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財政力指数の分析欄人口の減少や高齢化率上昇(令和7年1月1日現在約50%)に加え、村内に中心となる産業が少ないこと、特に主となる林業事業の低迷が続いていることにより、財政基盤が弱く、類似団体平均・全国平均・奈良県平均を大きく下回っている。人口減少対策として、空き家改修や解体に係る補助金や定住促進住宅の整備、子育て応援補助金など定住に繋がる政策を促進している。また村内雇用を増やすための事業(木材バイオマス事業やイチゴ試験栽培、トラフグ試験養殖)を進め、活力ある村づくりを展開し財政の健全化を図る。 | 経常収支比率の分析欄令和1年度から令和2年度にかけて類似団体を大きく下回っていたが、令和3年度から令和4年度では地方交付税の増加に伴い大きく上昇した。令和5年度については、給与・公債費の増額により4.1%減少した。地方交付税の基礎となる人口について、年々減少傾向にあり地方交付税も減少することが見込まれる。経常的収入では、人口減少による税収の減少、経常的支出では、職員(会計年度任用職員含む)定期昇給や公債費等による増加が見込まれ、経常収支比率は徐々に悪化していく。自主財源による事業等については、地方債の借入や公債費償還では財政調整基金の取り崩しなど活用し、現在の水準維持に努める。 | 人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄人件費、物件費及び維持補修の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、主に人件費と物件費が要因となっている。人件費については、地域おこし協力隊・集落支援員の他、会計年度任用職員の人件費が増加している。また物件費では委託料が大きな割合を占めており、電算システム保守管理委託や指定管理者制度による温泉施設(3件)の管理委託、山林の地籍調査委託料が主な要因となる。これらについては、コストの低減が見込みにくく、今後電算システムについては、基幹系システムの標準化に伴い更なる増加が見込まれる。 | ラスパイレス指数の分析欄ラスパイレス指数は、全国町村平均(96.3)と比較しても依然低い水準(90.0)である。自主財源に乏しく、歳入のほとんどを地方交付税等の収入に依存している状況であり、指数が過度に上昇することのないよう定員管理とあわせて村の実態に即した行政運営を行う必要がある。 | 人口1,000人当たり職員数の分析欄人口1,000人当たりの職員数は約40人であり、類似団体・全国平均・奈良県平均を大きく上回っている。人口推計統計では今後も人口の減少が見込まれることから、対策として、空き家空き店舗利活用推進事業、定住促進住宅の整備、子育て支援の充実化、地域おこし協力隊制度等に取り組む。また事務事業の効率化を図り、人口規模に応じた適切な定員管理に努める。 | 実質公債費比率の分析欄実質公債費比率については、類似団体、全国平均、奈良県平均を大きく上回っており、また比率自体は年々増加している状況である。有利な財源が活用できない場合、地方債(過疎対策事業債及び辺地対策事業債)を借入しており、実質公債費比率を抑制することは難しい状況であり、元利償還金は今後も増加する見込みとなる。そのため大型投資事業の適切な取捨選択が必要であり、計画的な地方債の借入により起債発行額の抑制に努める。また減債基金の取り崩しによる繰上償還も視野に入れ、実質公債費比率の抑制も図る。 | 将来負担比率の分析欄将来負担比率について、類似団体・全国平均・奈良県平均を下回っており、主な要因は財政調整基金及び減債基金の積立による充当可能性基金の増があげられる。今後も公債費等義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政健全化に努める。 |
人件費の分析欄人件費の比率は、30~35%内で推移しており、全国平均・奈良県平均を上回っている。令和2年度に大きく増加しているのは会計年度任用職員制度創設による増加となる。今後は、実態に即して定員管理計画を見直し、ラスパイレス指数が類似団体の平均に近づけられるよう行政運営に努める。 | 物件費の分析欄物件費の比率は13~16%内で推移しており、類似団体・全国平均・奈良県平均を下回っている。令和2年度より大きく減少しているのは、会計年度任用職員制度創設に伴い、これまで計上していた臨時職員への賃金が無くなったためとなる。令和5年度は13.3%まで増加しているのは需用費、特に燃料費や光熱水費が物価高騰による影響で増加となるためである。今後も経常経費の削減に努める。 | 扶助費の分析欄扶助費の比率は、1.5~2.4%で推移し年々減少しており、全国平均・奈良県平均を下回っている。人口減少に伴い、児童手当や高齢者の医療費も合わせて減少していることが要因と思われる。 | その他の分析欄その他の経費の比率については、令和5年度は9.9%であり、類似団体・全国平均・奈良県平均を下回っている。これは特別事業会計への繰出金減少や債務負担であった火葬場整備事業が完了したためである。今後も現在の水準を維持できるよう努めていく。 | 補助費等の分析欄補助費の比率は、ここ数年12%前後で推移していたが、令和5年度は9.2%となっており、類似団体・全国平均・奈良県平均を下回っている。これは令和3年度よりさくら広域環境衛生組合や奈良県広域消防組合への負担金が大きく減少したためであり、今後も現在の水準を維持できるよう努めていく。 | 公債費の分析欄公債費の比率は23.6%であり、類似団体・全国平均・奈良県平均より上回っている。平成29~令和5年度にかけて大型の整備事業を実施したことより地方債発行額が増加している。令和5年度時点では公債費のピークは令和9年度と見込むが、今後も地方債償還額が増加する見込みであり、ピークは後年となっていく。計画的な事業展開により起債発行額の抑制に努める。 | 公債費以外の分析欄公債費以外の比率は70%台を推移していたが、令和5年度は64.8%と類似団体・全国平均・奈良県平均を下回っている。これは令和3年度より普通地方交付税が大きく増加し、経常収支比率が減少したためである。今後も現在の水準を維持できるよう努めていく。 |
議会費労働費消防費諸支出金総務費農林水産業費教育費前年度繰上充用金民生費商工費災害復旧費衛生費土木費公債費 |
目的別歳出の分析欄住民一人当たりの行政コストは、8項目が全国平均、奈良県平均、類似団体平均値を上回っている。本村における平成28年⇒令和2年国勢調査では、人口が13.1%減少しており、今後も減少は続くと見込まれる。定住・移住促進、雇用対策を積極的に取り組み、人口減少幅を出来る限り小さくする必要がある。費目別では、総務費はコミュニティバス購入事業や旧学校施設整備事業(耐震工事)実施に伴い増加している。民生費については、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金事業等の実施に伴い増加している。衛生費では、火葬場整備事業(火葬場解体)の完了に伴い減少している。農林水産業費については、森林地籍調査実施に伴い増加している。商工費についても、洞川温泉ビジターセンター整備事業(建設工事)の実施に伴い大きく増加している。消防費については、奈良県広域消防への負担金の増加や防火水槽施設整備事業を実施したことにより増加している。災害復旧費は、林道3路線及び河川施設にかかる復旧事業実施により増加している。公債費については、平成31年度及び令和2年度借入の過疎対策事業債や辺地対策事業の起債償還開始により増加している。公債費は年々増加し続けており、現在は令和9年度をピークとし見込んでいるが、令和6年度以降も洞川温泉ビジターセンター事業(駐車場整備)や薬湯センターみずはの湯大規模改修、定住促進住宅建設などを予定しており今後も公債費は増加していく。減少している費目もあるが全体的に増加となっており、村の行財政規模を適切に把握し、事務事業や定員管理について実態に即した運用が図られるよう、常に見直しを行い行財政改革に努める。 |
人件費補助費等災害復旧事業費投資及び出資金物件費普通建設事業費失業対策事業費貸付金維持補修費普通建設事業費(うち新規整備)公債費繰出金普通建設事業費(うち更新整備)積立金前年度繰上充用金 |
性質別歳出の分析欄住民一人当たりの行政コストは7項目が全国平均・奈良県平均・類似団体平均値を上回っている。本村における平成28年⇒令和2年国勢調査では、人口が13.1%減少しており、今後も減少は続くと見込まれる。定住・移住促進、雇用対策を積極的に取り組み、人口減少幅を出来る限り小さくする必要がある。現在天川村では、空き家空き店舗利活用推進事業、定住促進住宅の整備、子育て支援の充実化、地域おこし協力隊制度等に取り組んでいる。人件費については、人口減少の影響を大きく受けており、令和元年~令和3年度まで増加している。令和4年度は退職者が複数名いたため、前年度より減少しているが、令和5年度は定期昇給等の影響により増加している。扶助費は電力・ガス・食料品等物価高騰対応の非課税・均等割世帯及び低所得の子育て世帯等への給付金事業等を実施した為、前年度より増加した。普通建設事業費(新規整備)では、令和元年度に火葬場整備事業等を実施、令和2年度に老人福祉施設建設事業費等大きな建設事業が続いていた。令和5年度では観光施設整備事業(洞川温泉ビジターセンター整備事業)を実施し、事業費が大きく増加している。災害復旧事業費については林道3路線及び河川施設に係る災害復旧費の支出があり、前年度より増額している。公債費については、平成27~28年度にかけて実施した庁舎等耐震事業、観光施設大規模改修事業、平成29年~令和2年度にかけて実施した火葬場整備事業の償還が開始したことにより年々増加している。今後は、村の行財政規模を適切に把握し、事務事業や定員管理について、実態に即した運用が図れるよう、常に見直しを行い行財政改革に努める。 |
基金全体(増減理由)基金残高全体としては、令和3年から令和5年にかけて、おおよそ20%近く増加しており、その主な要因は減債基金の積立てである。特定目的基金では、森林環境整備促進基金が森林環境譲与税の増額に伴い、毎年度増加している。(今後の方針)令和3年度以降は、財政調整基金の積立の見込みはなく、基金全体としてほぼ横ばいで推移すると考える。中期的には、今後人件費や普通建設費(公営住宅建設)、公債費の増が見込まれるため、効率的な行財政運営に努め基金現在高を維持していきたい。 | 財政調整基金(増減理由)令和3年から令和5年度にかけては、ほぼ横ばいで推移している。(今後の方針)令和3年度以降は、地方交付税の減等の要因により余剰金は発生しない見込みである。長期的な視点では、今後職員の平均年齢の上昇により給与費の増加が見込まれる。また公債費についても、平成27年~平成29年度にかけて実施した庁舎耐震事業、定住促進住宅整備事業、令和元年に実施した火葬場整備事業等大きな事業に係る償還金が始まる等の要因により、効率的な行財政運営を行い経常経費の削減により基金現在高を減らさないように努める。 | 減債基金(増減理由)減債基金については、公債費の増加が見込むため令和3~5年度にかけて残高が大きく増加している。積立金は、令和3年度300百万円、令和4年度200百万円、令和5年度202百万円である。(今後の方針)今後、中長期的な視点では公債費が大きく増加することを見込むため、基金残高を減らさないよう効率的な行財政運営に努める。 | その他特定目的基金基金の使途)特定目的基金のうち、ふるさと創生基金については、「観光商工振興事業」山癒の里基金については、「観光施設・登山道遊歩道等整備」文教施設整備基金については、「学校・幼稚園等の教育施設整備」退職金手当基金については、「職員退職金」森林環境整備促進基金については、「森林整備」に充てることが出来る。(増減理由)山癒の里基金は、山癒の里寄付金(指定寄付金)を積み立てるもので、4.2百万円の取崩しをおこなったが積み立てが5.2百万円あったことから基金残高は増となっている。森林環境整備促進基金は、森林環境譲与税を積み立てるもので、取崩しが無かったことから基金残高は増となっている。(今後の方針)ふるさと創生基金については、観光趣向振興事業の財源不足の補てんとして各年度5~10百万円程度の取り崩しを予定している。山癒の里基金については、指定寄付金の積立により増が見込まれる。 |
有形固定資産減価償却率の分析欄有形固定資産減価償却率は、令和01から令和05にかけて4.9%低下しており、全国平均・奈良県平均より上回っている。これは施設の新設や大規模改修実施によるものであり、令和01火葬場整備事業、令和02老人福祉施設整備事業、令和03保育所整備事業、令和04・令和05火葬場解体工事や洞川温泉施設整備事業などが挙げられる。今後も、公共施設総合管理計画に基づき、公共施設の長寿命化対策を講じる必要がある。 | 債務償還比率の分析欄債務償還比率は、275.4%となり前年度比で25.4%増加している。全国平均や奈良県平均より低いが、類似団体を上回っている。増加の要因は令和02に新設した小規模多機能型居宅介護施設(老人福祉施設整備事業)を含む過疎対策事業債の償還が開始したためである。令和03年度以降、保育所整備事業、火葬場解体工事や洞川温泉施設整備事業など大規模事業に伴う地方債発行額が増大しており、今後これら地方債の元金償還が始まる。一方で、経常一般財源収入は横ばいであることから、今後さらに比率の悪化が見込まれるため債務償還能力に見合った計画的な財政運営を行う必要がある。 |
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析将来負担比率は、近年減少(改善)傾向にありH30以降は0%以下である。これは、財政調整期金積立金(H24~R02)、減債基金積立金(R02~R05)の残高が増大したことと、地方債借入の際に過疎対策事業債など有利な地方債を選択することで、一般財源による後年負担が減少したためである。一方で、有形固定資産減価償却率は、R05は前年度比で3.6%減少している。しかし60%に近く高い水準であり、公有施設の経年劣化が進んでいる状況であり、今後、公共施設総合管理計画に基づき、施設の転用・集約化の検討も含め、長寿命化対策が必要である。 |
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分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析将来負担比率は、近年減少(改善)傾向にありH30以降は0%以下である。これは、財政調整期金積立金(H24~R02)、減債基金積立金(R02~R05)の残高が増大したことと、地方債借入の際に過疎対策事業債など有利な地方債を選択することで一般財源による後年負担が減少したためである。実質公債費比率は、元利償還金の増加に対し、洞川温泉施設整備事業実施による特定財源(国庫補助金)の大幅な増加によって、0.5%改善している。しかし国勢調査人口も減少していること、大規模事業の財源として多額の地方債(主に過疎対策事業債)の発行、また標準財政規模も縮小が予測され、今後2~3年はさらに比率は上昇すると見込まれる。計画的な事業実施により将来にわたり健全な財政運営が必要である。 |
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道路橋りょう・トンネル公営住宅港湾・漁港認定こども園・幼稚園・保育所学校施設児童館公民館 |
施設情報の分析欄施設累計別の有形固定資産減価償却率は、道路、公民館が全国平均に比して高くなっている。道路・橋梁・トンネルに関しては、社会資本整備総合交付金事業により毎年長寿命化事業を実施しており資産額は増大しており、公民館に関しては平成30に耐震補強工事を実施したことで若干数値は改善しているが、他の施設に関しては公共施設総合管理計画上、大規模な補修計画はなく当面の間は数値の改善は望まれない。比率が高い理由として、道路に関しては村人口に比して村道延長が長く、かつ狭わい路線が多いため全体的に見ると整備・改良が進んでいないためである。認定こども園・幼稚園・保育所に関しては、幼稚園が昭和53年に建設し令和5年度まで45年が経過しており、対応年数である34年を超えており、有形固定資産減価償却が完了しているためゼロとなっていたが、令和3年度に保育所整備事業を実施し7.1となっている。また幼稚園は運営をしており、通園している児童がいるため一人当たりの面積については計上される。学校施設に関しては旧校舎を含め転用先用途が未定の施設が多く早期の用途決定が望まれる。一方で、公営住宅に関しては償却率が45.0%と全国平均よりかなり低い水準であるが、これは、坪内公営住宅、南日裏公営住宅、洞川公営住宅整備事業の完了により新築の公営住宅戸数が増加したためであるが、村民一人あたり面積ではなお全国平均を下回っていることから、今後は空き家対策事業も含め、定住・移住対策としてさらなる住宅の整備が必要と考える。 |
図書館体育館・プール福祉施設市民会館一般廃棄物処理施設保健センター・保健所消防施設庁舎 |
施設情報の分析欄施設累計型別の有形固定資産減価償却率は、体育館、消防施設、庁舎で全国平均を大きく上回っているが、体育館に関しては令和1に大規模改修(屋根・屋体)を実施したことから、やや比率の改善がみられる。庁舎に関しては、平成29に耐震・大規模改修を実施したが、築40年以上経過しており、なお全国平均を上回っている状況であり、当面は適宜必要な改修を行いつつ維持管理をしていく予定であるため大幅な比率の改善は望めない。福祉施設については、令和2年度に小規模多機能型居宅介護施設を建設したことにより、有形固定資産減価償却が始まっている。また運営は令和3年度より開始となるため、一人当たりの面積が1年遅れて計上されている。保健センターに関しては、築20年と本村の施設の内では比較的新しい施設である。有形固定資産減価償却率が全国平均等を下回っているが、トイレの洋式化や空調設備の修繕により有害固定資産減価償却率が増加している。また消防施設に関しても、既設無蓋防火水槽の有蓋化や防火水槽の整備により有形固定資産減価償却率が減少している。いずれの施設型においても、人口減少に伴い、村民一人あたり面積は概ね全国平均上回っている。当面、現状施設に対して必要な改修を加えつつ維持管理していく方針ではあるが、さらなる人口減少等の状況に至った場合には、公共施設総合管理計画において村の規模に見合った施設数への複合化・集約化の検討が必要である。各施設とも減価償却率からみると老朽化が進んでいることが伺えるが、実態としては、例えば保健センターや体育館など1施設しかなく経年劣化はみられるも使用においては特段の問題がないものであり、今後は個別計画により施設の維持方針を見定めていく必要がある。 |
資産合計負債合計 |
1.資産・負債の状況一般会計等では、総資産額が前年度末かか1,085百万円の増加(+11.0%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産の洞川温泉ビジターセンター整備工事(572百万円)、旧天川西小学校体育館耐震工事(33百万円)や流動資産である減債基金積立(200百万円)などによる資産取得額等が主なものであり、資産の取得額が減価償却による資産の減少が上回ったことが増加の要因である。負債では、地方債発行額は636百万円、償還額は376百万円であり、発行額が償還額を大きく上回った。今後は洞川温泉ビジターセンター外構整備工事や薬湯センターみずはの湯大規模改修整備事業などにより令和6年度以降再び増加に転じる見込みとなる。全体においては、下水道事業会計、簡易水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から1,084百万円増加(+9.0%)し、負債総額は322百万円増加(+6.4%)した。資産総額は、水道管、下水道管、合併浄化槽等のインフラ資産が主なものであり、今年度は洞川簡易水道施設改修設計委託事業や洞川簡易水道本管移設工事の実施により資産は増加した。連結では、さくら広域環境衛生組合や南和広域医療企業団等を加えた連結では、資産総額は前年度末から1,299百万円増加(+8.4%)し、負債総額は1百万円減少(▲0.1%)した。さくら広域環境衛生組合では令和5年度に新ごみ焼却処理施設が完成し、南和広域医療企業団では医療機器等の更新・整備により資産額が増加した。令和6年度以降は、南和広域衛生組合施設の旧ごみ焼却施設施設の解体が進められる。 |
純経常行政コスト純行政コスト |
2.行政コストの状況全体では、一般会計等に比べて、簡易水道料金や下水道使用料を「使用料及び手数料」に計上しているため経常収益が53百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が656百万円多くなり、純行政コストは351百万円多くなっている。連結の業務費用では、人件費の占める割合が728百万円と高く、主なものとして南和広域医療企業団の職員人件費が挙げられる。純行政コストは、一般会計等に比べ27百万円多い1,937百万円となっている。 |
本年度差額本年度末純資産残高本年度純資産変動額 |
3.純資産変動の状況一般会計等では、税収等の財源(2,120百万円)が純行政コスト(1,559百万円)を上回っており、本年度差額は736百万円となり、純資産残高は736百万円の増加となった。自主財源比率が0.14と低く、今後も高齢化により大幅な改善は見込まれないことから、地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努める。全体にでは、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の保険料・保険税が税収等に含まれることから、一般会計と比べて税収等が57百万円多くなっており、本年度差額は709百万円となり、純資産残高は8,608百万円となった。連結では、南和広域医療企業団等への国検討補助金が財源に含まれることから一般会計等と比べて財源が20百万円多くなっており、本年度差額は756百万円となり、純資産残高は9,612百万円となった。 |
業務活動収支投資活動収支財務活動収支 |
4.資金収支の状況一般会計等では、業務活動収支は736百万円であり、投資活動収支については、洞川温泉ビジターセンター整備事業や旧天川西小学校体育館耐震工事等を実施したことから▲1,002百万円となっている。財務活動収支については、地方債の償還額が年々増大しており、地方債の償還額384百万円が地方債発行収入を上回ったことから、256百万円となった。当該年度で実施した洞川温泉ビジターセンター整備事業や旧天川西小学校体育館耐震工事等、橋梁長寿命化対策事業など施設整備事業が相次ぐことから、公共施設総合管理計画に基づき施設の統合、集約化に努める。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用量及び手数料収入があることから、業務活動収支は一般会計より47百万円多い783百万円となっている。投資活動収支では、一般会計等と比して▲36百万円で、▲1,038百万円となっている。連結では、南和広域医療企業団における診療収入利益が業務収入に含まれる一方で、人件費等の業務活動支出が含まれることから、業務活動収支は一般会計と比べて166百万円多い902百万円となっている。 |
①住民一人当たり資産額(万円)②歳入額対資産比率(年)③有形固定資産減価償却率(%) |
1.資産の状況住民一人当たり資産額が類似団体平均を上回っている。当団体では、道路の敷地のうち、取得価格が不明であるため、備忘価格1円で評価しているものが大半を占めている。平成28年度以降、役場庁舎など各種施設の長寿命化・大規模改修事業(温泉士悦駐車場整備や保健センター空調機器改修)を進めていることから、令和元年度からは265.4万円増加している。令和5年度は洞川温泉ビジターセンター整備事業の実施により、資産額が大きく増加しているため、類似団体を上回っている。 |
④純資産比率(%)⑤将来世代負担比率(%) |
2.資産と負債の比率純資産比率は類似団体平均を大きく下回っているが、道路橋梁など施設全体の老朽化が進んでおり、橋梁長寿命化対策計画に基づき優先順位を定めた上で早急な対策を講じる必要がある。また、将来負担比率は類似団体平均を上回っているが、自主財源に乏しく施設整備は地方債に依存する傾向が強いためであり、新たな地方債の発行を抑制するとともに将来的な展望のもと施設の集約化・統合・廃止について積極的に検討を進めていく。 |
⑥住民一人当たり行政コスト(万円) |
3.行政コストの状況住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っているが、昨年度と比較すると増加している。令和5年度は、人件費の現状(506百万円、前年度比10百万円)があったものの、物件費が増加(381百万円、前年度比+62百万円)している。広域化や外部委託を積極的に検討し行政コストの削減に努める。 |
⑦住民一人当たり負債額(万円)⑧基礎的財政収支(百万円) |
4.負債の状況住民一人当たりの負債額は類似団体平均を大きく上回っている。平成30年度~令和元年度にかけては、火葬場整備事業(240百万円)、令和2年度には小規模多機能型居宅介護施設整備事業(204百万円)、令和3年度では保育所整備事業(53百万円)、令和4年度では観光駐車場整備事業(27百万円)や火葬場解体工事(14百万円)、令和5年度では洞川温泉ビジターセンター整備事業(572百万円)や火葬場解体工事(40百万円)などの財源として過疎対策事業債等を発行しており、今後元金償還が発生する。地方債残高も高い水準にあるため、今後は新たな地方債の発行を抑制するとともに、計画的な地方債の繰り上げ償還を行うなど、地方債残高の抑制に努める。 |
⑨受益者負担比率(%) |
5.受益者負担の状況受益者負担比率は類似団体を下回っている状況である。自主財源に乏しく、今後高齢化によりさらに厳しい状況となることが見込まれることから、各種使用料・手数料、公営住宅等使用料などの受益者負担の水準について検討するとともに、維持補修費や管理費など経常経費の削減に努める。 |
出典:
財政状況資料集
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統一的な基準による財務書類に関する情報
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