5ポイント上回っており、順位は中間に位置する結果となった。この主な要因は、指定管理による委託料の増や賃金・旅費・役務費等の経費の増加によると考えられるが、今後も引き続き、事務事業の合理化等による更なる経常経費の削減等により、その適正化に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、前年度より2.6ポイント上昇している。また、全国平均は0.1ポイント、類似団体平均は4.2ポイント上回っており、順位は最下位に位置している。特に社会福祉費、児童福祉費等に係る決算額の比率が高くなっているが、その要因として、主に障害者自立支援費の充実や認定保育園運営費負担金等の増加によるものと考えられる。今後も社会保障費の増加が見込まれるため、引き続き適正化に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、前年度と同じ20.2となり、全国平均を6.9ポイント、宮崎県平均を6.7ポイント、類似団体平均を5.7ポイント上回っており、順位も下位に位置している。繰出金の中でも国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療広域連合、介護保険事業特別会計及び公共下水道事業会計に対するものが大きな比重を占めていることから、経営計画の見直しや保険料等の適正化を図り、普通会計の負担軽減に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度より1.6ポイント改善したことから、全国平均を3.5ポイント、宮崎県平均を1.0ポイント、また、類似団体平均を6.1ポイント下回っており、順位も上位に位置している。今後も引き続き、更なる補助事業の見直しや整理合理化を推進することで経常経費の削減に努め、その適正化に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度より0.1ポイント改善している。また、全国平均は7.0ポイント、宮崎県平均は9.0ポイント、類似団体平均も9.1ポイント下回っており、順位も上位に位置している。しかしながら、数年後に新庁舎建設等の大型事業の償還が始まることから、今後は上昇していくことが予想されるため、これからも引き続き、市債借入額の抑制等により、公債費の適正化に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は、4.5ポイント上昇している。また、全国平均を8.8ポイント、宮崎県平均を11.1ポイント、そして類似団体平均を12.2ポイント上回っている。これは、人件費・扶助費・その他の値が高いことが主な要因であるが、人件費は、消防業務の直営等により、また、扶助費と繰出金については、少子高齢化に伴う社会保障関連経費の増等によると考えられるため、今後も定員管理の適正化や効率化に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別経費については、全体的に類似団体とほぼ同程度で推移しているが、特に民生費、衛生費及び公債費について差異が生じている。民生費における住民一人当たりのコストは195,366円であり、全国平均比較で30,269円、宮崎県平均比較で12,741円、類似団体比較で32,268円高くなっている。これは、少子高齢化に伴う社会保障関連経費の増加等によるものである。近年は、特に社会福祉費、児童福祉費、生活保護費に係る決算額の比率が高くなっている。その要因として、主に障害者自立支援費の充実、私立保育園や認定保育園の運営費負担金等の増加によると考えられる。今後も少子高齢化の進行や子育て支援の充実などにより扶助費の増加が見込まれるため、引き続き適正化に努める。衛生費における住民一人当たりのコストは53,371円であり、全国平均比較で16,827円、宮崎県平均比較で19,187円、類似団体比較で5,516円高くなっている。これは、地方独立行政法人西都児湯医療センターへの救急医療に対する負担金等の影響が考えられるため、引き続き、状況を考慮しながら適正化に努める。公債費における住民一人当たりのコストは30,360円であり、全国平均比較で12,627円、宮崎県平均比較で21,516円、類似団体比較で36,948円低く、大幅に下回っている。要因としては、繰上償還や起債抑制により、地方債残高が低いこと等が挙げられる。今後は、数年後に新庁舎建設等の大型事業の償還が始まるため、新規債の発行を適正額にとどめるなど、公債費の削減を進め、財政の健全化に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

性質別経費については、全体的に類似団体とほぼ同程度で推移しているが、特に扶助費、公債費、繰出金等について差異が生じている。扶助費における住民一人当たりのコストは123,262円であり、全国平均比較で19,562円、類似団体比較で35,256円高くなっている。これは、少子高齢化に伴う社会保障関連経費の増加によるものである。近年は、特に社会福祉費、児童福祉費、生活保護費に係る決算額の比率が高くなっている。その要因として、主に障害者自立支援費の充実、私立保育園や認定保育園の運営費負担金等の増加によると考えられる。今後も少子高齢化の進行や子育て支援の充実などにより扶助費の増加が見込まれるため、引き続き適正化に努める。公債費における住民一人当たりのコストは30,360円であり、全国平均比較で12,576円、宮崎県平均比較で21,513円、類似団体比較で36,945円低く、大幅に下回っている。その要因として、繰上償還や起債抑制により、地方債残高が低い状況にあること等が挙げられる。今後は、数年後に新庁舎建設等の大型事業の償還が始まるため、新規債の発行を適正額にとどめるなど、公債費の削減を進め、財政の健全化に努める。繰出金における住民一人当たりのコストは69,098円であり、全国平均比較で28,832円、宮崎県平均比較で23,729円、類似団体比較で14,081円高く、経常的に上回っている。その要因の一つとして、下水道事業等の法非適用企業への繰出金が挙げられるが、令和元年度から、簡易水道事業、下水道事業、農業集落排水事業を法適化したため、この機会に経常的な支出の削減に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金残高は、平成27年度に臨時的な出資金に対応するため一時的に増加したが、平成28年度から例年の水準(8億円規模)に戻したため、標準財政規模比は0.05ポイント増の9.45%となった。実質収支額は7億17百万円台となり、標準財政規模比は2.21ポイント増の8.18%となり、また、実質単年度収支の標準財政規模比は2.0%増の2.29%となった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

連結実質赤字比率の分子を構成する各会計の収支が、全ての会計において黒字となった。なお、市営住宅事業特別会計は、平成28年度に前年度繰上充用を行ったことから、当該年度のみ-0.02となっている。黒字額の大半は、一般会計、水道事業会計及び介護保険事業特別会計の3会計で占められている。平成30年度は、一般会計、水道事業会計及び介護保険事業特別会計の収支額が増加したことにより、分子となる連結実質収支額が2億11百万円増加し、16億30百万円の黒字となった。また、分母となる標準財政規模は、地方消費税交付金や地方特例交付金等の各種交付金の増に伴い、前年度より9百万円増(+0.1%)の87億65百万円となったことから、標準財政規模比は、平成29年度の16.19%から2.40ポイント増加し、平成30年度は18.59%となった。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

元利償還金等については、公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還に充てたと認められる繰入金は増加したものの、平成19年度から平成21年度までの繰上償還や起債抑制により、普通会計の元利償還金が9億円台前半まで減少した結果、全体では16億円台前半となり、55百万円減少している。また、算入公債費等については、概ね横ばいの11億円台前半となっている。この結果、実質公債費比率の分子は、平成22年度から24年度までの8億円台から徐々に減少し、平成29年度には3億円台後半になったが、平成30年度は前年度から84百万円増加し、4億円台半ばとなった。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

将来負担額は、平成22年度から25年度まで減少傾向にあったが、平成26年度は一般会計等に係る地方債の現在高及び公営企業債等繰入見込額の増に伴い、一時的に増加に転じた。しかし、平成27年度からは再び減少傾向に転じており、平成30年度は172億42百万円となった。また、充当可能財源等は、充当可能基金、充当可能特定歳入及び基準財政需要額算入見込額の全てが減少に転じたことにより、平成23年度から30年度まで引き続き減少が続いている。この結果、将来負担比率の分子は、平成21年度の43億円台から毎年度減少が進むことで平成25年度に6億円台となった。その後、平成26年度に一時的に増加に転じ、9億円台前半となったが、地方債現在高の減少に伴い、再び平成28年度と29年度は-2億円台まで減少に転じた。平成30年度は充当可能基金等の減額に伴い、4億18百万円になった。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)積立金は、新庁舎建設に伴う財源とするため公共施設整備等基金に3億4千百万円積み立てるなど、全体で11基金に12億7千5百万円を積み立てた一方、繰入金は、西都児湯環境整備事務組合負担金や下水道事業等特別会計等への繰出金の財源とするため環境整備事業基金から8億1千3百万円繰入れるなど、全体で12基金から19億7千百万円を取り崩した結果、基金全体としては総額で6億96百万円の減(-10.3%)となり、基金残高は60億47百万円となった。(今後の方針)基金残高は、平成30年度の台風災害等に伴う積立財源の不足から、平成29年度比で10.3%減の60億47百万円となったが、今後は更に新庁舎建設事業等の大型事業の償還が本格化することから、中長期的には減少していくと考えられる。このため、繰越金等を活用し、それぞれの基金の積み増しに努める。

財政調整基金

(増減理由)平成27年度は、(独法)西都児湯医療センターに対する臨時的な出資金に対応するため、一時的に増額し10億32百万円になっていたが、平成28年度から例年の水準に戻っている。平成30年度は、財政調整基金を使用する事業がなかったため、結果的に前年度とほぼ同額となった。(今後の方針)災害等の備えのため、過去の実勢等を勘案し、基本的に8憶円程度の基金残高を維持するように努めている。また、年度毎の財政事情に応じて積み増しや減額を行うことにしている。

減債基金

(増減理由)地方交付税等の減や災害復旧費の増等の要因から積立財源が不足したことで積立金の確保ができず、結果的に平成29年度から88百万円の減、前年度比で7.9%の減となった。(今後の方針)基金残高及び年度毎の公債費の状況等を考慮しながら基金残高を調整している。また、前年度からの純繰越金の1/2を積み立てることにしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備等基金…公共施設の整備又は公共用地の取得に関する事業の財源に使用する基金。環境整備事業基金…環境整備に関する建設事業及び維持管理の財源に使用する基金。退職手当基金…職員の退職手当の財源に使用する基金。ふるさと振興基金…ふるさと納税寄附金の適正管理及び運用を目的とした基金。下水道事業基金…下水道事業の維持管理の財源に使用する基金。(増減理由)公共施設整備等基金…新庁舎建設の財源のために積み増していることから、一時的に増加傾向にある。環境整備事業基金…地方交付税等の減や災害復旧費の増等の要因から積立財源が不足し、残高が大幅に減となった。退職手当基金…定年退職者の年度毎の状況により基金残高を調整した結果、484百万円の残高になった。ふるさと振興基金…ふるさと納税寄付金の増等の影響に伴い、425百万円の残高となった。下水道事業基金…下水道事業会計に対する繰出金の増に伴い、354百万円の残高となった。(今後の方針)公共施設整備等基金…新庁舎建設事業の本格化に伴い3億円程度の残高になる見込み。今後は他の大型事業に備えて積立予定。環境整備事業基金…環境事業に関する需要は未だ多いため、財源不足が解消すれば積み増す方向で検討している。退職手当基金…退職者の状況に応じて必要残高を積立予定。ふるさと振興基金…ふるさと納税寄付金の状況により、それぞれの年度毎に判断する。下水道事業基金…下水道事業の法適用化に伴い、残高が無くなった時点で廃止する予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、前年度よりも増加し類似団体内平均を上回っており、各施設とも老朽化が進行していると言える。今後は、平成29年3月に策定した西都市公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な施設の更新や統廃合、長寿命化を推進する必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、全国平均値や類似団体内平均値よりも下回っており、比較的良好な状態にある。しかしながら、今後は新庁舎建設事業に伴う起債額が増加し、一方で充当可能基金が減少する見込みであることから、債務償還比率は増加するものと思われる。今後は、行財政改革を推進することにより、償還財源の確保に努めたい。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、充当可能基金の減少により「+(プラス)」に転じ、有形固定資産減価償却率も各施設の老朽化に伴い上昇している。今後は、大規模施設である本庁舎建替えに伴う起債増により将来負担比率はさらに増加する一方、有形固定資産減価償却率は減少する見込みである。引き続き、西都市公共施設等総合管理計画に基づく各施設の適正配置による段階的な統廃合及び長寿命化等を進め、更新費用の平準化と削減に努めるとともに、新規債の発行額を適正額にとどめるなど将来負担の少ない健全な財政運営を目指していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

これまで、起債抑制や繰上償還の実施、交付税措置のある有利な起債発行に努めたことにより、将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体内平均値を下回っている。しかしながら、今後は新庁舎建設事業や大型プロジェクトの実施により指標の悪化も懸念されることから、起債発行の適正化や償還財源の確保を図り、財政の健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本市の有形固定資産減価償却率は年々増加傾向にあり、公民館を除くすべての類型において類似団体と比較した割合が高い。特に、保育所についてはすべてが昭和30年代に建設され、また、学校施設についても昭和40年代に建てられたものもあり、顕著である。これらの老朽化が著しい施設については、利用者の安全確保を図るため計画的な修繕を行う必要があるが、併せて西都市公共施設等総合管理計画に基づく集約化と少子高齢化に留意した適正な配置を目指していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

本市の有形固定資産減価償却率は年々増加傾向にあり、福祉施設を除くすべての類型において類似団体と比較した割合が高い。特に高い水準にある庁舎については本庁舎の建替えが進捗しているが、消防施設、保健センター及び一般廃棄物処理施設については大規模改修や更新等の必要性が高まっている。人口一人当たりの面積は、各施設とも類似団体と同程度か低い水準にあるが、今後人口減少が予測されるため、施設の集約化・複合化等を推進する必要がある。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

平成29年度において、一般会計等では資産総額が平成28年度末から2,054百万円減少(-2.4%)し、負債総額は257百万円減少(-1.9%)した。資産総額のうち金額の変動が大きいものはインフラ資産で、減価償却による資産の減少が工作物の取得額を上回ったこと等から1,301百万円減少した。負債総額のうち金額の変動が最も大きいものは地方債(固定負債)であり、年間発行額が年間償還額を上回らないよう努めたこと等により206百万円減少した。水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は平成28年度末から1,877百万円減少(-2.0%)し、負債総額は981百万円増加(+6.2%)した。資産総額は、上水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて6,258百万円多くなるが、負債総額も上水道管耐震化整備事業等に地方債(固定負債)を充当したこと等から、3,836百万円多くなっている。宮崎県後期高齢者医療広域連合、西都児湯環境整備事務組合等を加えた連結では、資産総額は平成28年度末から1,898百万円減少(-2.1%)し、負債総額は前年度末から859百万円増加(+5.0%)した。資産総額は、各団体が保有している公有用地や病院施設に係る資産を計上していること等により、一般会計等に比べて8,348百万円多くなるが、負債総額も各団体の借入金があること等から、4,962百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

平成29年度において、一般会計等では経常費用は17,292百万円となり、平成28年度とほぼ同額であった。ただし、業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(6,024百万円、前年度比+255百万円)であり、純行政コストの36.8%を占めている。施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が481百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が7,401百万円多くなり、純行政コストは7,911百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が1,718百万円多くなっている一方、人件費が1,020百万円多くなっているなど、経常費用が9,520百万円多くなり、純行政コストは7,803百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

平成29年度において、一般会計等では税収等の財源(14,591百万円)が純行政コスト(16,372百万円)を下回っており、本年度差額は1,781百万円となり、純資産残高は1,797百万円の減少となった。固定資産税の適正課税による税収の確保や、国県等補助事業の掘り起こしによる財源確保に努める。全体では、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が4,836百万円多くなっており、本年度差額は1,730百万円となり、純資産残高は1,666百万円の減少となった。連結では、宮崎県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が8,221百万円多くなっており、本年度差額は1,363百万円となり、純資産残高は1,551百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

平成29年度において、一般会計等では業務活動収支は614百万円であったが、投資活動収支については、道路・橋梁の維持補修事業等を行ったことから、▲448百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲208百万円となっており、本年度末資金残高は平成28年度から41百万円減少し、588百万円となった。しかし、行政活動に必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であり、行財政改革を更に推進する必要がある。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より292百万円多い906百万円となっている。投資活動収支では、上水道管の耐震化整備事業等を実施したため、▲513百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲310百万円となり、本年度末資金残高は平成28年度から82百万円増加し、1,508百万円となった。連結では、西都児湯医療センターにおける入院・外来収益等の収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より754百万円多い1,368百万円となっている。投資活動収支では、全体とほぼ同額の▲516百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲512百万円となり、本年度末資金残高は平成28年度から340百万円増加し、1,845百万円となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、類似団体平均を少し下回る結果となった。保有資産は老朽化した施設が多く、前年度末に比べて2,054百万円減少している。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、今後40年間の取組として公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。有形固定資産減価償却率については、昭和56年頃に整備された資産が多く、整備から38年経過して更新時期を迎えているなどから、類似団体より高い水準にある。また、これらの公共施設等の老朽化に伴い、前年度より1.4%上昇している。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体を上回っているが、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少し、昨年度から0.1%減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資産を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、行財政改革を更に推進し、行政コストの削減に努める。将来世代負担比率は、類似団体平均を大きく下回っているが、今後本格化する新庁舎建設事業等による地方債償還額の増加が見込まれるため、将来世代負担比率も今後上昇していくものと見込まれる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは昨年度と同程度であり、類似団体平均を上回っている。特に障害者自立支援費の充実や乳幼児医療費の増加等により社会保障給付が増加しており、今度も少子高齢化の進行や子育て支援の充実などにより社会保障給付の増加が見込まれる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を下回っており、前年度から25,669万円減少している。地方債の償還額が地方債発行額を上回ったことによるが、今後本格化する新庁舎建設事業等による地方債償還額の増加が見込まれるため、今後上昇していくものと見込まれる。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字を上回ったため、175百万円となっている。類似団体平均を下回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行し都市再生整備事業など公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均を上回っている状況にある。その要因としては、類似団体と比較して多くの公営住宅を有しており、総額として公営住宅の使用料が多いことが上げられる。経常費用が減少しているものの、そのうちの物件費、維持補修費は昨年度より276百万円増加しているため、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化、複合化や長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,