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地方財政ダッシュボード

愛知県新城市の財政状況(2021年度)

🏠新城市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

対前年度比と0.2ポイントの減ではあるが、類似団体平均を上回っている状況である。根幹的な自主財源である地方税の大幅な伸びは見込めず、また普通交付税の合併算定替が終了されたことにより厳しい状況にはある。さらに、公共施設等総合管理計画を着実に進め公共施設の維持・修繕に努めなければならない。このような背景を踏まえ、平成30年度に策定した新城市財政健全化推進プランに基づき自主財源の確保に努めるとともに、事務効率化等の歳出見直しや公共施設等管理適正化に取り組んでいく。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は86.8%(-5.2%)となり大幅に減少した。しかし、地方交付税の再算定や地方消費税の増加などの一時的な要因によるところが大きい。今後の歳入面での見通しとしては、合併算定替が終了し、生産年齢人口を中心とした人口減少に伴う税収の減少が見込まれるため、市民税法人税割おいては、令和元年度に超過税率を設ける等歳入確保の取り組みを行っている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響も重なり地方税の大幅な伸びは見込めず、また普通交付税の合併算定替が終了されたことにより厳しい状況にはあるなか、経常一般財源等は減少する見込みである。財政構造の硬直化を抑制するため、今後とも事務事業の見直しを進め、経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度に比べ12,993円増え、依然として類似団体平均を上回っている状況である。人件費については、市内15こども園を直営で運営していることや、近隣町村からの消防業務受託など特殊要因が影響しているが、第4次定員適正化計画に基づき職員数の適正化に引き続き努め、人件費の抑制を図っていく。物件費についても、広大な市域に点在する公共施設について廃止、譲渡などの整理を継続し、更なる経費の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

職員構成の変動はあるものの、前年度同ポイントの98.6となった。類似団体平均と比較し1.3ポイント上回っているが、全国市平均と比較すると0.2ポイント下回っている。今後も適正な給与水準の維持に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

近隣町村の常備消防業務を受託していること、市内に2箇所の民間小規模保育所はあるものの、それ以外の15箇所のこども園を市が直営で運営していること等の特殊要因により、類似団体平均を大きく上回っている。今後も第4次定員適正化計画に基づき職員数の適正化に引き続き努めていく。今後の保育士配置基準の見直しや人口減少という社会変化の中での改善策が必要となってくる。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は算定初年度の平成18年度には15.7%であったが、財政健全化に努めた結果、8.6ポイントの改善を図ることが出来ている。しかし、類似団体平均を下回っているものの、平成29年度以降、上昇傾向にある。平成29年度の起債や令和元年度の起債がそれぞれの据置期間を経て、この令和3年度に償還金が発生し、平成30年度と比較し1億8千万円余増えたことが要因と思われる。今後は、さらなる市債の計画的な発行とともに、財源確保に努め、市債に大きく依存しない財政運営を進めていく。

将来負担比率の分析欄

ここ数年地方債の借入額が増加していることもあり、将来負担額が増えておりましたが、令和3年度には標準財政規模が、普通交付税と臨時財政対策債発行可能額が増えたことにより、将来負担比率は51.6%と前年度と比較し11%減少いる。今後は、鳳来総合支所等整備事業や学校給食施設改築事業など旧合併特例事業債を中心に大型の市債発行が予定されているが、市債の発行については必要性を精査し、また財政調整基金を取り崩さない財政運営を図り、将来負担の抑制に取り組んでいく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

令和2年度に会計年度任用職員制度が始まり昨年度は2.0ポイント増加したものの、今年度は若干の改善が見られ、1.4ポイントマイナスの27.6ポイントとなってはいる。しかし、類似団体と比較し、4.5ポイントと大きく上回っている。近隣町村の常備消防業務を受託していること、15箇所ものこども園を市直営で運営していること等の特殊要因となっている。第4次定員適正化計画に基づき職員数の適正化に引き続き努め、人件費の抑制を図っていく。

物件費の分析欄

物件費は前年度と比較し2.1ポイント改善したが、類似団体平均を依然として上回っている。市内15こども園を直営で運営していることや、近隣町村からの消防業務受託などの特殊要因が数値を押し上げている面があるが、今後も物件費の抑制策として、広大な市域に点在する公共施設の維持管理経費を削減するため、新城市公共施設等総合管理計画に基づき、市民の理解を得たうえで施設の譲渡・廃止を進めていく。

扶助費の分析欄

扶助費は前年度と比較し大きな変動はなく、類似団体平均を下回っている。扶助費全体では減少しているものの、サービス充実に伴う介護給付事業や障害者サービス利用施設の増加、保育所管理事業費用が増加傾向にあり、高齢者人口の増加による生活扶助の増加も今後も考えられる。扶助費の増加は今後も続くことが見込まれるが、引き続き適正な給付事務に努めていく。

その他の分析欄

平成30年度に介護保険事業が東三河広域連合に統合されたことによる介護保険事業特別会計繰出金の性質変更(繰出金から補助費等)により、平成30年度以降は類似団体平均を大きく下回る状況となっている。また、新城市公共施設等総合管理計画に基づき公共施設の統合・譲渡などを進め、施設の維持管理経費を削減するとともに、公営企業の利用者の増加などを図っていく。

補助費等の分析欄

平成30年度に介護保険事業が東三河広域連合に統合されたことによる介護保険事業特別会計繰出金の性質変更(繰出金から補助費等)により、平成30年度以降は類似団体平均を大きく上回る状況となっている。昨年度からの減要因として、コロナ対策として特別定額給付金の減が大きいものと考えられる。今後も、引き続き補助金等の見直しを行うとともに、企業会計については経営健全化計画等に基づき適正な経営に努めていく。

公債費の分析欄

公債費は前年度と比較し大きな変動はなく、類似団体平均を下回っているものの、依然として高い水準にある。これは市町村合併後継続的に進めてきた大型建設事業に係る地方債償還額の増加によるもので、旧合併特例事業債の発行期限の令和7年度までは当該事業債を活用した大型建設事業が計画されていることから、当面は公債費の増加が続くことが見込まれる。公債費の増加抑制のため、今後も市債の発行については常に必要性や規模などを精査していくこととしている。

公債費以外の分析欄

人件費等の義務的経費や普通建設事業費の増加の反面、昨年度対比4.7ポイントしたが、類似団体平均を上回っている状況である。新城市公共施設等総合管理計画に基づき公共施設の統合・譲渡などを進め、施設の維持管理経費を削減するとともに、公営企業などの使用料や保険料の適正化を図っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

増減幅の大きなものとして、総務費の特別定額給付金事業の減、民生費・住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金執行、衛生費・新型コロナウイルスワクチン接種事業の増、商工費・プレミアム付き商品券負担金や愛知県・市町村新型コロナウイルス感染症対策協力金の減があり、コロナ対策関連経費が大きなウェイトとなっている。一方経常経費分析表にもあるように、公債費については市町村合併後継続的に進めてきた大型建設事業に係る地方債償還額の増加によるもので、旧合併特例事業債の発行期限の令和7年度までは当該事業債を活用した大型建設事業が計画されていることから、当面は公債費の増加傾向が予想される。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

【義務的経費】人件費は令和2年度の会計年度任用職員制度により増加する中、人口減少もあり住民一人当たり人件費は5,433円の増加となった。市内15こども園を直営で運営していることや近隣町村からの消防業務受託など特殊要因が影響し、類似団体内順位では上位となっている。扶助費は民生費のコロナ対策として子育て世帯への臨時特別給付金が大きな要因となり21,366円の増加となった。公債費は旧合併特例事業債を中心に大型事業の起債が続いており、元利金とも償還金が増加しているため、3,776円増加している。【投資的経費】新規整備、更新整備とも普通建設事業は大型事業が少なかったため減少となった。更新設備については道路改良等の道整備交付金事業、新規整備として東郷中学校屋内運動場建設工事が減要因となっていると思われる。【その他】物件費では新型コロナウイルスワクチン接種事業、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金などにより8,752円の増となっている。積立金は、新型コロナウイルス感染症対策など危機対応時の財源として重要である財政調整基金への積立金が増額し、13,919円の増となった。旧合併特例事業債の発行期限の令和7年度までは当該事業債を活用した大型建設事業が計画されているが、一方で人口減少や高齢化に伴う市税等の減少や普通交付税の合併算定替による増額分の縮減などによる歳入の減少が予測されることから、経常的経費の削減や公共施設の在り方、事業の見直しなどを含めて、現在の行政サービスを維持しながらも財政運営を行えるよう、対策を講じる必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

普通交付税と臨時財政対策債発行可能額が増加により標準財政規模が増えてはいるが、単年度収支が大きく増額となったことにより、実質収支比率が3.2ポイント増加した。交付税と臨時財政対策債の増額により一時的な財政調整基金残高の増となってはいるが、今後とも財政調整基金を取り崩さない財政運営を図り、将来負担の抑制に取り組んでいく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

全ての会計で黒字となっている。法適用企業では、病院事業会計をはじめ、全ての会計において多少の増減はあるものの、前年度と同水準の比率を維持している。公営事業では、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療特別会計、国民健康保険診療所特別会計においては前年度と同等、もしくはそれ以上の黒字額(実質収支額)を維持した。一般会計についても、前年度から若干上昇し黒字額(実質収支額)を維持している。算定初年度の平成19年度から黒字を続けており、今後も健全な財政運営、経営を実施し黒字を継続していく。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

地方債の発行が増加しているため元利償還金のうち元金償還金が増加していること、公営企業債の元利償還金に対する繰入金も増加に転じたことから、実質公債費比率の分子は増加した。算入公債費等のうち基準財政需要額に算入される額も増えているが、今後も市債の発行については、必要性や規模などを精査し、同時に本市の財政運営に有利な起債のメニューを選択していく。併せて、公営企業の健全化や財源の確保などにも努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

市町村合併後、旧合併特例事業債を活用した大型建設事業に集中して取り組んでいることから、当該事業債を中心に地方債現在高の増加が続いている。令和2年度からの建築工事や設備更新事業の減があり、令和3年度は211百万円の増となっている。市債発行の際には地方交付税措置のある起債メニューを選択し、将来負担額の軽減に努めたが、基準財政需要額算入見込額は371百万円微増、財源調整に伴う財政調整基金取り崩しにより充当可能基金が759百万円増加し、将来負担比率の分子の減少要因となっている。今後も市債発行の必要性を厳しく精査するとともに、基金残高にも注意を払い、将来負担の抑制に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)・令和3年度末の基金残高は6,130百万円で、前年度から801百万円増加している。・要因としては、令和2年度はコロナ対策として2つの基金を創設したが、令和3年度は新型コロナウイルス感染症対策など危機対応時の財源のための財政調整基金を積立562百万円の増加、一方では、その他特定目的基金では全体で28百万円の減少となった。(今後の方針)前年度繰越金等を財源により可能な限り基金積立を行いたい。公共施設等総合管理計画に基づき今後、公共施設の維持管理経費が増加するが、財政調整基金を取り崩さない財政運営を図っていく。

財政調整基金

(増減理由)令和3年度は取崩はなく、新型コロナウイルス感染症対策など危機対応時の財源として重要である財政調整基金への積立金が482百万円の増となった。(今後の方針)令和3年度に目標額を標準財政規模の20%となる29億円(財政調整基金と減債基金の計)と定め、実質収支額のうち6億円を超える部分を翌年度に積み立てることとする。また、可能な限り積み立てられる時には積立を行いたい。今後もやむを得ず財源調整のため財政調整基金を取り崩すことが想定されるが、財政調整基金の取り崩しは原則行わないことを基本路線とする財政運営に努めていく。

減債基金

(増減理由)国の令和3年度補正予算(第1号)において、令和3年度の臨時財政対策債を償還するための基金の積立てに要する経費が普通交付税にて措置されたため、減債基金への積立が+267百万円増額となった(今後の方針)庁舎建設事業等による後年度の合併関連市債償還額の増加を考慮し、平成25年度に300百万円、平成26年度に200百万円の積立を行った。平成27年度からは利子積立のみとしていた。今回は上記のように積立を行ったが、令和4年度から公債費負担軽減のため減債基金の取り崩しを行うこととしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)・みんなのまちづくり基金:市における地域住民の連帯の強化及び地域の振興を図るための事業を円滑に推進するための基金・庁舎等建設基金:庁舎等建設のための基金・ゴルフ場開発地域振興基金:合併前の作手村の区域(旧作手村)において行われたゴルフ場開発に関し、旧作手村と有楽観光開発株式会社との間で締結された協定書並びに契約書に基づく土地の保全及びコミュニティ活動の推進等地域の発展に寄与するための基金・地域福祉基金:市地域福祉の推進を図るための基金・新型コロナウイルス感染症対策基金:新型コロナウイルス感染症の影響による市民生活及び地域経済への対策を的確かつ迅速に実施するための基金(増減理由)「みんなのまちづくり基金」高速バス運行事業を始め地域自治区地域活動交付金事業などにより、50百万取崩を行った。「新型コロナウイルス感染症対策基金」個別接種協力医療機関支援金等のために、37百万円を取り崩した(今後の方針)現時点では積極的に積み立てを行っている特定目的基金はないが、令和2年度に新たに設置した新型コロナウイルス感染症対策基金は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の対象とならない事業に対して市独自の支援策を進めるため事業に充当する。庁舎等建設基金は、令和2年度から鳳来総合支所建設事業に充当している。なお、みんなのまちづくり基金は新城版地方創生の原資であり、地方創生事業の積極的な推進により取崩しが進めば、再度積み立てを行う必要があるものと考えている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市では、平成29年度に策定した公共施設等総合管理計画(令和3年度改訂)において、今後30年間で建築物系施設に係る延床面積及び維持更新費用の30%程度削減を目標に、老朽化した施設の除却を含めた統廃合、集約化、長寿命化進めている。また、公共施設個別施設計画(第1期)(令和3年3月策定)を策定し、1期計画期間に建築物総量削減目標を10%と掲げ、施設の維持管理を適正に進めている

債務償還比率の分析欄

平成29年度から令和元年度にかけ、本庁舎建設、下水道投入施設整備、桜淵公園再整備事業など大規模事業に係る地方債の発行により、将来負担額が年々増加し、類似団体と比較しても高くなっていたが、令和3年度は地方債の新規発行を抑えたため債務償還比率も低下した。今後は、可能な限り新規発行債を抑制、交付税算入を考慮した地方債の「質」の向上により、実質的負担の減少に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については類似団体内平均値と比較し高い水準に達しているが、令和3年度は地方債の新規発行を抑制した結果、将来負担比率が低下した。また、有形固定資産減価償却率も毎年度微増となっているのは、具体的な更新、除却が進んでいないことが現状で数値に表れている。新発債とのバランスを見据えた公共施設の抜本的な対応が今後の財政運営で必須となってくる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

平成29年度以降発行の地方債元金償還が令和2年度以降始まり、実質公債費率を上げている状況である。当市の財政運営ガイドラインにおいて、合併特例債と臨時財政対策債を除く地方債を借り入れる際に、交付税措置とのバランスを考慮した地方債発行の抑制を定めている。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類型全体的には、有形固定資産減価償却率に大きな差はないが、建築物としてこども園(保育園)や児童館が類似団体と比較し高くなっている。少子化に歯止めがかからない中、15園あるこども園のうち半数以上が築30年以上を迎え、そのような老朽化した園の統合や除却が進んでいない現状が大きく反映されている。児童館についても、鳥原児童館が築25年を迎え老朽化が進んでおり数値に反映されている。策定した個別施設計画や今後の人口推移に基づき、統廃合を踏まえた施設の維持、長寿命化を進めていかなければならない。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、類似団体内平均値と著しく差のある類型として、体育館・プールについてであるが、令和3年度にプールを解体(除却)したが、体育館については市町村合併を機に統廃合した昭和50年代に建築した小学校体育館が6棟あり、個別施設計画において、建物本来の用途(機能)としての方向性は廃止を検討しているが、大きな減価償却率の減少は見込めない。その反面、市役所本庁舎については、建替により平成30年度から大きく比率がさがっている。それに加え、令和5年5月時点で、合併により総合支所扱いとなっている旧鳳来町庁舎の建替が完了し、後年度さらに比率としては下がる傾向にある。その他、類似団体内平均値と比較し高いものとして、図書館及び市民会館については、地域文化広場として昭和61年に建築され30年以上経過している。大規模改修や更新が必要となっており個別計画で長寿命化に位置付け、将来の費用負担や確実な財源確保など財政的な観点から中期的に更新計画を立てている。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、負債総額が前年度比で67百万円の増加(+0.2%)となった。金額の変動が最も大きいものは1年内償還予定地方債(流動負債)であり、前年度比で182百万円の増額となった。水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体会計では、資産総額は前年度比で2,633百万円の減額(△1.5%)となり、負債総額は前年度比で2,292百万円の減額(△3.4%)となった。資産総額は上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計に比べ35,118百万円多くなっているが、負債総額も地方債(定負債)を充当したこと等から、31,458百万円多くなっている。資産の部における増加要因としては、固定資産のうちインフラ資産の増加が要因となっている。連結において、主な増減の要因は全体会計と同様である。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストが前年度比で1,893百万円の減少(△7.6%)となった。うち、3,751百万円が補助金等(移転費用)であり、新型コロナウイルス対応によるもの。結果として経常費用は23,918百万円となり、前年度比で1,982百万円の減少(▲8.2%)となった。一方で、経常収益は883百万円となり、前年度比で88百万円の減少(△9.9%)となった。補助金等を除いた純行政コストの総額は減少しているが、経常費用のうち人件費が増加傾向にあるため、事務の効率化を実施し、経費の抑制に努める必要がある。また、減価償却費が増加しており、施設の集約化・複合化に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。全体では、一般会計等と同様に前年度比で1,004百万円の減額(△3.3%)となった。純行政コストが増加しているため、歳入確保や経費の抑制に努める必要がある。連結では、経常収益が前年度比で700百万円の減額(△12.9%)となったが、経常費用は45,723百万円となり、前年度比で75百万円の減額(△0.2%)であった。純経常行政コストの総額としては、前年度比で625百万円の増額となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等(16,431百万円)及び国県等補助金(4,727百万円)の財源(21,158百万円)が純行政コスト(23,160百万円)を下回り、本年度差額は△2,002百万円となり、前年度比では△1,435百万円減少した。固定資産等形成分においては、大型建設工事の減少に伴い有形固定資産が減少(△2,821百万円)し、また基金の取崩も減少(△531百万円)したことにより、総額での本年度純資産変動額は△1,244百万円となり、前年比では△714百万円となった。平成29年度に簡易水道事業を上水道事業に統合したこと等から無償所管換等が大幅に減少し、平成29年度においての全体会計での本年度純資産変動額は大幅に減少した。その後は、固定資産等形成分の減少(前年比△5,044百万円)に伴い、全体会計での本年度純資産変動額は減少している。連結において、主な増減の要因は一般会計等、全体と同様である。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は前年度比で1,512百万円の減額(△44.3%)となった。財務活動収支は大型建設事業に係る地方債発行の減少に伴い、前年度比で△394百万円の減額(△65.1%)となった。全体では、業務活動収支は前年度比で851百万円の減額(△19.7%)となった。また、財務活動収支も前年度比で535百万円の減額(△109.4%)となった。連結において、主な増減の要因は一般会計等、全体と同様である。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民1人当たり資産額は、類似団体平均値よりも下回っているものの、前年度比2.4万円増額となっている。社会資本として形成された固定資産が多く、社会資本の整備は確実に進んでいると考えられる。しかしながら、歳入額対資産比率、有形固定資産減価償却率ともに類似団体平均値と比較して上回っており、建築後30年以上経過している施設が50%以上の面積を占め、更新時期を迎えており、有形固定資産減価償却率は類似団体平均値よりも0.9%上回っている。施設等の老朽化が進んでいることが分かるた公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的な施設等の更新・廃止を意識して行政運営を行っていく必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、余剰金の減少により純資産が減少し、前年度から0.3%減少している。また類似団体平均値よりも、1.0%上回っている状況である。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、世代間の負担の公平性を意識した財政運営や公共施設等の管理適正化を図っていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

類似団体平均値より△3.8万円となっており、行政サービスは効率的に提供されていると考えられる。また、前年度比で3.2万円減額となっているため、引き続き、コスト意識を持った財政運営を行っていく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値より+6.1万円であり、前年度比で+1.4万円となっている。公共施設の老朽化が喫緊の課題となっている現状から、公共事業の縮減や地方債発行の抑制に努め、持続可能な財政運営を行っていく必要がある。業務的活動収支は前年度比△1,528百万円となり、投資的活動収支は依然として赤字となっている。基礎的財政収支は、類似団体平均値より+18.9万円となっているものの、類似団体平均値との差が平成30年度と比較して減少している。引き続き、業務支出の人件費支出の削減に努め、公共施設等総合管理計画などに基づき、計画的な施設等の更新・廃止を意識して行政運営を行っていく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常収益が前年比△88百万円減少しており、当該値は前年同値となっているものの、類似団体平均値と比べ0.3%低くなっている。今後も他団体と比較し、当該数値が下回らないよう公平性を意識した財政運営を行っていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,