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地方財政ダッシュボード

徳島県阿波市の財政状況(2022年度)

🏠阿波市

地方公営企業の一覧

特定環境保全公共下水道 簡易水道事業 末端給水事業 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

納税義務者数の増などの影響により市民税が増加したことで基準財政収入額が増加し、単年度の財政力指数は増加したが、3か年平均の財政力指数は横ばいとなっている。人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和4年12月末38.03%)に加え、市内に中心となる企業がないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均を下回っている。今後も横ばいで推移すると予測しているが、市税の徴収強化、企業誘致などに積極的に取り組みつつ、行政の効率化に努めることにより、財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

歳入面において、令和3年度は普通交付税の追加交付の影響が大きく経常収支比率は一時的に大幅に減少したが、令和4年度は普通交付税、臨時財政対策債の減少に加え、歳出面においても、ふるさと応援寄付金の好調による返礼品事業費の増や、認定こども園整備に伴う地方債の元金償還開始に伴う公債費の増などの影響により、令和4年度の経常収支比率は過去最高の96.5%となった。今後も90%を超える厳しい状況は続くと予想されるので、継続事業の見直しや公共施設の統廃合を行い、経常経費の抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

本市の人口1人当たり人件費・物件費等の決算額は類似団体平均よりも46,596円低い166,813円で、対前年比においては、3,746円の増となっている。令和4年度はふるさと応援寄付金の返礼品事業費や維持補修費が増加したことに加え、人口も前年度から563人減少したことで人口1人当たりの決算額は増加となった。今後も行政サービスの低下につながらないよう考慮しつつ定員管理の適正化を図るとともに、公共施設の統廃合、長寿命化といった取組を計画的に推進し、物件費、維持補修費の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

本市のラスパイレス指数は、99.4と国の基準である100.0に対して下回っているが、類似団体平均と比べると2.0高い水準となっている。合併後からの退職者の一部不補充などにより年齢層のバランスが国と比較して高齢層に偏っているため、水準が高くなっている。引き続き適正な人員配置と行政効率の高い組織づくりを進めていくことで、一層の給与適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

本市の人口1,000人当たりの職員数は9.26人で、類似団体平均と比べると1.43人下回っているものの、前年度に比べ0.17人増えている。一般職員数が1名増したことに加え、住基人口が563人減少したことが要因となっている。今後も多様化する行政ニーズに対応するため効率的な職員配置と、定年引上げ等の状況も踏まえながらの適正な定員管理に取り組む。

実質公債費比率の分析欄

本市の実質公債費比率は、類似団体平均よりも1.2%低い7.7%である。算定分子である公債費や一部事務組合等に対する負担金は増加し、算定分母となる普通交付税、臨時財政対策債が減となった結果、単年度で比較した場合は、前年度より約1.2%増加するが、3か年平均で比較した場合前年度より0.1%改善した。今後も新たな施設整備などは必要最小限としつつ、過疎債など交付税措置のある有利な地方債を有効に活用しながら、実質公債費比率の上昇を抑制していく。

将来負担比率の分析欄

本市は、将来負担額より充当可能財源が上回るため、「将来負担比率なし」となっている。主な要因は、充当可能財源等である財政調整基金や減債基金などの基金の積立や、交付税措置のある有利な地方債を活用しているためである。今後も事業費の精査による新発債の抑制や、交付税措置のある有利な地方債の発行などを進め、公債費の適正化に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、普通交付税と臨時財政対策債の減少の影響により前年度より0.8%上昇した。職員の再任用制度等による人件費の増加も見込まれるが、それを踏まえた上での給与の適正化やDXの推進等による事務事業の効率化を図り、計画的な定員管理に取り組む。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度から0.5%上昇し11.5%となった。類似団体平均との比較では1.8%低い値である。ふるさと応援寄付金返礼品などに係る経費が増加したことに加え、普通交付税と臨時財政対策債が減少したことが比率が上がった主な要因である。今後も、事務事業の見直しや、施設の統廃合・除却などの取組を計画的に進め、物件費の削減に取り組んでいく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、普通交付税と臨時財政対策債の減少の影響により前年度より0.4%上昇し、類似団体平均よりも2.0%高くなっている。今後も被生活保護者の自立に向けた支援等を行い、社会保障関連経費の抑制に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、後期高齢者医療広域連合への繰出金が減少したことに加え、普通交付税と臨時財政対策債が減少したことにより、前年度から0.6%増加した。一般会計からの負担を最小限にするため、今後とも特別会計への繰出金が過度に増加しないよう、適正な執行に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、一部事務組合への負担金が増加したことに加え、普通交付税と臨時財政対策債が減少したことにより、前年度と比較すると1.0%上昇した。今後も、単独で実施している補助事業の見直しを図りつつ、公営企業会計においても独立採算の原則に立ち返った使用料等の見直しに取り組み、補助費等の縮減に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、認定こども園施設整備に活用した合併特例債などの元金の償還開始に伴い公債費が増加したことに加え、普通交付税と臨時財政対策債が減少したことにより、前年度から1.7%上昇し、類似団体平均との差も1.3%に広がった。今後も計画的な事業実施や新規地方債発行額の抑制、償還期間の調整などによって比率の改善に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、人件費や補助費等の比率上昇が要因となり前年度から3.3%上昇し、類似団体平均値を上回っている。合併前からの老朽化した多くの施設を有しており、それらの施設が老朽化していることから物件費や維持補修費は増加し、今後も比率は上昇することが見込まれるため、引き続き施設の統廃合や内部管理経費の見直しを進め、経常経費の抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費は、住民一人当たり210,397円となっており、前年度に子育て世帯臨時特例給付金事業を実施した影響により、前年度より減少となった。農林水産業費は、住民一人当たり27,200円となっており、前年度に強い農業担い手づくり総合支援交付金事業を実施した影響により、前年度より減少した。土木費は、住民一人当たり42,519円となっており、スマートIC整備事業費が増加したことにより、前年度より増加した。教育費は、住民一人当たり51,927円となっており、前年度に小学校大規模改修事業などを実施した影響により、前年度と比べて減少した。公債費は、住民一人当たり72,047円となっており、認定こども園整備事業に係る合併特例債の元金の償還が開始したことなどにより、前年度より増加した。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出の総額は、普通建設事業費の減に伴い昨年度から約13億円減少し、住民一人当たりでは571,800円となっており、昨年度より約27,000円減少した。類似団体と性質別を比較すると、ほとんどの項目で同水準又は低位で推移している。人件費については、期末・勤勉手当の減の影響で前年度より減少しているが、人口減の影響により住民一人当たりの金額は微増となった。補助費等は、がんばる農業者応援給付金事業を実施した影響により増加している。扶助費は、前年度に子育て世帯臨時特例給付金事業を実施した影響により減少している。普通建設事業費は、前年度に強い農業担い手づくり総合支援交付金事業や認定こども園大規模改修事業などの事業が完了したことにより前年度より減少している。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

標準財政規模は前年度より270,374千円減となっている。財政調整基金については、2,561千円の積み立てに対して499千円取崩したため、残高が増加した。実質収支額については、前年度892百万円から809百万円と減少したため、実質収支比率も減少した。人口減少・高齢化などによる市税収入の減少、社会保障費の増加など、今後一層厳しい財政状況におかれると推測されるが、行財政改革の推進、投資事業の精査などを行い、財政基盤の強化に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

令和4年度決算においてもすべての会計において、連結実質赤字比率はない。しかし、農業集落排水事業会計については、一般会計からの基準外繰出を行っていることから、経営戦略を基に、使用料の見直しや徴収率の向上に取り組み、財源の確保を図るなど、一般会計からの繰出金抑制に計画的に取り組んでいく。水道事業会計についてはインフラ資産の老朽化等による改修費用が増加していく見込みであり、施設の集約化や広域化、料金収入等の見直しを検討していく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

実質公債比率は、単年度では、算定分母となる普通交付税と臨時財政対策債が大幅に減少したことに加え、算定分子である元利償還金の償還開始等による増加割合の方が高かったため前年度より約1.2%増加したが、3か年平均で比較した場合は前年度より0.1%の減となった。今後も引き続き事業内容を精査し、新規地方債の発行の抑制に努めるとともに、過疎債など交付税措置のある有利な地方債を活用しながら財政の健全化に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

地方債現在高は、大型事業の地方債の償還が終了したことによる市債残高の減少や退職手当負担見込額の減少により将来負担額が縮小したことに加え、標準財政規模も減少した結果、将来負担比率は前年度より10.2%減の、マイナス57.4%となった。起債の借入については、普通交付税算入率の高い合併特例債や過疎債、緊急防災・減災対策債等を活用しており、市の実質の負担を少なくすることで将来負担比率の上昇を抑制している。今後も事業費の精査による新発債の抑制や、交付税措置のある有利な地方債の発行、職員数の適正化など、将来負担の抑制に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)令和4年度は前年度と比べて580百万円(+4.1%)の増となった。財政調整基金については、財源調整のために積み立てた。老朽化した義務教育施設、社会教育施設、社会体育施設改修のため261百万円を教育施設整備基金に積み立てた。まちづくり振興基金については、合併特例債の基金増成分の残りを含む257百万円を積み立てた。(今後の方針)基金の目的の明確化を図るために、基金の目的に応じた特定目的基金に積み立てていくことを予定している。公共施設等総合管理計画、個別管理計画に基づき、計画的に事業を進めるために平成30年度に公共施設等総合管理基金を創設している。基金の規模は2,000百万円を目途とし、公共施設の統廃合や建て替え費用を確保する。

財政調整基金

(増減理由)年度間の財源調整のため約0.5百万円取り崩したが、基金運用益として約2.5百万円積み戻した。(今後の方針)社会保障関連経費の増も見込みながら、基金残高を標準財政規模の20%程度(25億円~30億円)とする。

減債基金

(増減理由)令和4年度は取り崩さず、基金運用益として約2百万円を積み立てた。(今後の方針)起債償還額は減少傾向であるため、財政状況を見ながら減らしていく。ただし、合併特例債終了後に交付税措置がない又は少ない起債額が増加したときは運用を見直す。

その他特定目的基金

(基金の使途)まちづくり振興基金・・・地域振興及び市民の連帯の強化による一体的なまちづくりの推進に資するための基金。教育施設整備基金・・・教育施設の整備・充実のための基金。情報システム施設整備基金・・・情報システム施設の整備充実を図るための基金。公共施設等総合管理基金・・・公共施設の維持管理費用や建て替え費用を確保する。地域福祉基金・・・民間の創意を生かした在宅福祉、生きがいと健康づくりその他高齢者の保健福祉に関する事業の推進に資するための基金。森林環境譲与税基金・・・森林整備等に活用している森林環境譲与税を、将来の事業に要する経費増加に備えるための基金。(増減理由)一般廃棄物中間処理施設対策・・・周辺対策整備に充当するため約33百万円の取り崩しを行った。基金教育施設整備基金・・・学校施設整備事業に充当するために約39百万円取り崩したが、今後の社会体育施設や学校教育施設の更新に必要なため決算剰余金分として約300百万円を積み戻した。(今後の方針)公共施設等総合管理基金・・・基金を約2,000百万円を目途に積み立てている。阿波市公共施設等総合管理計画及び阿波市公共施設個別管理計画を計画的に進めるため、公共施設の維持管理費用や建て替え費用を確保する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

全国平均、県平均、類似団体内平均を上回っており、公共施設の老朽化が他の自治体より進んでいることが言える。令和4年度は老朽化した市営住宅の長寿命化工事・解体や、図書館の改修工事を実施したものの、既存有形固定資産の減価償却の影響の方が大きく、前年度より1.5%上昇した。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の統廃合・複合化等により、今後の人口動態に合わせた固定資産の更新・維持補修を行っていく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は全国平均、県平均、類似団体内平均を下回っている。令和4年度は、大型事業の地方債の償還が終了したことによる市債残高の減少や退職手当負担見込額の減少により将来負担額が縮小したことに加え、充当可能基金が増加したことにより令和3年度に比べて12.5ポイント改善された。引き続き、新規地方債の借入には慎重に精査を行うとともに、財源確保に取り組むことで、比率の上昇抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

本市の将来負担比率は「-」だが、この要因は老朽化した公共施設の更新や大規模災害に備えるために積立てた基金残高の影響である。R4年度は大型事業の地方債の償還が終了したことで地方債現在高が減少したことにより前年度より10.2%改善された。交付税措置のある有利な地方債を優先して活用していることに加え、今現在は基金を積み立てることができているため将来負担比率は暫く「-」で推移すると見込んでいるが、合併前から所有する老朽化した公共施設を多数所有しており、有形固定資産減価償却率は上昇していることから、施設の更新については過度な地方債の発行や基金の取り崩しを行って将来負担比率の悪化にならないよう、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の除却、集約化を積極的に進めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

本市の将来負担比率・実質公債費比率は、ともに類似団体平均より低い値となっている。実質公債費比率については、令和4年度は令和2年度に認定こども園整備などに活用した合併特例債の元金償還が始まったことにより分子を構成する元利償還金の額は増え、分母を構成する普通交付税、臨時財政対策債が減となった結果、単年度で比較した場合は前年度より1.2ポイント増加したが、3か年平均で比較した場合は前年度から0.1ポイント改善した。今後も新たな施設整備などは必要最小限としつつ、過疎債などの交付税措置のある有利な地方債を有効に活用しながら、実質公債費比率の上昇を抑制していく。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本市の有形固定資産減価償却率を類似団体内平均値と比較すると、「学校施設」「公営住宅」が比較的高い値となっている。「公営住宅」については、老朽化に加え、一人当たり面積についても平均値を上回っているため、公営住宅等長寿命化計画に基づいて除却、集約化等を進めることで人口に見合った適正な規模に近づける。「学校施設」については、耐震工事、大規模改修を完了しているが、少子化による児童・生徒数の減少に危機感を持ち、統合等再編も視野に入れ適正な管理に努める。また、近年幼稚園、保育所を解体し、整備した「認定こども園」や、一部建替を実施した「公民館」については、平均値より減価償却率が大きく下がっている。「認定こども園」については一人当たり面積が類似団体内平均値の2倍近い面積となっており、子育て支援環境の充実ぶりを県内外にアピールし人口増加に繋げていきたい。その他の施設についても、公共施設等総合管理計画に基づいて、更新・集約化・除却等を計画的に実施していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

本市の有形固定資産償却率を類似団体内平均値と比較すると、「体育館・プール」「福祉施設」「市民会館」「一般廃棄物処理施設」が高く、近年に更新した「庁舎」「消防施設」「図書館」は低くなっている。「一般廃棄物処理施設」については、新ゴミ処理施設の建設予定時期が遅れることとなったため、減価償却率はまだしばらく悪化する見込みである。「図書館」については、市内に4か所あることから、一人当たり面積は類似団体平均を大きく上回っている。今後の維持管理経費、更新費用を鑑みると、集約化も検討していく必要がある。合併前の旧町時に整備した老朽化が進んだ施設も多く抱えていることに加え、人口減少の現状も鑑み、市民1人当たりの適切な面積を検討しながら、公共施設等総合管理計画に基づいて、統廃合・除却を行う。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、令和4年度は小・中学校や図書館の大規模改修工事を実施したものの、公共施設の経年劣化による資産価値の減少の影響の方が大きいことから、資産総額は690百万円の減となった。また、令和4年度に実施した事業の財源として、合併特例債や緊急防災・減債事業債といった交付税措置のある有利な地方債を活用したが、過去の大型事業に係る地方債の償還が終了したことにより、負債総額については、1,535百万円の減となった。本市は合併以前の旧町ごとに整備した公共施設が多く、資産総額のうち有形固定資産の割合が74.6%(前年比△1.1%)となっている。これらの資産は将来の支出(維持管理・更新など)を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化や利活用を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、令和4年度の経常費用は18,122百万円となり、前年度から955百万円の大幅な減少となった。これは、移転費用のうち補助金等において、前年度から新型コロナウイルス感染症対策等による補助金支出が減少した影響である。今後も高齢化の進展などにより社会保障給付費は増加する見込みであり、各種団体へ支出している補助金の見直し等を行い、移転費用全体の抑制を図る。業務費用においては、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(5,490百万円)であり純行政コストの32%を占めている。施設の集約化・複合化・長寿命化といった取り組みを計画的に実施するとともに、未利用資産の売却・貸付等を進めるなど公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(17,903百万円)が純行政コスト(17,025百万円)を上回ったことから、本年度差額は878百万円となり、純資産残高も845百万円の増加となった。財源のうち、国県等補助金の大幅な減少は新型コロナウイルス感染症対策のための補助金の影響であるが、税収等については、21百万円の減となっており、これは普通交付税の縮減が影響している。令和3年度に普通交付税の合併特例期間が終了し、今後は減収が見込まれる中、税収等や国県等補助金の財源で一年間のコストが賄えるよう、地方税の徴収業務強化や国県等補助金の活用、未利用資産の売却・貸付等といった取り組みを進め、財源の確保に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,804百万円であったが、投資活動収支については小・中学校の大規模改修工事といった事業の実施に伴う公共施設等整備費支出の財源に財務活動収入にあたる地方債を活用したこともあり、△1,508百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額や地方債償還額を下回ったことから△1,338百万円となり、本年度末資金残高は前年度から42百万円減少し、952百万円となった。現状、基金の取り崩しや地方債の発行収入によって行政活動に必要な資金を確保している状況であることから、行財政改革をさらに推進する必要がある。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

合併前の旧町ごとに整備した公共施設が多くあり、老朽化が進んでいるため、類似団体より住民一人当たりの資産額は低く、有形固定資産減価償却率は高くなっている。住民一人当たりの資産額は、令和4年度では前年度と比べ人口の減少の影響で9千円高くなっている。歳入額対資産比率は、令和4年度は新型コロナウイルス感染症対策に関する補助金収入が大きく減少したことにより前年度より0.15年高くなった。有形固定資産減価償却率については、令和4年度は小・中学校や図書館の大規模改修といった事業を実施したものの、経年劣化による資産価値の減少の影響の方が大きく、前年度より1.4%上昇した。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の集約化・複合化等により、今後の人口動態に合わせた固定資産の更新・維持補修等を行っていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を大幅に下回っているが、負債の大半を占めているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。そのため、臨時財政対策債等の特例的な地方債を除いた地方債残高を分子として、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均を大幅に上回る25.2%となっている。前年度と比較して、令和4年度の純資産比率が2%高くなっているのは、税収等の増による純資産の増加が要因となっていある。将来世代負担比率が0.6%減少しているのは大型事業に活用した地方債償還が終了したことにより地方債残高が減少したことが要因となっている類似団体に比べ地方債への依存度が高いので、公共施設の集約化・複合化等により施設更新の支出総額を削減し、地方債への依存度を下げていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

合併以降の行財政改革への取り組み、職員数の削減や事務経費の抑制に努めた結果、住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っている。令和4年度は前年度に比べて新型コロナウイルス感染症対策等に関する補助金支出が減少したことにより純行政コストは減少したが、今後も社会保障給付費や施設の老朽化による維持補修費といった経費は増加する見込みであるため、引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化といった取り組みを進め、施設の維持管理経費の削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、令和4年度は大型事業の財源として活用した地方債の償還が終了したことで負債合計が大幅に減少したことにより、前年度より33千円低くなった。基礎的財政収支は、前年度と比べると、業務支出と投資活動支出が減少したことで、364百万円高くなった。合併特例債をはじめとする交付材措置のある有利な地方債をできるだけ活用するように取り組んでいるが、新規に発行する地方債は抑制し、将来世代の負担減少に努めるとともに、収入規模に見合った財政運営に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均を上回っている状況にある。前年度に比べ、補助金等の大幅な減により経常費用が減少したが、経常収益は増加したため、受益者負担比率は1.6%高くなっている。今後も各種団体へ支出している補助金の必要性や効果を再検証することや、施設の集約化・複合化や利活用を進めることで経常費用の削減に努めるとともに、公共施設の使用料等収入の見直しなど、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,