経営の状況について
本村の風力発電事業は、その運営を主に売電による収入が財源となっており、他会計からの繰入金はありません。故障が多発した令和元年度を除き、過去4年間を通じて収益的収支比率・営業収支比率とも黒字となっており、安定した経営といえます。供給原価をみると、R1の数値が突出していますが、これは消耗品等の経年劣化による故障が多かったこと、また電力会社からの送電制限が頻繁にあったためです。しかし、そのほかの年度では概ね同等程度で推移しており、いずれも平均値以下であることから、比較的良好と考えております。EBITDAについては、R1の数値がほかの年度御比較して低くなっていますが、これも消耗品等の経年劣化による故障が多かったこと、また電力会社からの送電制限が頻繁にあったためです。しかし、そのほかの年度では概ね同等程度で推移していることから、収益力は低いながらも安定的かつ比較的良好と考えております。
経営のリスクについて
・設備利用率をみると、全体的な傾向として大きな変動はないものの、平均値を上回る年がないことがわかります。H28~H30は小さな不具合等の修繕による稼働の停止が多く発生している状況であり、利用率も低い数値で横這い傾向にありました。R01は故障による停止や電力会社からの制限が頻繁にあったことにより利用率が低下しました。・修繕費比率をみると、R01が他の年度に比べ大きく上回っています。これは消耗品等の経年劣化による故障が多かったことによります。R02は前年の修理等の実施を受けて、比率としては大きく下がりました。・売電収入の全てが固定価格買取制度(FIT収入)によるものです。固定価格買取制度の終了がR3であり、現在の買取価格より下落することが推測されることから、R3以降の経営悪化が懸念されます。・企業債残高対料金収入比率が0%である理由としては、現在借入額がないことが要因となっています。
全体総括
現状として、本村の風力発電による経営は、概ね安定しています。しかしながら、前述したように固定価格買取制度の終了が近づいてきており、現状のままの経営では赤字に転じる可能性があります。経営の見通しとしては、R3の固定価格買取制度の終了年度における事業の廃止を予定しております。