経営の健全性・効率性について
○経営の健全性について①経常収支比率は121.71%し、②累積欠損金はないが、⑤経費回収率は33.14と平均値を下回っており、下水道使用料だけでは運営できない状態にある。③流動比率は平均値を上回っており、これは市からの繰入金による内部留保資金の増加によるものであるが、④企業債残高対事業規模比率では平均値を上回っており、新たな起債を抑制するなど経営を工夫しつつ今後の償還に備える必要がある。○経営の効率性について⑤経費回収率が33.14%と前年度比15.2ポイント悪化し、また、⑥汚水処理原価が538.57と前年度比171.28ポイント悪化しているのは、浄化槽の突発的な故障があり、修繕費が例年以上にかかったことによる。市の個別排水処理事業は、農業集落排水事業で収入が見込めない地区を補完的に実施しているため、人口増による増収が見込めず、また、民間への委託など汚水処理費の削減に努めているが、費用削減も限界の状況にある。⑧水洗化率は全国平均を上回っており、引き続き接続勧奨を行うこととする。以上より、水洗化率の向上を図るとともに、料金単価の見直しを検討するなど料金収入の確保に努めていく必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は平均値を下回っている。令和元年度から公営企業法を全部適用しているが、供用開始から15年以上が経過し、施設が老朽化していることから、適切なメンテナンスを実施し長寿命化を図る必要がある。
全体総括
現状では、経営の健全性・効率性が保たれているが、料金収入だけでは維持管理費等を賄いきれず一般会計からの繰入金に依存している。また、供用開始から15年以上経過したことで機器等の修繕費が増加していることに加え、設置世帯の5割程度が高齢者の独り暮らしである等、過疎化の影響を大きく受けているため、今後料金収入の減少が見込まれ厳しい経営状況になることが想定される。すでに収支改善のために経費節減などの取り組みを行っているところであるが、さらに維持管理費等の経常費用の削減に努めるとともに料金単価の見直しを検討するなど経営の健全化に努めていく必要がある。