経営の健全性・効率性について
漁業集落排水事業には、現在3つの処理場があり、何れの処理区についても、小規模で処理区域内人口密度も低いため、汚水処理原価が高くなっているが、使用料については、公共下水道事業の料金体系に準じているため、①の収益的収支比率及び⑤の経費回収率ともに、100%を大きく下回っている。①の収益的収支比率について、前年度より改善しているが、これは分流式下水道等に要する経費の適正化を行ったため、前年度までは資本的収支に繰入をしていたものを、当該年度から収益的収支の収入したことなどにより、収支が改善したものである。④企業債残高対事業規模比率がH29年度決算からゼロとなったが、これも①と同じく、分流式下水道等に要する経費の適正化を行ったため、資本費のうち、使用料で賄うべき汚水処理費が、基準繰入の対象である分流式下水道等に要する経費に振り替わったためである。⑦施設利用率については、類似団体平均値と比べて僅かに高いものの、人口減少や節水機器の普及、社会情勢の変化による上水道使用量の減少等により、低迷している。⑧の水洗化率についても、類似団体平均値と比較すると高いものの、公共下水と比較すると低い。
老朽化の状況について
3処理区あった漁業集落排水事業のうち、大浜処理区については供用開始から27年以上が経過し、処理場の機械設備、電気設備等に老朽化が見られるため、平成28年度及び平成29年度の2箇年で、公共下水道の北部処理区へ接続する工事を実施した。平成29年度末をもって処理場を廃止し、平成30年度以降は、公共下水道の処理場で汚水処理を開始している。
全体総括
志津見処理区は供用開始から18年、椋名処理区は供用開始から11年が経過しており、椋名処理区については、当分の間、大規模な改修の予定はないものの、改築・更新の時期を見て、近接する処理場への統廃合を実施する予定である。また、資産の老朽化や人口減少等に伴う料金収入の減少に対応するため、平成28年度に策定した経営戦略に沿って、経営基盤強化と財政マネジメントの向上に努めてまいりたい。