経営の健全性・効率性について
日出町の漁業集落排水事業は、平成6年に供用を開始し施設整備が完了しています。①収益的収支比率…100%を下回っており赤字の状態といえます。④企業債残高対事業規模比率…類似団体と比較すると低い水準にあり、数値がはほぼ横ばい~減少の状況です。今後施設の更新を迎えるため、より効率的な運営に取り組むことが重要となります。⑤経費回収率…類似団体と比較すると高い水準にありますが、今後施設更新等の費用を確保するためにも、使用料体系の見直しも含め経営状況の見直しを検討することが必要となってきます。⑥汚水処理原価…類似団体と比較すると低い水準にありますが、使用料単価が150円程度であることから数値は高いと言えます。事業が完了していることから有収水量の増加は難しいため、より効率的な維持管理を進めていく必要があります。⑦施設利用率、⑧水洗化率…ともに類似団体と比較すると高い水準にあります。事業が完了していることから、今後も未接続世帯に対して働きかけを行うことが必要です。
老朽化の状況について
日出町の漁業集落排水事業は、平成6年に供用を開始し、20年以上経過しています。下水道の管渠等の標準耐用年数はおおむね50年とされているため、現段階では老朽化への対策は講じていません。今後10年間で管渠の塩害や硫化水素による腐食等も予想されることから、機能診断調査及び機能保全計画を策定し、長寿命化等の対策を行っていくこととしています。
全体総括
日出町の漁業集落排水事業は既に完了し、管渠の拡張予定はありません。今後事業を維持していくため、経営状況改善の取り組みが必要ですが、使用料の収納率向上や料金体系の見直しといったものに限られています。また、未接続世帯への働きかけを行う必要があります。料金体系の見直しについては、他団体の動向や他事業の状況等を注視しつつ、適正な料金体系への移行を検討していきます。