杵築市：山香病院

地域において担っている役割

・地域の中核病院として、医療機関や介護施設と密接に連携を図っており、杵築市における地域包括ケアシステムを構築し、急性期から在宅までの医療を提供している。・二次救急医療機関として、救急搬送患者の受入を積極的に実施している。・地域に不足している回復期機能を強化し、良質なリハビリ医療の提供を行っている。・地域密着型の医療機関として小児医療にも取り組んでいる。また、休日に軽傷の小児が遠方までいかなくて良いように地域の小児科医院と連携し、受入体制を整えるよう努力しており、月2回程度の日曜診療を継続している。・へき地医療拠点病院の指定を受けており、地域の医療を守っている。・へき地医療に関する臨床研修を大分大学医学部や別府医療センターと連携しながら実施している。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率②医業収支比率ともに平均値以上で推移しており、健全な経営状況にある。③平成26年度に累積欠損金が発生。これは会計基準の見直しにより過去の退職給付引当金不足を一括で引当したことが主な要因。比率は平均値より大幅に低い数値で推移しており特に問題ないが、解消に向けて取り組む必要はある。④病床利用率は、90％以上の高い水準で推移しており良好。⑤・⑥入院（外来）患者1人1日当たり収益は、平均値より低く推移しているが、病床利用率が高く経常収支比率も100％を超えており特に問題ない。⑦職員給与費対医業収益比率は、委託費比率が低いため、平均値より高く推移している。業務委託化を含め、改善を図る必要がある。⑧材料費対医業収益比率は、平均値より低く推移しており良好。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、平均値より高い水準で推移しており老朽化が進んでいる。特に建物の老朽化は激しく、更新を検討している。②器械備品減価償却率は、平均値より高い水準で推移している。老朽化が進んでおり、中期的な観点から更新計画が必要。③１床当たり有形固定資産は、介護・福祉部門の資産を除く（健診部門含む）と令和元年度の当該値は31,146千円であり類似団体平均値より大きく下回っている。有形固定資産投資状況は過少であり、計画的な更新が必要。

全体総括

経常収支比率他、各種経営比率は改善し、類似病院の平均値以上で推移しており、業績は着実に回復している。現状、経営の健全性・効率性は概ね確保されているといえるが、建物・機器とも老朽化が激しく、今後も修繕費が増加することが予想される。患者さんの療養環境や医療の質にも関わることから、計画的な更新を検討していく。